WELL噛む!

元気をつくる!噛んで健康 噛むと脳が活性化

普段何気なく行っている「噛むこと」で、脳が活性化することがわかってきました。

脳を活性化するためには、音読や計算などが「脳トレ」として効果があるといわれていますが、噛むことも立派な「脳トレ」になります。その仕組みをご紹介します。

その1. 噛むことで脳の血流が増え、働きが活発になる

噛むことで脳内の血流が増え、脳の運動野や感覚野、前頭前野、小脳などが活性化します。特に脳の前頭前野は判断、感情、行動、記憶、コミュニケーションなどをつかさどる重要な部分です。うつではこの前頭前野の機能が低下することが指摘されていますが、噛むことで前頭前野の血流が増え、機能がアップします。

その2. 脳の記憶庫「海馬(かいば)」を刺激

脳の中で、記憶力をつかさどる部位が「海馬」です。「海馬」にはすべての情報が一時的に保存される、脳の記憶庫のようなところです。
わざと噛み合わせを悪くしたマウスでは、この海馬の細胞が消失、記憶力が低下したという実験結果があります。噛むことは海馬を刺激し、活性化するため記憶力を高められる可能性があります。

その3. セロトニン神経が活性化され、うつにも効果

研究によると、ガムを20分間しっかり噛み続けると、脳のセロトニン神経が活性化し、血液中のセロトニン濃度が増加したそうです。セロトニン神経が活性化すると、ストレスを緩和し幸福感を高めるセロトニンの分泌が増え、うつなどの改善にも効果があるといわれています。また、セロトニンは、睡眠ホルモン・メラトニンを作り出す材料でもあります。セロトニンがたくさん出ると、夜、ぐっすり眠れるという効果も。ヨガやウォーキングなどを行ってもセロトニン神経が活性化しますが、噛むだけで同じ効果があるのはうれしいですね。

その4. 噛むことで脳からα波が出てリラックス

噛むと脳からα波が出ることもわかっています。α波とは脳波の一種で、集中力や記憶力を高めてくれます。噛むと「覚醒しながらリラックス」できるという独特な状態を作り出すことができます。集中力とリラックスの両方が必要なスポーツ選手が、積極的にガムを噛んでいるのはこのためです。

いかがでしたか?脳を活性化するためには、食事の時にしっかり噛んで食べることはもちろん、時々ガムなどを意識的によく噛んで食べると、脳が刺激されます。「噛み噛みタイム」で脳トレを習慣にしましょう。ガムを噛むときは、硬めのシュガーレスにするのがおすすめです。


監修:有田秀穂先生(東邦大学名誉教授)