日に日に寒さが厳しくなり、空気が乾燥する冬は、 風邪のウィルスが猛威をふるう季節。
いくら用心していても体調や生活リズムの乱れなどに よってうっかりひいてしまう風邪。
油断してこじらせては大変です。そこで今回は、
風邪の原因や、風邪にかかったときの有効なケアなど、 冬の風邪対策に役立つ情報をお届けします。
 



意外に思われるでしょうが、じつは「風邪」という病気はありません。これはいわば略称で、正式には「風邪症候群」といい、上気道(鼻や喉など空気の通り道)の粘膜のさまざまな急性の炎症をまとめてこう呼びます。

病 名
症  状
普通感冒 くしゃみ、鼻水、鼻づまり、喉の痛み、咳など。程度は比較的軽い。
インフルエンザ 頭痛、喉の痛み、悪寒、高熱、関節痛などの全身症状。程度は重い。
咽頭炎 咽頭粘膜の腫れや発赤など。熱や頭痛などの全身症状が出る場合も。
気管支炎 喉の痛み、咳、痰など。高熱や呼吸困難などの症状が出る場合も。

こうした風邪症候群の原因の大半はウィルスの感染。その数は200種類以上ともいわれ、普通感冒は風邪ウィルスによって引き起こされます。鼻の粘膜に感染すると、くしゃみや鼻水、鼻づまりなどの症状をともなう「鼻かぜ」となり、喉の喉頭や咽頭の粘膜に感染すると、喉の痛みや腫れ、咳などの「喉かぜ」に。ウィルスの種類や感染した場所の違いによって、症状は異なります。
そして風邪ウィルスよりはるかに強力で、冬に猛威をふるうのがインフルエンザウィルスです。これに感染すると1〜4日間の潜伏期間をおいて、ゾクゾクするような悪寒に始まり、38℃以上の高熱、腰や手足の関節痛などの全身症状が現われ、喉の痛みや鼻づまりといった上気道の炎症、下痢や食欲不振など消化器系の症状をともなう場合も。また肺炎や髄膜炎などの合併症を引き起こす危険性もあるので要注意。風邪は万病のもと、と言われる通り、たかが風邪とあなどるのは禁物です。





鼻がつまる、喉がいがらっぽい…ひき始めの風邪には、昔から受け継がれてきた民間療法を試してみてはいかがでしょう。身近な野菜や果物などの薬効をうまく応用した先人たちの知恵や工夫は、いまも役立つものが少なくありません。例えば風邪で鼻がつまった時は、長ネギ(5cm程度に切って縦割り)の切り口を鼻に10分ほど当てておくと、鼻づまりがスッと解消します。長ネギには粘膜を適度に刺激し血行を良くする硫化アリル化合物が含まれているため、鼻づまりだけでなく、喉の痛みにも効果があると言われています。
軽く火であぶった長ネギ(5cm程度に切って縦割り)をガーゼで包んで喉に当てて(切れ目が喉に当たるように)包帯で巻きつける「ネギ湿布」を試してみましょう。また梅に含まれるクエン酸は、抗菌・発汗作用にすぐれています。梅干しを金網かオーブントースターで黒くなるまで焼いて湯飲み茶碗に移し、熱いお湯を注いで飲む「梅干しの黒焼き」(梅も食べます)もあります。

このほかにも、レモンに匹敵するほどビタミンCを豊富に含むレンコンのおろし汁にお湯とハチミツを合わせて飲む「レンコン湯」や、ハチミツとしょうがのおろし汁をお湯で割る「しょうが湯」、卵黄に酢と黒砂糖を混ぜた「酢たまご」など、風邪の症状をやわらげる民間療法は多種多様。いずれも驚くほどの即効性はないかもしれませんが、そのぶん薬効はナチュラル。“おばあちゃんの知恵袋”を上手に拝借して風邪を早めに治しましょう。





注意していたにもかかわらず、うっかり風邪をひいてしまったら…そんな場合、風邪の症状がまだ軽いうちに細心のケアをほどこし、こじらせないようにすることが何より大切です。
第一に心がけたいのは、充分な栄養と睡眠をとり、ウィルスに対する防御機能を高めること。部屋を温かくして乾燥しないようにし、消化しやすく栄養バランスを考えた食事に気を配ります。脱水予防のために水分もこまめに摂りましょう。そして、とくにたっぷり補給したいのがビタミンCとビタミンAです。風邪をひくと白血球がウィルスを退治しようとし、それには大量のビタミンCが必要となります。またビタミンAにはからだの免疫力を高め鼻や喉の粘膜を丈夫にする作用があります。ですから野菜や果物、市販のビタミン剤などによって、こうしたビタミンを普段以上に多めに補給するようにします。
本来は風邪をひいたら安静にして休養するのがいちばんいいのですが、仕事や家事などでなかなか休めない場合も多いでしょう。そんな時に頼りになるのが市販の風邪薬。風邪薬は風邪のひき始めに飲んでこそ効果が得られます。かかったかな、と思ったら、早めに服用することがポイントです。また、インフルエンザには予防接種が有効ですし、運悪くインフルエンザにかかっても、症状が出て2日以内なら症状の改善を早める薬もありますので、早めにお医者さんに診てもらうとよいでしょう。また、入浴は絶対にダメと思われがちですが、発熱をともなわない風邪ならOK。入浴によって気分がリフレッシュでき、お風呂の湯気は鼻や喉の粘膜を適度に潤してくれます。ただし体力の消耗の少ないぬるめのお湯にゆっくり入ること。また入浴後は絶対にからだを冷やさないようご注意を。洗った髪もドライヤーで完全に乾かすようにします。
ともあれ風邪の予兆を感じたら、用心するに越したことはありません。こじれる前のベストケアを心がけましょう。