特集03-3月

顔や手に表われるSOS信号

健康サインの簡単チェック法

 

私たちの顔や手などにはからだのさまざまなSOS信号が表われます。
ドクターが真っ先に顔や手を見るのも、そうしたサインの有無を確かめるため。
自分の体重や血圧を知るのと同じように、それぞれのサインの意味を知っておけば、毎日の体調チェックに役立ち、病気の早期発見にもつながります。
そこで今回は顔や手に表われる基本的な健康サインをご紹介します。

(※あくまでも体調チェックレベルのご紹介ですので、正式な診断は医療機関にお尋ねください)

顔色は健康の基本サイン

メイクや髪の手入れなど、毎朝、鏡を見ない女性はいないでしょう。鏡の前に立ったら、真っ先にチェックしたいのが顔色です。顔色がいつもより青白く感じられ、唇の色も心なしか薄いような気がしたら、ちょっと貧血気味かもしれません。もちろん、もともと肌の色が白い場合もあるでしょうし、疲れなどによって顔色が悪くなっていることも考えられます。貧血かどうかを確かめるには、下のまぶたをひっくり返してみます。目の粘膜が赤ければ大丈夫ですが、もしも赤みがない状態なら、貧血の疑いがあります。女性の場合、毎月の月経によって男性の2~4倍の鉄分が失われるため、鉄欠乏性の貧血になりやすく、またストレスや極端なダイエットも貧血の原因に。貧血気味かな、と思ったら、鉄分と鉄分吸収を助けるビタミンを多めに補給するよう心がけましょう。

顔色は健康の基本サイン

また頬が赤いのは血色が良く健康な証拠と思われがちですが、必ずしもそうとは限りません。頬に毛細血管が糸くずのように浮いている場合は、逆に血行が悪くなっている可能性も。室内外の温度差などに対応しようと血管がひんぱんに伸縮を繰り返す結果、血液の流れが悪くなることがあるのです。それから顔全体が異常に赤かったり、唇が黒っぽかったりする場合は、多血症の疑いがあります。これはストレスや喫煙などが原因で血液中の赤血球の量が多くなる症状で、脳梗塞 などを引き起こすこともあるので要注意。早めのドクターチェックを受けるようにしましょう。


顔色の良し悪しは、健康の基本的なバロメーター。ちょっとした変化も見逃さないよう、朝起きたら、メイクの前の顔色チェックを習慣づけたいものです。

けっこう重要、舌のサイン解読

自分の舌を鏡の前でまじまじと眺める機会は、あまりないかもしれません。でも病院での診察を思い起こせば分かる通り、舌にはからだのさまざまな状態がサインとして表われます。たとえば舌の色。健康な舌はピンクがかった紅色をしています。もしそうでないなら、何らかのSOSサインが出ている可能性があります。舌全体が青黒くまだらになっていたり、黒ずんだ赤紫色だったりしたら、血行があまり良くない証拠。また舌の表側の色は、舌に付着する「舌苔」(ぜったい)というコケの色によって変化します。風邪で熱っぽかったり胃腸が弱っている時などは、水分不足で舌苔がパサパサにけば立ち、舌が白くなります。便秘や暴飲暴食などで体内の老廃物が溜まったり消化機能が衰えていると舌苔が黄色っぽく変化し、また体力が低下している時などは舌苔の量が減少して舌がツルンとした状態となります。

色のほかにも、舌には多くのチェックポイントがあります。舌全体がむくんでいたり、舌の脇に歯形がくっきりとついているのは、体内の水分代謝がスムーズではないことを示すサイン。腎臓などの機能がやや弱っている疑いがあります。また舌の縦じわやひび割れは、加齢とともに表われるのが一般的ですが、年齢が若くとも生じることがあります。その場合は、ストレスや疲労、体力低下などによって表われるサインと考えられます。また、ビタミン不足によって舌が炎症を起こしてくることもあります。このように舌から読み取れるサインは多種多様。しかも舌をきちんとチェックすることで、口内炎や口臭などを予防するマウスケアの習慣化にもつながります。舌チェックで、毎日の健康管理に役立てましょう。

けっこう重要、舌のサイン解読

じっと手を見て健康チェック

手からもさまざまな健康サインが読み取れます。指先が冷えやすいのは「冷え症」、手のひらがじっとりと汗ばむのは「汗っかき」と片づけられがちですが、どちらもストレスによる自律神経の乱れが原因となっていることがあります。とくに以前はそんなことがなかったのに…という場合は、ストレスサインの可能性が大。ゆったりと心身を休息させ、ストレスの早期解消に努めましょう。
また手のひらの親指や小指の付け根の盛り上がった部分の色をチェックしてみてください。赤みが強すぎる場合は、肝臓がやや弱っている疑いがあります。さらに爪の健康サインも見逃せません。まずは爪を上から押さえて離してみてください。すぐピンク色に戻ればOKですが、白いままだと貧血の疑いがあります。爪の中央がくぼんでスプーンのように反り返るのも、栄養不足や貧血のサイン。食生活の改善や鉄分・ビタミンの補給が必要です。

また爪には縦や横の線が表われることがあります。縦の線は一種の老化現象で、30歳以上になっても縦の線が少ないのは肉体的に若々しい証拠といえます。一方、横の線は爪の発育が悪くなったときにできるもので、体調の波が激しいと多く生じます。ただ白い横の線が表われた場合は要注意。血液中のタンパク質が減っていることを示し、腎臓病などの心配があります。それから健康な状態の爪の付け根の上皮はなめらかですが、ここがガサガサしていたり伸びているのは、栄養や血液の循環があまり良くないことを示すサイン。食生活や生活習慣を見直しましょう。

じっと手を見て健康チェック
ハンドケアやマニキュアなどのデイリーケアを行う際、こうした手や爪のサインも毎日しっかり読み取るようにしたいですね。