特集05-10月

季節の変わり目のプチ不調を解消

秋のセルフメンテナンス

 

長い夏が終わって、ようやく秋。

でも何だか調子がいまひとつ・・・という人も多いのでは?

夏の間に受けたダメージは思いのほか蓄積されていてどうしても体調を崩しがち。

そこで今回は、秋にあらわれやすいプチ不調の解消法をご紹介。

まずは自分のからだをきちんとメンテナンスして食欲と行楽の秋を満喫しましょう。

どうして秋口は体調を崩しやすいの?

うだるような暑さから解放され、しのぎやすい季節になったにもかかわらず、なぜか体調が思わしくない…それは夏場の暑さや冷房負けなどの蓄積によるダメージが残っているため。季節の変わり目というのは、どうしても体調を崩しやすいものですが、とくに夏疲れの場合は、暑さや汗によって水分が奪われ、水分不足となっていることが原因。髪や肌が乾くだけではなく、じつは内臓などからだの内側の水分バランスも崩れていることが多く、しかも秋の深まりとともに空気も乾いてきます。水分を奪われたからだに空気の乾燥が重なって、便秘や肌荒れ、疲れが抜けきれない、といった体調不良を招きやすくなるわけです。


また夏に冷たい飲み物や食べ物を摂り過ぎると、胃腸の疲れも秋にあらわれてきます。胃腸のはたらきが弱ることで、からだの内側の水分の巡りもいっそう滞ってしまうという悪循環に。さらに夏から秋にかけての温度や湿度の変化によって、鼻や喉など粘膜の免疫力が低下し、風邪を引きやすくなります。このように秋口は過ごしやすい季節ではあるけれど、さまざまな不調があらわれやすい季節でもあるのです。最も免疫力が必要な冬に備えるためにも、この時期の体調不良は早めに解消しておきたいものですね。

そこで水分の巡りを良くし、弱った内臓のはたらきを活性化させる「経絡リンパマッサージ」をご紹介。秋口のプチ不調を解消するために、入浴後などにぜひお試しください。

[秋のプチ不調を解消する経絡リンパマッサージ]

1. 親指以外の指をそろえて、両手でおなかを下方向へさする。次に胸の下から肋骨に沿って脇へ向けてさする。

2. 上半身を左にひねりながら右手で左側のわき腹を右方向に引っ張るようにさする。同様に、上半身を右にひねりながら、今度は左手で右側のわき腹を左方向に引っ張るようにさする。

3. 手のひらを軽く丸め、おなか全体をポンポンと軽くたたく。

[秋のプチ不調を解消する経路リンパマッサージ]

最もお疲れモードの秋肌を徹底ケア

お肌は秋に年を取る、と言われるように、強い紫外線を浴びて夏の猛暑をくぐり抜けた秋口のお肌は、1年のうちで最もダメージが蓄積された状態。紫外線の影響でターンオーバーが乱れがちになり、そのまま放置しておくと、メラニン色素が沈着してシミができたり、表皮に角質が厚くたまって、くすみやゴワつきの原因に。さらに暑さやエアコンによる乾燥など、この時期のお肌は思った以上にお疲れモード。それだけに、じっくりとお肌をいたわり癒してあげたいものです。

この時期のスキンケアは、表皮の余分な角質や汚れを取り除いて新陳代謝を良くし、お肌のターンオーバーを正常に戻すことが第一のポイント。ゴマージュ(スクラブ)やAHA(各種フルーツ酸)入りのアイテムなど、角質除去効果のある洗顔料を使って、お肌の負担にならない程度に正しい洗顔を習慣づけましょう。入浴後には血液やリンパの流れを良くするフェイスマッサージを。顔全体にマッサージクリーム(または乳液)を塗ってから、ひたい、目のまわり、頬、鼻の下、口のまわり、あごの順に指でやさしくタッチしましょう。マッサージの後は蒸しタオルで顔をおおって(1~2分程度)残った油分を拭き取り、化粧水で仕上げのケアを。お肌の新陳代謝を促し、くすみや毛穴の中の汚れも解消できます。

最もお疲れモードの秋肌を徹底ケア
それから、すでにできてしまったシミ対策には、美白美容液などを用いたケアに加えて、からだの内側からのケアも忘れずに。ビタミンCやE、L‐システインなどには、表皮の新陳代謝を活発にしてメラニンの排出を促すとともに、できてしまった黒色メラニンを淡色化するはたらきがあります。これらの栄養素を上手に補いながら、秋口のダメージ肌をきちんとリセットしましょう。

秋のおいしい食生活ケア

 

夏のダメージを回復し体調を整えるには、食生活にもしっかりと気を配りたいもの。まずは暑さや発汗などで失われやすい水溶性のビタミンB群やビタミンC、そしてカルシウムやマグネシウムなどのミネラルをたっぷり補給しましょう。とくに夏の間、さっぱりとしたそうめんや、甘く口当たりのよい食べ物などを摂り過ぎた人は、ビタミン不足の可能性が大。ビタミンが不足すると糖質の代謝がうまくいかなくなり、いつまでも疲労感や脱力感が抜けきらない状態に。緑黄色野菜や果物、海藻類などを毎日摂って、ビタミンやミネラル不足を解消しましょう。梨や柿、りんごなどの果物を朝に食べれば、ビタミンと同時にからだのうるおいも補うことができ、一石二鳥です。外食が多くなりがちな人は、市販のビタミン剤も活用して補給するようにしましょう。

 

また弱りがちな胃腸の調子を回復させることも秋口の食生活のポイント。内臓が疲れたままだと、代謝が下がって秋の肥満の原因となるだけでなく、腸の免疫力も衰えて風邪を引きやすくなります。温かく消化のいい食べ物や飲み物を意識して口にするよう心がけましょう。さいわい秋は、体調や体力を取り戻すのに最適な食材が豊富に出そろう季節。ビタミンや食物繊維をたっぷり含んだキノコ類や木の実、弱った胃腸の調子を回復し便秘改善にも有効なさつまいも、滋養作用が強く消化にいい長芋、髪や肌、喉の健康に役立つ百合根…などなど、おいしくて栄養たっぷりの食べ物が目白押し。旬の幸のパワーをもらって、秋口のコンディションを健やかに保ちましょう。

Wellness Q & A コーナー

Q1 毎日シャワーだけですませるのは肌にも悪いの?
蒸し暑い夏などの季節は、ついシャワーだけですませてしまいがち。でもそれではお肌の疲れやストレスも解消されず、血液のめぐりも良くないまま。皮膚の表面温度の低下によってリンパの流れも悪化するため、老廃物がたまりやすくなり、肌のくすみなどのトラブルにつながります。
Q2 どうして旬の食材はからだに良いの?
そもそも旬の食材には私たちが本来備えている治癒力や調整機能を助けるはたらきがあります。例えば夏野菜は水分を補給してからだを冷やす一方、秋の旬の野菜は食物繊維やビタミンA・Cが豊富で、美肌や体調回復を助けます。旬の食材を食べることは、味覚の面だけでなく、健康面からも理にかなっているんですね。
Q3 秋口は髪のケアも念入りに行う必要がある?
はい。夏場の紫外線でダメージを受けるのは肌だけでなく髪も同様。また夏場のさっぱり淡泊な食生活の影響で、髪の栄養分も不足気味に。温冷ケアやマッサージなどのヘアケアを行うとともに、ごまや海藻類をたっぷり摂るなど、髪の栄養も考えた食生活を心がけましょう。