特集06-2月

守る力をアップして花粉症も撃退

ディフェンスパワー強化生活

 

風邪やインフルエンザが猛威をふるい、さらに憂うつな花粉症のシーズンも到来。

体調を崩しやすいこの時季こそ、トラブルから身を守る生活を心がけたいもの。

そこで今回は、もともと私たちに備わっている防御機能をより強化するためのお役立ち情報をご紹介。

からだのディフェンスパワーを高めて、ウイルスや花粉などの外敵をしっかりガード。

元気なコンディションで冬を乗り切りましょう。

私たちに備わっている防御機能って?

私たちの体には、外から侵入してくる細菌やウイルスなどの異物をやっつける生体防御機能が備わっています。
こうした防御機能は「免疫力」や「自然治癒力」とも呼ばれ、皮膚や鼻・喉の粘膜、腸、血管・リンパ節といった場所で働きます。防御機能が正常に働いていれば、細菌やウイルスも追い払うことができます。しかし、睡眠不足や不規則な食生活、ストレス、冷え、加齢などの要因によって、防御機能がダウンしてくると、さまざまなトラブルを招きやすくなります。
下記のような不調に思い当たることが多いようなら、防御機能が低下している可能性があり要注意です。
  • 風邪をひきやすく、ひいたらなかなか治らない
  • 疲れがなかなか抜けない
  • ニキビや肌荒れ、吹き出物などに悩まされる
  • 下痢をしやすい
たとえば肌荒れと防御機能とは無関係のように思えますが、空気中に浮遊している埃や雑菌の刺激からガードして皮膚を弱酸性に保っているのは、私たちに備わっている防御機能のおかげ。生活リズムの乱れなどによって、防御機能が低下すると、肌のトラブルが起きやすくなるのです。そのほかにも、からだがだるくなったり、口内炎になりやすくなったり、ケガが治りにくくなったり…といったトラブルの遠因に。防御機能って、私たちの元気をしっかりと支える“ガードマン”のような存在なのですね。

花粉症も防御機能と関係あるの?

あの憂うつな花粉症も、じつは防御機能と無関係ではありません。植物の花粉というのは、人間にとって異物ではあるけれど、本来、そんなに目くじらを立てるような外敵ではないのです。くしゃみや鼻水、涙などを利用して、花粉が体内に侵入しないようにガードしています。ところが、防御機能の低下やバランスがくずれると、この花粉を外敵(アレルゲン)とみなし、大量の悪玉抗体(IgE)を作ってヒスタミンなどの化学伝達物質を放出。過度のくしゃみやかゆみ、鼻水、涙目といったアレルギー症状を引き起こします。こうした症状が、いわゆる花粉症。ですから花粉症の症状緩和には、防御機能のバランスを整え、機能を正常にすることが不可欠。そのために有効なもののひとつとされるのが乳酸菌です。特定の乳酸菌を継続的に摂取することで、腸内の免疫細胞のはたらきを高め、防御機能の正常化が促されます。

花粉症も防御機能と関係あるの? シオノギの鼻炎薬 パイロンS鼻炎顆粒

また、くしゃみや鼻水、鼻詰まりなどといった花粉症の不快な症状の改善には、植物に含まれるポリフェノールという成分の効果が注目されています。最近ではバラや甜茶、柑橘類、西洋フキなどの植物から抽出したポリフェノールが市販されています。さらに細胞の再生や粘膜の保護に役立つビタミンB群も、アレルギー症状の緩和には有効です。ただし、こうした食材や栄養素による対策には即効性は望めず、体質改善には少なくとも数週間以上かかります。したがって実行する場合は、花粉飛散日の最低1ヶ月ほど前から試し始めることが必要。すでに花粉症に悩まされている人は、できるだけ早めに病院や医師に相談し、適切な処方を受けることが大切です。

花粉症も防御機能と関係あるの?

 

そして花粉が飛散し始めてからは、からだの外からの徹底的な防御対策も不可欠。マスクやゴーグルなどで“完全武装”するとともに、衣類への花粉の付着を防ぐスプレー、室内の花粉を除去してくれる空気清浄機なども上手に活用し、体内に花粉が入り込まないよう注意しましょう。からだの内側からも外側からも、防御機能をしっかり高めて、今年こそ花粉に負けないシーズンを送りましょう。

からだの防御機能を高める食生活

からだの防御機能を高める最大のポイントは、やはりバランスの取れた食生活。栄養素が偏ると、そこが弱点となって防御機能が低下します。良質のタンパク質やビタミン、ミネラルをバランス良く摂るよう努めたいですね。とくにビタミンは、A・B群・C・Eが体内で連携しあって働き、外敵の侵入を防ぐ皮膚や粘膜を健康に保ってくれるので、偏ることなく、たっぷりと多めに摂るようにしましょう。また防御機能をアップさせる成分として注目され始めているのが、白菜や白ネギ、大根など淡色野菜に含まれる「ファイトケミカル」という成分。防御機能と体温は密接な関係にあり、体温の低下にともなって、防御機能も低下すると言われています。ですから淡色野菜がたっぷり摂れ、からだを温める鍋料理は一石二鳥。この冬は、意識して鍋を囲む機会を増やしたいですね。

 

からだの防御機能を高める食生活

そして意外と重要なのが、よく噛んで食べるということ。唾液は消化液の分泌を促したり、細菌やウイルスの侵入を防ぐ役目を担っているのですが、実はそれだけではありません。唾液そのものに、抗菌物質や免疫物質が含まれているのです。しかもしっかりとよく噛むことで、唾液といっしょに防御機能を高めるとも言われているパロチンというホルモンが分泌されます。このように、しっかり噛んで唾液を出すことは、防御機能アップにとても効果的なのです。食物繊維の多い歯ごたえのある食材を多めに口にしたり、食材を大きめに切って噛む回数を増やす、酸味を上手に加えて唾液の分泌を促す…といった工夫を毎日の食生活に取り入れるよう心がけましょう。

 

それから、楽しんで食べることも大切。リラックスして楽しく食事をすれば、ストレス対抗ホルモンの分泌が抑えられ、胃腸のはたらきも活発になって消化・吸収が進みます。バランス良く、よく噛んで、そして楽しんで。この冬は食生活も見直して、からだのディフェンスパワーもしっかりと強化させたいものですね。

Wellness Q & A コーナー

Q1 花粉って飛散開始日より前から飛んでいるの?
じつはそう。例年、新聞などで「飛散開始日」が発表されるが、これは初めて花粉が飛ぶのが観測された日ではなく、1平方センチメートルあたり1個以上のスギ花粉が2日間観測された最初の日を指します。ですから「飛散開始日」の時点で、すでに約4割の人が発症しているとも言われます。「飛散開始日」情報だけに頼らず、早め早めの対策が必要というわけですね。
Q2 笑うことは防御機能アップに有効?
意外に思われるかもしれませんが、笑ったり、リラックスしたり、前向きな気持ちになっていると、防御機能が活性化すると言われます。顔の表情筋は脳と直結しているため、笑顔をつくるだけでもリラックス効果があるとのこと。笑う門には福来たる、と言いますが、防御機能もアップするのですね。