- TOP
- 今すぐ実践!これなら噛める
- 入れ歯でもおいしく!調理のコツ
今すぐ実践!これなら噛める 入れ歯でもおいしく!調理のコツ
要注意!
高齢者の方は、栄養が不足しがち
高齢者の低栄養が問題になっています。その原因に、噛むことや飲みこむ機能の低下があげられています。高齢になっても美味しく食べられる調理法などはないものでしょうか?
高齢者の中には、噛む力が弱くなったり、入れ歯にして食事が食べにくくなったからと、硬い肉や食物繊維の多い野菜などを避けたりする方がいます。そして食材を必要以上に柔らかくしたり、細く刻んだものを食べるようになります。
その結果、栄養が偏り、必要なエネルギーやたんぱく質が不足してしまう……こうして、栄養不足状態におちいります。
また噛む力が低下すると、唾液の出る機会が減って、飲みこむ力まで衰えてしまいます。そんなことを繰り返していたら、食事に対する楽しみまで減ってしまいますね。
そこで噛む力が弱い高齢者や入れ歯の方も、美味しく食べられる調理のポイントをご紹介しましょう。
料理をおいしく。
噛みやすくする7つの工夫
肉の赤みと脂身は筋を切る
高齢者にもっと摂ってほしいのがたんぱく質です。肉を使う時には、赤みと脂身の間に包丁で切れ目を入れ、筋を切ることでより食べやすくなります。
とんかつは薄切り肉を重ねて
とんかつなら、薄切りの豚肉をミルフィーユのように重ねて、衣をつけて揚げると、嚙み切りやすくなります。
細かくしすぎるのは逆効果
入れ歯になると食べやすいようにと細かく刻みがちです。しかし、ものを噛むたびに入れ歯は若干沈みます。そのため、食材を細かくしたり、薄くしたりすると逆に噛み切れないのです。
例えばサラダに生のきゅうりを加えるなら、5mm前後の厚さにし、さらに蛇腹の切れ目を入れると噛む力が弱い方でも嚙み切りやすくなります。
キャベツは茹でる
キャベツは千切りでもちぎっても、生では硬くて噛み切りにくいものです。そこで一度茹でてから巻いて、ある程度の厚さを出します。中に肉を入れてロールキャベツなどにすれば、たんぱく質も一緒に摂れて一石二鳥です。
脂質も大事。オリーブオイルやごま油で適度に摂る
高齢になると脂肪の多いものを食べなくなる傾向があります。でも、脂質は体を動かすためのエネルギーになります。バターやココナッツオイルのような、常温で固まる飽和脂肪酸は少なめにして、常温でも固まらないオリーブオイルやエゴマオイル、ごま油などの必須脂肪酸の多い油は適度に摂るようにしましょう。
適度な運動で腹ぺこに
料理法ではありませんが、食事を美味しく食べるために、適度な運動をすることもおすすめします。腹ぺこはいつもの料理をとても美味しくしてくれます。また、家族や友人たちと一緒に食べる時間が多いと、より美味しく感じられますね。
シチューや汁物にして柔らかく
加齢とともに、唾液の分泌量が減少します。そのためパサパサした料理は飲み込みにくいものです。シチューや汁物にして加熱することで素材が柔らかくなり、飲み込みやすさもアップ。さらにとろみをつけると食べやすくなります。
それでも食べにくいなら……
入れ歯を作ってから時間がたってくると、歯茎が痩せてきて、入れ歯がガタついてしまうことがあります。そうなると痛みが生じたり、食べ物がはさまったりしてしまうことも。そんな時には入れ歯安定剤を使うことで、不快感が減少しますよ。
シオノギヘルスケア
『夏を元気に過ごす本』より
監修:栄養士、介護食アドバイザー・山田晴子さん監修