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知っておきたいオーラルフレイル 第6回:オーラルフレイル予防としての歯と入れ歯の手入れ法
口の中には様々な菌がたくさんいます。菌が増えないように、お口のケアをしっかり行いたいものです。特に、入れ歯にした後のケアは、残った歯を守るため、ご自身の健康のためにもしっかりと行いましょう。
入れ歯と歯の境界部分はより念入りなケアが必要
口の中は大変複雑です。硬い歯を囲んでやわらかい歯ぐき、舌、頰などがあり、むし歯の治療でかぶせた詰め物や差し歯、入れ歯も存在します。しかも口の中は、菌にとって最適な温度、湿度に保たれており、栄養たっぷりな環境なのです。口の中には約600種類以上の菌がすみついているといわれます。
特に、入れ歯と自分の歯の境界部分は、むし歯や歯周病が発生しやすくなりますから、よりしっかりとケアすることが大事です。
総入れ歯の場合
※イメージです
部分入れ歯の場合
※イメージです
歯を1本ずつ磨くつもりでケアを
入れ歯を使用している方の口の中のケアのポイントを紹介しましょう。
- 歯ブラシはヘッド部分が小さいものを使います。大きいもので広い面を磨いただけでは、小回りがきかずに磨き残しができます。グリップは握りやすいものがよいでしょう。ヘッドの小さいもので、歯の周囲をこまめに1本1本磨きましょう。
- 硬いブラシだと磨いたつもりになったり、歯茎や歯自体も傷つけやすくなるので、歯槽膿漏の方などには、ブラシはやわらかめのものがオススメです(手の圧力が弱い方には、硬い歯ブラシがいい場合もあります)。ブラシで歯の曲面に合わせて、歯茎を傷つけないように、優しくブラッシングしましょう。
- 入れ歯と歯ぐきの境界部分、歯とバネの接触部分、かぶせ物の下部などは、歯と歯の隙間同様に菌が残りやすい部分です。入れ歯をはずして歯磨きする際に、これらの部分を丁寧に磨きましょう。
- 歯と歯の間は、歯間ブラシやデンタルフロスを使って、汚れとともに菌をかきだしましょう。
- 口中の粘膜にも菌はいます。やわらかい歯ブラシやスポンジブラシで頰の内側や唇の内側、あごの上、舌の上などをやさしくなでて、汚れを流しましょう。
- 舌苔が気になるときは舌ブラシを使って表面を軽くぬぐいましょう。
- 入れ歯は、入れ歯ブラシと入れ歯洗浄剤、流水でケアし清潔に保ちましょう。
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夜寝る前は入れ歯をはずします。流水の下でかすを取り、ヌルヌル感がなくなるまで入れ歯専用ブラシでこすりながら洗い流します。入れ歯は落とすと壊れやすいので、水をはった上で行い、研磨剤入りの歯磨き粉はキズがつきやすいので使用しないでください。必ず入れ歯専用の洗浄剤とブラシを使用しましょう。
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入れ歯の保管容器に水をはり、入れ歯と入れ歯洗浄剤を入れます。
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翌朝使用するときには、洗浄液をしっかりと流水で流してください。
人生100年時代といわれる社会になりました。この100年をいかに健康で過ごすかは、オーラルケアにかかっているといっても過言ではないのです。オーラルフレイルを防ぐ第一歩は、毎日のお口のケアから始まります。
監修:歯科医師 山本清夏先生