• 薬局・薬店で相談できる皮膚トラブル

症状に適した
ステロイド外用剤(塗り薬)を
選ぶために

湿疹、皮膚炎による皮膚の赤みやかゆみは、症状が悪化する前にステロイド外用剤(塗り薬)で対処するのが有効です。

たくさんの種類があるステロイド外用剤(塗り薬)のなかから、患部の部位や状態に応じた剤形の使い分けや、症状に応じたステロイドランクを選択するためのヒントをご紹介します。

患部の状態に適したステロイド外用剤(塗り薬)の使い分け

ステロイド外用剤(塗り薬)は、軟膏、クリーム、ローションといったタイプがあります。それぞれ下表のような特徴があるため、患部の状態に適したものを使い分けるとよいでしょう。ご自身に合ったステロイドがわからない場合は、自己判断をせずに薬剤師や登録販売者に相談しましょう。

患部の状態に合ったステロイド外用剤(塗り薬)のタイプ

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紅斑(赤み)

紅斑こうはん

(赤み)
丘疹(ブツブツ)

丘疹きゅうしん

(ブツブツ)
小水疱(小さな水ぶくれ)

小水疱しょうすいほう

(小さな水ぶくれ)
膿疱(膿を持った水ぶくれ)

膿疱こうはん

(膿を持った水ぶくれ)
湿潤(ジュクジュク)

湿潤しつじゅん

(ジュクジュク)
結痂(かさぶた化)

結痂けつか

(かさぶた化)
落屑(皮膚片のはがれ)

落屑らくせつ

(皮膚片のはがれ)
軟膏 適している 適している 適している 適している 適している 適している 適している
クリーム 適している 適している 使用可 使用可 使用注意 使用可 適している
ローション 適している 適している 使用可 使用可 使用注意 使用可 使用可

ステロイド外用剤(塗り薬)のタイプ別に適した塗布部位

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適した幹部の状態 使用感 適した部位
軟膏
  • 湿潤(ジュクジュク)した患部
  • 乾燥(カサカサ)
    した患部
ベタつくが保湿性が高い 毛が生えておらず、
ベタつきが気にならない部位
  • 衣服が触れない部位

など

クリーム
  • 乾燥(カサカサ)
    した患部
伸びがよくベタつきにくい 毛が生えておらず、
ベタつきが気になる部位
  • ものに触れる手のひら
  • テカリが気になる顔
  • 衣類に触れる背中や肩

など

ローション
  • 乾燥(カサカサ)
    した患部
クリームよりも伸びがよくサラッとしている 毛が生えている部位、毛が生えていなくてもベタつきが気になる部位
  • ものに触れる手のひら
  • テカリが気になる顔
  • 衣類に触れる背中や肩
  • うなじなどの汗のかきやすい部位
  • 頭部やワキ、デリケートエリア
    (※1)などの有毛部
※1 デリケートエリアにステロイド外用剤(塗り薬)を使用する際は以下を目安にしてください。
  • 有毛部:大人の手のひら2枚分までの患部に1FTU(ローションの場合:1円玉大くらいの大きさの量、軟膏・クリームの場合:大人の人差し指の先から第1関節に薬をのせた量)を塗ることができます。
  • 陰嚢:500円玉大までの患部に薬剤をチョンと乗せる程度で留めておきましょう。
  • 粘膜(肛門、亀頭、小陰唇より内側):自己判断で使用せず、医療機関(皮膚科)を受診しましょう。

ステロイド外用剤(塗り薬)のタイプ別に適した使用時期

ステロイド外用剤(塗り薬)のタイプ別に適した使用時期
ステロイド外用剤(塗り薬)のタイプ別の特徴は?

こちらから、ご自身の患部の状態を知り、

対処法がチェックできます。

皮膚トラブルの状態チェック

ステロイド外用剤(塗り薬)の「強さ」による使い分け

ステロイド外用剤(塗り薬)は作用する強さによって「ウィーク」から「ストロンゲスト」まで、5段階に分類されます。(※2)

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ランク 使用する症状(例)
ストロンゲスト
  • 炎症の度合いが大変ひどく、炎症している部位が
    狭い場合
  • 治りにくい手足の湿疹、皮膚炎など
ベリーストロング
  • 慢性的な炎症が治らない場合
  • 強い急性の炎症を迅速に阻止する場合
ストロング
  • 皮膚が赤く炎症をおこし、かゆみが強い場合
  • 皮膚がある程度ダメージを受けている場合
  • 急性の炎症を改善したい場合
マイルド
  • 炎症やかゆみがそこまで強くない場合
ウィーク
  • デリケートな皮膚や、乳幼児などに使用する場合
※2 マイルドランク以上のステロイド外用剤(塗り薬)は、顔面などに使用する場合500円玉より大きいサイズの患部には使用しないでください。

「ベリーストロング」と「ストロンゲスト」に分類されるものは、医師の処方箋が必要となる処方薬(医療用医薬品)のため市販されていません。一方、「ウィーク」「マイルド」「ストロング」に分類されるものは、市販の医薬品(OTC医薬品)として薬局・薬店の薬剤師や登録販売者から購入できます。

治療の際は、症状に適した強さのステロイド外用剤(塗り薬)を使用することが大切です。ご自身に合ったステロイド外用剤(塗り薬)の強さがわからない場合は、自己判断をせずに薬剤師や登録販売者に相談しましょう。

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