ダニによる虫さされの
予防策&対処法は?

最終更新:
蚊、ブヨ、ハチ、ダニなどの虫が原因で、痛みやかゆみ、赤みや腫れなどがおこることを「刺虫症」といい、一般的には「虫さされ」と呼んでいます。
今回はダニによる虫さされについてご紹介します。
ヒトに害をもたらすダニ
多くの種類が存在するダニのなかでも、ヒトに害をもたらす可能性があるダニを「医ダニ類」と呼び、以下のようなダニが挙げられます。
室内のダニ(イエダニ、ツメダニ、ヒョウヒダニ)
室内のダニは、湿度が高くじめじめした環境を好み、梅雨から夏にかけて特に増殖しやすくなります。
イエダニは本来ネズミに寄生して血液を吸うダニで、ネズミの巣や体毛の中を主な生息場所とします。5月頃から発生が目立ち始め、6〜9月に繁殖のピークを迎えます。人への被害もこの時期に集中するため、家の中でネズミを見かけた場合はイエダニが潜んでいる可能性を疑いましょう。ネズミがいなくなれば、イエダニは宿主を失うため、やがて消えていきます。
ツメダニは畳やカーペット、ソファーなどに好んで棲みつき、他のダニや小さな昆虫などをエサにして生きています。エサとなる虫が増える時期に合わせて数が増えるため、梅雨から秋にかけて被害が増加し、8〜9月が最も多い季節です。吸血しないため人に寄生することはありませんが、誤って刺すことがあります。
ヒョウヒダニ(チリダニ)は、じゅうたんや布製家具などに多く発生します。人をさすことはありませんが、死骸やふんがアレルギー性疾患の原因(アレルゲン)となります。また、ヒョウヒダニはツメダニのエサになるため、ヒョウヒダニが増えるとツメダニも増えやすくなります。
※横にスクロールしてください
| 大きさ・特徴 | エサ | 生息場所 | 発生時期 | ヒトに 及ぼす害 |
|
|---|---|---|---|---|---|
| イエダニ | 0.6~1.0mm 吸血すると体色が白から赤(血の色)に変わり、見えやすくなる |
ネズミ、哺乳類の血液 | ネズミの体・巣 | 5月頃から増え始め、6~9月に繁殖のピークを迎える | 皮膚に吸着し血液や体液を吸う |
| ツメダニ | 0.3~1.0mm 淡い黄色をしているが、非常に小さいため目視することは難しい |
他のダニ(ヒョウヒダニ、コナダニ)、小昆虫等 | カーペット、 タタミなど |
8~9月は特に 被害が多い |
吸血しないが、まれに人をさし体液を吸う |
| ヒョウヒダニ | 0.3~0.4mm 非常に小さいため、白い点にしか見えず、目視することは難しい |
ほこり、人のフケ、アカ、その他有機物等 | カーペット、ベッド、枕、布団、ソファーなど | 湿度の高い6月に 特に多くなる |
死骸やふんがアレルギー反応の原因となる。 ※人をさすことはない |
野外のダニ(マダニ)
マダニは3〜10mm程度と室内のダニより体が大きく、吸血すると体がパンパンにふくらみ、あずきのような見た目になります。山林や草むらなどに生息して野生動物の血液を吸いますが、人がそのような場所を訪れると、人にもつくことがあります。
吸血中は麻酔作用をもつ唾液を出すため、さされていても痛みやかゆみをほとんど感じません。数日から10日ほどかけてゆっくり吸血し、お腹が膨らんでから初めて気づくケースも少なくありません。脱落後にかゆみや灼熱感が残ることもあります。
活動が活発になるのは3〜4月頃からで、10〜11月頃にかけて本格化します。山や森林だけでなく、公園・河川敷・草地・庭先など、日常的に訪れる場所でも見られるようになっています。
また、マダニは日本紅斑熱・ライム病・重症熱性血小板減少症候群(SFTS)などの感染症を媒介することがあります。これらは重症化すると命に関わる場合もあるため、マダニには室内ダニ以上の注意が必要です。
※横にスクロールしてください
| 大きさ・特徴 | エサ | 生息場所 | 発生時期 | ヒトに 及ぼす害 |
|
|---|---|---|---|---|---|
| マダニ | 3~10mm 吸血すると体がパンパンにふくらみ、あずきのような見た目になる |
動物の血液 | 野生動物が出没する場所に多いが、最近では山・公園・河川敷・草地・庭などにもみられている | 3~4月頃から増え始め、10~11月頃が本格的な活動期となる。冬季に活動する種類もいる | 皮膚に吸着し血液や体液を吸う |
ダニによる虫さされの症状・対処法
ツメダニやイエダニにさされた場合
腹部や太ももの内側、脇や二の腕など、衣服で隠れている部分がさされやすく、強いかゆみをともなう赤いブツブツがあらわれます。数日~1週間以上にわたってしつこいかゆみが続くこともあります。
軽いかゆみには、市販のかゆみ止め薬を活用するとよいでしょう。かゆみが強いうえ、皮膚に赤みや腫れなどの炎症がみられるときには、ステロイド外用剤(塗り薬)も有効です。掻きすぎて傷になる前に、かゆみを抑え強い抗炎症作用のあるステロイド外用剤(塗り薬)を使用するのがポイントです。
薬局・薬店の薬剤師、または登録販売者に症状を伝え、使用できるステロイド外用剤(塗り薬)があるかどうか相談してみましょう。
薬局・薬店で購入したステロイド外用剤(塗り薬)を5~6日使用しても改善がみられない場合や、気になる症状があらわれた場合は自己判断で使用を続けず、医療機関(皮膚科)を受診しましょう。
マダニにさされた場合
マダニにさされても痛みやかゆみといった自覚症状がほとんどみられないため、マダニが吸血し、かなり大きくなってから気づくことが多いようです。
人の皮膚に咬みつき吸血するマダニを無理に引き剥がそうとすると、マダニの口器が皮膚に残ることもあります。吸着しているマダニの腹部を指でつまむと、マダニの体液成分が皮膚に逆流する恐れもあるため、さされたとわかったらむやみに触らず、すぐに医療機関を受診してください。
ダニにさされないためには
家のなかで発生するツメダニやイエダニを予防するためには、こまめに掃除機をかけてエサとなる虫を取り除くことが大切です。湿度を好むため、こまめな換気を意識し、除湿器、布団乾燥機などを使用するとよいでしょう。
レジャーなどでマダニがいそうな場所へ行く際は、なるべく肌の露出を控えるような服装を心がけてください。帰宅したらマダニが肌や服についていないか入念にチェックしましょう。
虫よけスプレーの配合成分は主に「ディート」と「イカリジン」の2種類があります。マダニには両方有効ですが、ディート製剤の場合は幼児の顔への使用、生後6ヵ月未満の乳児への使用は控えてください。