特集05-3月

女性特有の不調を解消するABC

ウェルネス女性専科

 

女性のからだはとてもデリケート。

ちょっとしたことでコンディションを崩したり、頭痛や生理痛がひどくなったり。

病気というわけではないけれど、何らかの不調を抱える女性が少なくありません。

あなたは思い当たることがないですか?

そこで今回は、そうした女性特有の悩みを解消するお役立ち情報をご紹介。

自分のからだのことをもっと知って、コンディションを整え、毎日を美しく健やかに輝かせましょう。

ズキズキつらい頭痛は、こうして解消

「頭が痛い」というのは、女性が日常的に感じる不調の中でもかなり多い症状。そうした「慢性頭痛」のなかでも、とくに生理(月経)の周期に伴って変動する女性ホルモンとの関わりが深いとされるのが「片頭痛」です。これは血管性の頭痛とも言われ、ズキンズキンと脈打つように強く痛むのが特徴。頭の片側が痛むことが多いのでこう呼ばれますが、頭の両側が痛むことも珍しくありません。原因とされるのが、ホルモンの変化やストレス。緊張やストレスから解放された週末、季節の変わり目、女性ホルモンのバランスが崩れやすい生理前後…といった時に起こりやすく、人込みや臭い、光などに反応して頭痛が起こることも。頭を強く振ったり、階段を上り下りすると、痛みはさらにひどくなり、日常生活に支障をきたすほどの痛みや吐き気、眼がチカチカするといった症状を伴うケースも稀に見受けられます。このようなつらい片頭痛に見舞われた時は、どうすればいいのでしょうか。片頭痛の予防や緩和に役立つ基本対策を次にまとめてみたので、ぜひ参考にしてください。それでも痛みが治まらず、頻繁に頭痛が起きるようなら、病院で早めに医師の診察を受けましょう。

ズキズキつらい頭痛は、こうして解消

片頭痛を予防・解消する基本対策

★すぐに冷やして応急処置
片頭痛の痛みを抑える基本は冷やすこと。片頭痛とは初期段階で血管が収縮し、その後拡張して炎症を起こしますが、冷たいタオルや冷却シートなどをこめかみや前頭部に当てると血管が元に戻り、痛みが和らぎます。

★マグネシウムの摂取
マグネシウムには血管の収縮や炎症を抑えるはたらきがあります。普段から大豆や海藻、黒豆などを意識して摂るよう心がけましょう。

★市販の鎮痛薬の服用
月に1~2回程度の軽めの片頭痛であれば、市販の鎮痛薬も上手に利用しましょう。痛みが強まってからより、頭痛が起こりそう、という段階で服用した方が有効です。

憂うつな生理痛を和らげるには

たいていの女性が経験する生理時の不快感。お腹や腰が痛くなったり、気分のイライラや吐き気がしたり、人によって症状はさまざまですが、ひどい場合は生活や仕事に差し支えることも。そもそも生理時の痛みは、なぜ起きるのでしょうか。生理の時は、子宮内部にある経血を押しだそうとして、子宮の筋肉が収縮します。この収縮にともなう痛みが、いわゆる生理痛なのです。収縮に関係するホルモン(プロスタグランディン)の分泌が過剰だと痛みも強くなります。ですからストレスや生活習慣などによってホルモン分泌のバランスが乱れていると、生理痛もひどくなる場合が多いのです。また冷えも大敵。とくに下半身が冷えて血液の循環が滞ると、経血の通り道が狭く固くなり、痛みが倍加してしまいます。普段からストレスをためない生活を心がけるとともに、からだを冷やさない生活習慣を徹底することが生理痛を軽くする基本と言えます。下記にそのポイントをまとめてご紹介します。もしも、いくら気をつけていても、痛みで何も手がつかず、毎回寝込んでしまうほどの症状が続くようなら「月経困難症」などの可能性も。そんな場合は、子宮筋腫や子宮内膜症が原因のこともありますので、婦人科に相談しましょう。

× BAD こんな生活習慣は生理痛を悪化!

★きつい下着
ガードルなど、からだを締めつける下着は血液の流れを妨げ、下半身にうっ血を起こして生理時の痛みをひどくします。

★素足でミニスカート
下半身の冷えは生理痛の大敵。腰にはカーディガンやひざ掛けを巻いたり、足はソックスでカバーするなど、せめて生理の間は冷やさない工夫を。

★激しい運動
生理中は体力が低下しがち。エアロビクスやジョギングといった息が上がるようなハードな運動は避け、穏やかな生活を守ったほうが無難です。

×BAD こんな生活習慣は生理痛を悪化!

○ GOOD こんな生活習慣で生理痛を軽減!

★手足に温かいシャワー
シャワーで手足を温めると末梢血管内の血流が良くなり、腹部のうっ血も解消。ただしお腹に直接シャワーの湯をかけると血液が腹部に集中して骨盤内が充血し、かえって痛みがひどくなるので要注意。

★適度な運動
激しい運動はBADですが、軽めのストレッチや体操などは、うっ血を防ぎ、気分転換も図れるので一石二鳥。逆にデスクワークなど同じ姿勢を続ける場合、定期的にからだを動かす工夫を。

★からだの中からも温める
冷たい飲み物はできるだけ我慢し、熱い日本茶やハーブティ、スープなど、からだをポカポカ温めてくれる飲み物を多めに飲むよう心がけましょう。

大切な乳房のトラブルにも目を光らせて

女性らしさの象徴ともいえる大切な乳房ですが、大きさや形を気にすることはあっても、その健康状態について考えることは意外と少ないのではないのでしょうか。女性の乳房は大きく分けると、脂肪組織と乳腺組織とで構成され、その比率は9対1と言われています。つまり、ほとんどが脂肪の器官なのです。生理前などに強い張りや痛みを感じるのは、女性ホルモンの影響で、周囲の乳腺組織や乳腺が引っ張られるためと言われています。ただ、乳房をさわったときにかたちが不鮮明なしこりがあったり、生理前に痛みが増し、生理が始まると痛みが軽くなるようなら「乳腺症」である可能性も考えられます。主な症状はしこりと痛みで、女性ホルモンのバランスの崩れが原因とされますが、はっきりとしたメカニズムはまだ解明されていません。乳腺症の症状の中には、乳がんとの区別がつきにくいものもあるので、注意が必要。気になるようであれば、一度きちんと専門医の診察を受けたほうが安心です。

 

いまや日本人女性の30人に一人が患者とも言われる「乳がん」をはじめ、確かに乳房のトラブルは心配ですが、じつは乳房ほどセルフチェックしやすく、トラブルを早期発見できる部位はありません。毎日のチェックが無理だとしても、せめて生理が終わった後の張りや痛みがない1~2週間後に、下記のポイントを目安にして鏡の前でチェックする習慣をつけましょう。

乳房の簡単チェック法

★しこりがないかどうか
★皮膚のへこみがないかどうか
★乳房の一部が盛り上がっていないか
★赤くはれていないか
★皮膚がひきつれていないか
★乳首がただれていないか
★乳首が陥没していないか

Wellness Q & A コーナー

Q1 頭痛の時は温めるべき?それとも冷やすべき?
頭痛のタイプによります。ズキンズキンと脈打つような痛みの「片頭痛」の場合は、上記でご紹介したように、冷やして血管を収縮させた方が、痛みは和らぎます。一方、頭全体が締めつけられるような重い痛みの「緊張型頭痛」の場合は、蒸しタオルや電子レンジ用のホットパックなどで首、肩、後頭部を温めると、筋肉がほぐれて血流が良くなり、痛みが和らぎます。
Q2 頭痛と生理痛は関係あるの?
関係があると言えます。女性ホルモンは血管の緊張を調節する役目も担っているからです。生理の数日前から女性ホルモンの分泌が急激に減ってしまうため、その結果、血管の状態が不安定となり、血管型の頭痛(片頭痛)が起こりやすくなることがあります。
Q3 乳房の専門医ってあるの?
乳房のチェックや診断は、どの科で受けるべきか、確かに悩んでしまいますね。最も専門的な治療の窓口となるのは、外科の中に分類されている「乳腺外科」。乳房に関して、婦人科や内科は専門外ですが、最近は婦人科などでも乳がん検診を行っているところもあるので、事前に問い合わせてみた方がいいでしょう。