特集05-5月

美しく輝く素肌を叶えるために

春のセレブ素肌計画

 

気温や環境が大きく変化する春は、お肌のストレスがたまりやすく、恐い紫外線も一気に増え始めます。

夏や冬と比べて、春はついお肌の手入れを怠りがちですが、じつはこの時季こそ、お肌への細心の気配りが必要なのです。

そこで今回は、肌トラブルを防ぐお役立ち情報をご紹介。

隙のないスキンケアで、セレブな素肌美人をめざしましょう。

そもそも「しみ」ってなぜできるの?

しみというのは医学用語ではなく、顔やからだにできる色素沈着を総称してこう呼びます。肌の表皮にはメラノサイトという細胞があり、これが紫外線などを浴びて活性化すると、メラニンという黒色の色素がつくられます。細胞の新陳代謝が通常通りに行われていれば、このメラニン色素を含んだ細胞はやがてアカとなってはがれ落ちていきます。ところが何らかの原因で細胞の新陳代謝がスムーズに行われなかったり、新陳代謝が繰り返されても追いつかないほど大量のメラニン色素が生成された場合、メラニン色素が排泄されずに残ってしまいます。これがいわゆる「しみ」です。しみには、頬骨や鼻の下に左右対称にできる「肝斑」(かんばん)、ナイロンタオルなどの刺激でからだに生じる「摩擦黒皮症」など、さまざまな種類があり、小さな斑点が鼻を中心にできる「雀卵斑」(そばかす)もしみのひとつとされています。

 

では、なぜしみができてしまうのでしょう。外的な要因の中で最も影響の大きいのは、言うまでもなく紫外線です。紫外線はメラニン色素を大量に発生させてしみをつくるだけでなく、肌の奥の真皮にまで届いて皮膚の組織を傷つけます。また、お肌の「乾燥」もしみの原因となります。お肌の乾燥によって角質のバリア機能(※)が低下し、紫外線が皮膚の深部に入り込みやすくなるからです。お肌への「刺激」も同様。ゴシゴシと皮膚をこするように洗顔するなど、お肌へ刺激が強すぎると、軽い炎症状態となり色素の沈着を招きます。またストレスやホルモンバランスの乱れも、お肌の免疫機能を低下させ、しみをつくる原因に。とくに排卵から生理までの間は、黄体ホルモンが多く分泌されるため、しみができやすくなりますので、この時期に強い日差しを浴びるのは避けましょう。このようにしみの種類も原因もさまざま。

しみをしっかりと予防することが、スキンケアの第一歩と言えそうです。

 

※ バリア機能…空気の乾燥など、外部の刺激によって肌の水分が外へ逃げていくのを防ぐ機能。

素肌にダメージを与えるライフスタイルって?

しみをはじめ、しわやくすみといった肌トラブルは、ふだんのライフスタイルが関わっている場合が少なくありません。たとえば夜更かしや睡眠不足。皮膚の細胞の新陳代謝を促す成長ホルモンは睡眠中にだけ分泌され、そのピークは午後10時~午前2時の間。この時間帯に起きていると、成長ホルモンの分泌が妨げられ、お肌のターンオーバーにも悪影響を及ぼします。さらに睡眠不足が続くとストレスとなって自律神経やホルモンのはたらきを損ね、肌の状態は一気に急降下。美人は夜作られる、というように、睡眠不足は美肌の大敵なのです。

素肌にダメージを与えるライフスタイルって?
毎日シャワーで済ませる、というのもお肌にとってNG。寝る前のシャワーは交感神経を刺激して安眠を妨げ、からだが温まりきっていないため、睡眠中の表皮細胞の代謝も鈍くなります。また運動不足や喫煙習慣も、肌トラブルの元凶。どちらも血行が滞り、肌の免疫力を低下させてしまいます。とりわけ喫煙は、酸化ストレスを増加させ、体内のビタミンCも失われるなど、百害あって一利なし、と肝に銘じておきたいものです。

そして、しみ予防の要というべき紫外線対策も、正しい習慣づけを。紫外線対策は夏だけでいい、晴れた日や戸外だけで充分、と思っていませんか。紫外線は年間通してお肌に影響を与え、真皮にまで障害を与える紫外線A波(UVA)は、3月以降、夏と変わらない量が降り注いでいます。また曇りの日や日陰でも晴天時の50~80%の紫外線が注いでいて、室内にいても窓ガラス越しに紫外線を浴びる可能性が大。それだけに、年間を通して、つねに用心しておきたいもの。遅くとも春からは、万全の紫外線対策を徹底させましょう。

美肌を取り戻すホワイトナイトって?

お肌はからだの鏡、といわれる通り、私たちの健康状態とお肌は密接に関係しています。ですから健やかなお肌のコンディションを保つには、洗顔料やコスメなどによる外側からのケアだけでは不十分。からだの内側からもしっかりとケアすることが大切です。そのための基本は、バランスの取れた食生活。


美肌づくりに欠かせないタンパク質やビタミン・ミネラルをしっかり摂りたいものです。なかでも皮膚の再生やホルモンの合成を促し、メラニンの生成を抑えるビタミンC、過酸化脂質の増加を抑え、スムーズな新陳代謝を促すビタミンEは、しみ予防に欠かせない栄養素。緑黄色野菜や果物、豆類などを意識して食べるようにしましょう。

美肌を取り戻すホワイトナイトって?

そしてもうひとつ、優れた美白作用を持った栄養素として注目したいのが、L‐システインです。アミノ酸の一種であるL‐システインは、紫外線によって生じる活性酸素を消去して皮膚の細胞の代謝を促すとともに、しみの原因となるメラニン色素の生成を抑制。さらに表皮の新陳代謝をスムーズにしてメラニンの増加の原因となる活性酸素を除去します。そればかりか、すでにできてしまった黒色メラニンを淡色に変える作用も果たします。つまり体内の紫外線の害を消し、しみを作らない、増やさないよう貢献して美肌を守ってくれる、頼もしい“ホワイトナイト”なんですね。


L‐システインとビタミンC、ビタミンCとEはそれぞれ助け合ってはたらくため、これらの栄養素はできるだけ一緒に摂取するのがベター。またL‐システインは豚レバーや米胚芽などに含まれていますが、食事だけではなかなか補いきれません。ですから市販のビタミン剤なども上手に活用し、これらの栄養素を毎日しっかりと補給するよう習慣づけましょう。

Wellness Q & A コーナー

Q1 紫外線の影響って、すぐに肌にあらわれるの?
いいえ。紫外線のダメージは、体内にずっと貯まる、いわば「負の貯金」。
じつは子供の頃からのダメージがずっと皮膚の中に蓄積されているのです。
ですからいまは気をつけていてしみがそれほどなくても、かつて日焼けしていた人は、とつぜん貯金箱があふれるようにシミとなって現われる可能性が大きいので要注意です。
Q2 日焼け止め化粧品を落とす時の注意点は?
日焼け止め化粧品に使われている紫外線散乱剤はファンデーションに近い成分のため、洗顔料だけでは肌に残ってしまいます。メイク落としのクレンジング剤と洗顔料とのダブル洗顔を習慣づけるようにしましょう。とくにウオータープルーフや油分が多く含まれている日焼け止めの場合は、オイルタイプのクレンジング剤がおすすめです。
Q3 メイクの落とし残しでしみになるって本当?
落ちない口紅や、にじまないマスカラ・頬紅など、メイクの落とし残しがあると、顔料が沈着してしみになると思われがちですが、それは誤解です。
化粧品の顔料は粒子が大きいので皮膚には吸収されません。むしろコットンや綿棒で落とす時の刺激のほうが、まぶたや唇の黒ずみの原因となるので気をつけましょう。