特集05-7月

ゆううつな悩みを解消

生理痛セルフコントロール術

 

女性だけが経験する、つらくてうっとうしい生理痛。

痛みがひどい場合は、気持ちまでブルーになってしまいますね。

そこで今回は、生理痛の原因をきちんと知り、痛みを上手にコントロールするためのお役立ち情報をご紹介。

生理痛がつらいのは当然、などと我慢せず、自分なりのケアと工夫で毎月のブルーデーをハッピーに乗りきりましょう。

どうして生理痛になるの?

生理痛のつらさは実感していても、その原因を分かっていない人は案外多いのでは?生理痛というのは、簡単に言えば、子宮を収縮させて経血を外へ出すときに起こる痛みのこと。
ただその痛みの程度には、かなりの個人差があります。ではどういった場合に痛みが強くなるのでしょう。ひとつは経血の通り道である「子宮頸管」が狭いケース。狭いところから出口を広げて経血を押し出そうとするため、子宮はより強く収縮します。その結果、痛みもひどくなるわけです。若い女性や出産経験のない女性は、一般に「子宮頸管」が未熟で狭く硬い場合が多く、どうしても痛みが強くなりがちです。

もうひとつは、経血をスムーズに排出するために分泌される物質「プロスタグランジン」が多いケース。同物質には子宮の収縮を起こしたり、痛みや炎症を起こす作用があると言われ、これが多く合成される体質の人は、経血を押し出す力が強くはたらき過ぎて痛みがひどくなります。大人になっても、いつまでも生理痛に悩まされる人は、プロスタグランジンの過剰な分泌が原因と考えられます。

からだが冷えて血行が悪くなると、このプロスタグランジンの分泌量が多くなり痛みが増すことに。ひどい場合は、下腹部の痛みだけでなく、頭痛や吐き気、胃痛などを起こすことも。またストレスが原因で痛みをより強く感じることもあります。もしも痛みで日常生活もままならないようであれば、「月経困難症」の可能性があるので要注意です。
それから正常な生理の周期は25~38日で、月経が続く期間は3~7日。個人差は大きいですが、経血の総量は50~150g(牛乳ビン1本弱)とされます。生理不順や経血量の過多・過少が長く続く場合は、子宮筋腫、子宮内膜症などの婦人病の疑いもあるので、病院で早めに相談しましょう。

生理痛を和らげるセルフケア

生理は毎月やってくるものだけに、つらい痛みは少しでも軽減し、気持ち良く過ごしたいもの。それには、どんなセルフケアが必要なのでしょうか。まず心がけたいのは、からだを冷やさないことです。足腰を冷やさないよう、おなかや腰に携帯用カイロを貼ったり、夏でもレッグウォーマーや膝掛けなどを利用するなどして、冷えを防ぎましょう。お風呂でゆっくり温まるのも効果的です。湯船につかるのが面倒なら、雑誌やTVを見ながらでも手軽に行える足湯がおすすめ。大きめの洗面器かバケツに熱めのお湯(42~45℃くらい)を入れ、くるぶしまで浸して15~20分ほど温めます。大さじ1~3杯程度のしょうがをすりおろして入れると、血行促進効果はさらに高まります。ひたいにうっすらと汗をかくまで温まるのがポイント。下半身の血行が良くなり、痛みがずいぶんラクになるはずです。


また花やハーブから抽出したエッセンシャルオイル(精油)も、ホルモンの分泌をつかさどる自律神経を整え、痛みをやわらげる効果があります。クラリセージやゼラニウム、カモミール、ペパーミントなどの精油をティッシュに1滴たらして香りを嗅ぐか、入浴・足湯のお湯に数滴入れてアロマバスを楽しみましょう。気分がすっきりし、痛みもラクになります。

それから生理中のハードな運動は避けるべきですが、軽くからだを動かすことは下半身の血行を良くし、痛みを軽減します。そこで、どこでも手軽に行えるストレッチと体操をご紹介。ぜひ試してみてください。

 

こうしたセルフケアを行っても、つらい痛みが治まらない場合は、市販の鎮痛薬も上手に活用しましょう。

[うっ血をやわらげるストレッチ]
1)椅子や机に正面から向かい、両手を乗せてまっすぐに立つ
2)踵を上げたまま、ゆっくりと膝を曲げてしゃがみ、また立ち上がる

1)と2)の動作を数回繰り返す

[下半身の血流を良くする体操]
1)ラクな姿勢で椅子に座り、踵を床につけたまま、ゆっくり両足首を90度の角度に曲げて5つ数える
2)いったん足首を元に戻し、今度は足首と足の甲をしっかり伸ばし5つ数える

1) と2)の動作を5回程度繰り返す

生理痛を和らげるセルフケア

ブルーデーを快適に乗りきる食生活

生理痛と食べ物は無関係、と思っていませんか。それは誤解で、生理痛を軽減するには、食生活を見直すことも大切です。ふだんから血行を良くする食品を積極的に口にすることで、冷えに強くなり、毎月のつらさや痛みが軽くなります。その代表的な栄養素が、末梢の血管を拡張させて血行を良くするビタミンEです。別名「若返りのビタミン」と言われるように、ビタミンEにはからだの老化を防止する抗酸化作用を備え、ホルモン分泌を調整するはたらきもあると考えられています。ナッツ類やごま、パプリカ、アボカド、かぼちゃ、うなぎなど、ビタミンEを豊富に含む食品を意識して多めにとるようにしましょう。

ブルーデーを快適に乗りきる食生活
それからタマネギやニンニク、ニラに含まれるアリシン、しょうがの辛みの成分であるジンゲロールなども、血液循環を促すはたらきがあります。これらの香味野菜も、料理に上手に取り入れたいものです。また生理中は出血によって貧血気味になりがち。豚レバーやひじき、あさりなど、鉄分を多く含む食品で補いましょう。また「造血のビタミン」と言われるビタミンB12には赤血球の生成を助けるはたらきが。豊富に含まれる食品としては、あさりやしじみ、焼き海苔、マグロなどが挙げられます。

このように生理痛の原因となるホルモンバランスの乱れや冷え、血行不良などは、食生活によってある程度改善することができます。生理痛を快適にコントロールするためにも、毎日の食生活にしっかりと気を配りたいものですね。

Wellness Q & A コーナー

Q1 生理痛と年齢は関係ある?
年齢を重ねるとともに子宮も成熟して頸管が太く柔軟になるため、一般的には痛みが軽くなるケースが多いようです。ただ生理痛というのは、出産経験の有無によっても違ってきますし、生活習慣などによるホルモンバランスも影響します。ですから10代より30代の方が生理痛が軽い、とは単純には言い切れないようです。
Q2 月経の出血量はどこまでが正常?
一般的に生理の出血は2日目が最も多く、徐々に減っていくのが普通で、個人差はありますが、正常な出血量は50~150g(牛乳ビン1本弱)程度とされます。日数がたっても出血量が減らない場合や、1日の総量が極端に多すぎる場合は、さまざまな婦人病が原因となっている可能性もあるので、早めに医師の受診を。
Q3 鎮痛剤を使い続けると効かなくなる?
それは基本的には考えられません。ただ服用を続けるうちに、もしも効かないと感じるようなら、いつもより冷えやストレスが強いなど、服用する本人自身の体調に変化があって痛みの程度が増している可能性が大。もしくは何らかの病気のシグナルであることも考えられます。ですから、効かないからと服用量をむやみに増やすのは禁物。心配なときは医師に相談し、また長期連用はしないようにしましょう。