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ひどい手荒れの
予防策&対処法は?

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空気が乾燥する季節は、ひどい手荒れにお悩みの方も多いでしょう。症状が一層悪化しないためにも、早めの対処が必要です。今回は手荒れについてご紹介します。

手荒れとは?

手や指の皮膚が乾燥してカサカサしたり、赤みやかゆみが出たりする状態を「手荒れ」といいます。

皮膚には本来、外からの刺激や乾燥から守るバリア機能がありますが、この働きが弱まると手荒れが起こりやすくなります。特に空気が乾燥する秋冬や、水仕事が多い環境では症状が出やすくなります。

軽い手荒れなら保湿で改善することもありますが、放置するとひび割れ(ひび)やあかぎれ、強いかゆみなどをともなって悪化することがあります。

手荒れ

手荒れの症状

手荒れといっても症状はさまざま。初期の段階では乾燥によるカサつきや小さなひび割れ(ひび)が見られ、悪化すると「あかぎれ」が生じることもあります。また、炎症やかゆみをともなって湿疹のような状態になると「手湿疹」と呼ばれることもあります。

ひび割れ(ひび)・あかぎれ

乾燥で角層が固くなり、浅い亀裂が入った状態を「ひび割れ(ひび)」といいます。進行すると亀裂の深い「あかぎれ」となり、痛みや出血をともなうことがあります。

あかぎれの原因&対処法

手湿疹

手指の乾燥や鱗屑りんせつ(皮膚の表面に角層が異常に蓄積することで、正常な状態よりも厚くなってうろこ状の白色片を生じること)から始まり、手のひら全体や手の甲まで赤みや水ぶくれが広がっていき、強いかゆみや痛みをともなう症状のことを「手湿疹」といいます。悪化すると皮がむけたり、ひび割れが生じたり、傷口がただれてしまったりすることもあります。

手湿疹の原因&対処法

手荒れの原因

手の皮膚は体のほかの部位と比べて乾燥しやすく、外からの刺激に弱い特徴があります。皮膚の表面には「角層」という層があり、バリアのように働いて外部からの刺激を防いでいます。また、その上を皮脂膜が覆うことで、うるおいを保ち、肌を守っています。

ところが、乾燥した空気や気温の低下、水や洗剤・アルコール消毒などに触れることで、この皮脂膜ははがれやすくなります。手は皮脂を出す腺(皮脂腺)がほとんどないため、失われた皮脂膜が再び整うまでのあいだ、外部刺激を受けやすく、手荒れが起こりやすくなるのです。

イメージ図

手荒れの予防・対処法

1保湿ケアをしっかりと行う

入浴後や水仕事の後は、肌を刺激する成分を極力含んでいない(低刺激、敏感肌用など)保湿作用のあるクリームや薬用ジェルを使って保湿をし、肌にうるおいを与えましょう。保湿効果が高くべたつきも少ないヘパリン類似物質配合の保湿剤は、乾燥肌の改善に適しています。

乾燥肌には保湿剤。でもその塗り方、合っていますか?

2水仕事の際はゴム手袋を着用する

水で皮膚の油分や水分を洗い流さないように、洗剤や水、お湯を使う際にはゴム手袋を着用するようにしましょう。

3手洗いは水、もしくはぬるめのお湯でする

温水は皮脂まで洗い流してしまうため、できるだけ水で洗うように心がけましょう。お湯を使う場合は、高い温度は避けてぬるめにするとよいでしょう。

洗った手をそのままにしておくと、残った水分と一緒に皮膚の水分も蒸発するため肌が乾燥することもあります。手洗いなどで水にぬれた際は自然乾燥せず、すぐにタオルで水分をそっとふき取りましょう。

4寒い時期の外出時には手袋を着用する

寒い時期の外出は、乾燥した冷たい外気に皮膚がさらされ、皮脂や汗の分泌が減ってしまいます。皮膚を守るためにも、手袋で皮膚を保護しましょう。

5市販薬で症状をおさえる

手荒れには保湿効果が高いヘパリン類似物質配合の保湿剤を使用し、乾燥を防ぎましょう。

強いかゆみや湿疹がみられる場合には、ステロイド外用剤(塗り薬)で治療するのも有効です。保湿効果の高い軟膏タイプがおすすめですが、自分の症状に適したステロイド外用剤(塗り薬)がわからない場合は、薬局・薬店の薬剤師、または登録販売者に症状を伝え、相談してみましょう。

保湿剤とステロイド外用剤(塗り薬)を併用する際には、塗る面積の広い保湿剤を先に塗り、後からステロイド外用剤(塗り薬)を患部だけに塗りましょう。ステロイドを塗る必要のない正常な皮膚にまで広げてしまうことを防ぐためです。

薬局・薬店で購入したステロイド外用剤(塗り薬)を5~6日使用しても改善がみられない場合は自己判断で使用を続けず、医療機関(皮膚科)を受診しましょう。

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