頭痛は、大人だけではなくこどもにも起こるもの。
一方、こどもは大人のように正しく症状を伝えられないこともあり、
周囲の大人がお子さんの苦しみに気づけていないことがあるかもしれません。
お子さんの辛い気持ちを理解し、サポートできるよう、
こどもの頭痛に関する基礎知識をお届けします。
監修=塙佳生 (塙小児科医院 院長)
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01頭痛薬は何歳から飲める?
指定の用法・用量に従って!
新セデス錠は7才から服用できます「何歳から飲める」という一律の決まりはありません。市販薬の場合は、同封の「添付文書」に書かれた用法・用量を守って正しく使いましょう。医師に処方された薬の場合も、医師の指示に従って正しくお使いください。
用法・用量をしっかり守っていれば、お子さんが頭痛を訴えるたびに薬を与えることはNGとは言い切れません。ただし、頭痛が一週間以上続いていたり、頻繁に発生する場合は大きな病気が原因となっている可能性も。少しでも気になることがあれば、迷わず医療機関を受診しましょう。 -
02こどもには
片頭痛だけじゃない!?
どんな頭痛が起こる?
頭痛の種類は複数存在!頭痛≒片頭痛と認識されている方も多いかもしれませんが、頭痛にはさまざまな種類・原因があり、日常的なものから大きな病気に関わるものまで含めると、たくさんの種類に分類されています※。中でもこどもに起こりやすいのは、「片頭痛」と、精神的ストレスや身体的な疲れが原因で起こることもある「緊張型頭痛」といわれています。
※日本頭痛学会発行『国際頭痛分類 第3版
(ICHD-3)』参照 -
03こどもの頭痛の原因は?
頭痛の原因はさまざま
大きな病気が潜んでいる可能性も風邪が原因で頭痛を引き起こすこともあれば、睡眠不足や運動不足、ゲームやスマートフォンの使いすぎ、不規則な食生活、ストレスなど、生活習慣の乱れが原因となるケースも多くあります。また、天候や気圧によって頭痛が起こることも。
お父さん・お母さんが過去に頭痛を感じたときの状況を思い出してみるほか、お子さんが過去に頭痛を訴えたときの状況をメモしておくと、原因を探りやすくなるかもしれません。そのほかの大きな病気が原因となっている可能性もあるため、普段からお子さんとよくコミュニケーションを取り、お子さんの状態を把握して、少しでも違和感があれば医療機関に相談してみましょう。
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04頭痛は遺伝する?
遺伝したとしても
症状が同じとは限らない!片頭痛は遺伝することもあるといわれています。ただし、症状は人によってさまざま。症状には個人差があり、お父さん・お母さんと同じとは限りません。
自分の経験をもとに、「それくらいなら大丈夫」「すぐ治るよ」などと決めつけず、お子さんの気持ちに寄り添ってあげましょう。
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05注意したい頭痛の症状は?
心配しすぎて損はない!
保護者の「何かヘン」を信じて頭痛発生した当日のうちに、もしくは一週間・一ヶ月などの一定期間をかけてだんだん強くなっていく頭痛や、吐き気や嘔吐をともなう頭痛など、いつもとお子さんの様子が異なる場合には、医療機関への受診をおすすめします。
頭痛に加えて、身体の片側の手足などに力が入らない、呂律が回らない、まっすぐ歩けない、けいれんなどの症状がある場合も、脳疾患が隠れている可能性があるため、早急に医療機関を受診した方が良いでしょう。
お父さん・お母さんの感覚的に、お子さんの頭痛薬を飲む頻度が多くなっていたり、飲んでも効果が見られない場合も注意が必要です。心配しすぎて損ということはありません。少しでもヘンだと感じたら、ためらわずに医療機関へ相談してみましょう!
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06食事と頭痛の関係は?
食生活の乱れが頭痛の原因に!?
バランスの良い食事を心がけよう十分な食事をとれていないと、低血糖により血液中のケトン体が増え、頭痛を引き起こすことがあります。鉄分不足による貧血や、脱水などが頭痛を誘発することも。
また、チョコレートやチーズ、柑橘類に含まれるチラミンという物質が頭痛の原因となることもあり、食べ過ぎは避けたいところ。
バランスの良い食事を、三食決まった時間に食べることが何よりも大切です。
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07家庭でできる対処法は?
一番大事なことは
こどもの気持ちに寄り添うこと一般的に、片頭痛は冷やす、緊張型頭痛は温めるのが効果的だとされています。ただし、片頭痛のときに温めるのがNGということではありません。お子さんが「これをしてほしい」と望むことをしてあげるのが一番の対処法です。
対処をしても、症状が改善しなかったり、悪化するようであれば、医療機関を受診しましょう。
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08こどもは症状をうまく伝えれられないこともある
こどもは「頭が痛い」と
表現するとは限らないこどもに「頭が痛い?」と聞いても伝わらない可能性もあります。「頭がヘン?」「頭がだるい?」など、いろいろな表現で聞いてあげると、お子さんが症状を話しやすくなるかもしれません。
こどもはうまく症状を伝えられないこともあるため、大人の感覚でコミュニケーションを取らないことが大切です。
いつも元気なお子さんが黙ってしまって普段と様子が違う、食事のときにいつものように食べない、表情がいつもと違うなど、お父さん・お母さんの「何かヘン」という感覚が何よりも大事。普段からお子さんの様子をしっかりと見てあげてくださいね。
お父さん、お母さんへ
こちらの「こどもの頭痛に関する基礎知識」は
ダウンロードしてお使いいただくこともできます。
お子さんの辛い気持ちを理解し、サポートするために、
ぜひお役立てください。