このサイトでは主に片頭痛でお子さんが「頭が痛い!」と言ったときの対処法をご紹介します。こどもは自分の症状をうまく説明できないことがあります。まずは、普段と違った様子がないかよく観察しましょう。急かさずにこどもの発言を待つことも大切です。
日常的に「困ったことがあれば、すぐに教えてね」と話しやすい状況をつくっておくのもいいかもしれません。症状の
聞き出し方を知り、頭痛が起きたときに適切に対処
できるよう、以下のコンテンツをぜひご活用ください。
監修=塙佳生 (塙小児科医院 院長)
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痛みの強さを
判断する基準普段と違う様子がないか
たとえば
よく観察する- 好きなこと、興味のあることに積極的に関われている?
- 顔つきは普段と同じ?
- 機嫌がすごく悪い?
など、こどもの様子をよく見ることで、痛みの強さを判断することができます。
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症状の聞き出し方
痛い場所を
そのほかにも
自分で触って教えてもらおう- いつから痛かったの?
- ずっと痛いの?たまに痛くなるの?
- どんな風に痛いの?(ズキンズキン、ガンガン、ギューッと締め付けられる感じ)
など、いろいろな言葉で聞いてみるとどんな痛みなのか理解しやすくなります。
こどもの気持ちに寄り添ったコミュニケーションをすることが大切です。
教えてくれたらしっかり褒めてあげてください。 -
こんな症状が
あったら病院へ!いわゆる頭痛持ち(片頭痛)ではなく、
原因となる病気が潜んでいる可能性も……こどもの頭痛の中で比較的多いのは片頭痛で、目がチカチカする、こめかみのあたりが痛い、といった症状がみられます。その場合は家庭で様子を見てもいいかもしれません。しかし、頭痛時に下記の症状がある場合や、症状が長引いたり、何度も繰り返す場合は、原因となる病気が潜んでいる可能性があります。また、お父さん・お母さんの「こどもの行動がいつもと違う・おかしい」という直感は大事にしてください。少しでも気になることがあれば、医療機関を受診することをおすすめします。軽度の頭痛だからと受診を控える必要はありません。
頭痛を引き起こす病気の症状
(すべての症状が出るわけではありません。また、例外もあります)
下記の当てはまる項目にチェックしてみましょう。
◇脳腫瘍
◇副鼻腔炎
◇アセトン血性嘔吐症
◇OD(起立性調節障害)
◇その他
頭痛の原因になる病気はたくさんあり、またその病気の典型的な症状ではない、特殊な症状が出ることもあります。
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学校は休むべき?
本人の意思を
まずは
尊重することが大切!- お医者さんに行きたい?
- 学校はどうする?
など、本人の意思を確認してみてください。頭痛のときは大人でも話すのが辛いことがあります。ゆっくりと回答を待つなどお子さんの気持ちに寄り添ったコミュニケーションを心がけ、本人とお父さん・お母さんでよく相談して判断してください。
片頭痛の場合の学校への薬の持たせ方
学校で頭痛が起きないか心配なときは、頭痛薬を持参しても良いか担任の先生に相談してみましょう。 特に低学年の場合は、お父さん・お母さんが保健室の先生や担任の先生にしっかりと症状や薬を飲むタイミングなどを申し送りしておくようにしてください。
- 必要な分だけ持っていく
- チャックのあるポケットなど落としにくい場所に入れる
- 自分専用の薬であることを教え、他の子には絶対にあげないよう注意しておく
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睡眠の質が原因?
睡眠の質が
頭痛の原因になることも頭痛には睡眠の質が影響することもあるため、お子さんの睡眠時間や目覚めのスッキリ感を確認しましょう。
たとえば- よく眠れた?途中で目が覚めなかった?
- 昨日は何時に寝た?
- 寝る前にゲームやスマートフォンをした?
などを聞いてみてください。
「早寝・早起き・朝ごはん」の生活習慣を守ることが重要です。ゲームやスマートフォンの使い過ぎも不眠の原因になることがあるため利用時間・時刻を決めることをおすすめします。また、寝る前の2時間はゲームやスマートフォンを控えた方が、質の良い睡眠につながるといわれています。
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大きな環境の
変化はあった?精神的ストレスや
身体の疲れが原因の場合も友達や先生との関係といった心理的要因や学校や習い事などによる身体的な疲れが頭痛の原因になることがあります。
たとえば- 最近、疲れていない?
- 何か悩んでいることはない?
などと聞いてみましょう。
ほかにも、夕日を見ると頭が痛くなる子もいれば、いつもと違う車に乗ると頭痛になる子もいます。小さな環境の変化で頭痛になる子もいるため、どんなときに頭痛になったか、メモしておくこともおすすめです。また、これまでこどもの成長を見守ってきたお父さん・お母さんの経験値から、これまでどんなときに頭痛が起きたかを思い出すことで、原因がわかるかもしれません。
お父さん、お母さんへ
こちらの「こどもの頭痛対処法」は
ダウンロードしてお使いいただくこともできます。
お子さんの症状を理解し、サポートするために、
ぜひお役立てください。