• 薬局・薬店で相談できる皮膚トラブル

ダニによる虫さされの
予防策&対処法は?

蚊、ブヨ、ハチ、ダニなどの虫が原因で、痛みやかゆみ、赤みや腫れなどがおこることを「刺虫症しちゅうしょう」といい、一般的には「虫さされ」と呼んでいます。
今回はダニによる虫さされについてご紹介します。

ヒトに害をもたらすダニ

多くの種類が存在するダニのなかでも、ヒトに害をもたらす可能性があるダニを「医ダニ類」と呼び、以下のようなダニが挙げられます。

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ヒョウヒダニ ツメダニ イエダニ マダニ
大きさ・
特徴
0.3~0.4mm
非常に小さいため、白い点にしか見えず、目視することは難しい
0.3~1.0mm
淡い黄色をしているが、非常に小さいため目視することは難しい
0.6~1.0mm
吸血すると体色が白から赤(血の色)に変わり、見えやすくなる
3~10mm
吸血すると体がパンパンにふくらみ、あずきのような見た目になる
エサ ほこり、人のフケ、アカ、その他有機物等 他のダニ(ヒョウヒダニ、コナダニ)、小昆虫等 ネズミ、哺乳類の血液 動物の血液
生息場所 カーペット、ベッド、枕、布団、ソファーなど カーペット、
タタミなど
ネズミの体・巣 野生動物が出没する場所に多いが、最近では山・公園・河川敷・草地・庭などにもみられている
発生時期 湿度の高い6月に
特に多くなる
8~9月は特に
被害が多い
5月頃から増え始め、6~9月に繁殖のピークを迎える 3~4月頃から増え始め、10~11月頃が本格的な活動期となる。冬季に活動する種類もいる
ヒトに
及ぼす害
死骸やふんがアレルギー反応の原因となる。
※人をさすことはない
吸血しないが、まれに人をさし体液を吸う 皮膚に吸着し血液や体液を吸う

ダニにさされたら

ツメダニやイエダニにさされた場合

腹部や太ももの内側、脇や二の腕など、衣服で隠れている部分がさされやすく、強いかゆみをともなう赤いブツブツが現れます。数日~1週間以上に渡ってしつこいかゆみが続くこともあります。

軽いかゆみには、市販のかゆみ止め薬を活用するとよいでしょう。かゆみが強いうえ、皮膚に赤みや腫れなどの炎症がみられるときには、ステロイド外用剤(塗り薬)も有効です。掻きすぎて傷になる前に、かゆみを抑え強い抗炎症作用のあるステロイド外用剤(塗り薬)を使用するのがポイントです。

イエダニ刺症
イエダニ刺症

薬局・薬店の薬剤師、または登録販売者に症状を伝え、使用できるステロイド外用剤(塗り薬)があるかどうか相談してみましょう。
薬局・薬店で購入したステロイド外用剤(塗り薬)を5~6日使用しても改善がみられない場合や、気になる症状が現れた場合は自己判断で使用を続けず、医療機関(皮膚科)を受診しましょう。

マダニにさされた場合

マダニにさされても痛みやかゆみといった自覚症状がほとんど見られないため、マダニが吸血し、かなり大きくなってから気づくことが多いようです。

人の皮膚に咬みつき吸血するマダニを無理に引き剥がそうとすると、マダニの口器が皮膚に残ることもあります。吸着しているマダニの腹部を指でつまむと、マダニの体液成分が皮膚に逆流する恐れもあるため、さされたとわかったらむやみに触らず、すぐに医療機関を受診してください。

マダニ刺傷
マダニ刺傷

ダニにさされないためには

家のなかで発生するツメダニやイエダニを予防するためには、こまめに掃除機をかけてエサとなる虫を取り除くことが大切です。湿度を好むため、こまめな換気を意識し、除湿器、布団乾燥機などを使用するとよいでしょう。

レジャーなどでマダニがいそうな場所へ行く際は、なるべく肌の露出を控えるような服装を心がけてください。帰宅したらマダニが肌や服についていないか入念にチェックしましょう。

虫よけスプレーの配合成分は主に「ディート」と「イカリジン」の2種類があります。マダニには両方有効ですが、ディート製剤の場合は幼児の顔への使用、生後6ヵ月未満の乳児への使用は控えてください。

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