ステロイド外用剤(塗り薬)は
身体の中に蓄積しますか?【医師からステロイド外用剤(塗り薬)を処方されている方向け】
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「ステロイドを長く使うと体内に蓄積される」とのうわさがありますが、ステロイド外用剤(塗り薬)の成分は体内に蓄積されることはありません。うわさを恐れて自己判断で使用をやめることのないようにしてください。
ほかにも、ステロイドにまつわるうわさを挙げてみましょう。
ステロイドを塗ると皮膚が黒くなる?
ステロイド外用剤(塗り薬)は皮膚の血管を収縮させるため、皮膚が白くなったり、薄くなることはありますが、ステロイドの成分で皮膚が黒くなることはありません。皮膚が黒くなるのはステロイドの副作用ではなく、治療を途中でやめてしまったり、長期間治療せずに放置していた場合にみられる現象です。
ステロイド外用剤(塗り薬)を使うと骨がもろくなる?
内服や注射でステロイドを全身投与する、かつ、大量に長期間使用した場合にはそのような可能性もないとは言えません。しかし、ステロイド外用剤(塗り薬)はもともと、そういった全身性の副作用を減らし、局所の皮膚に効果が出るように工夫されて作られたものなので、骨がもろくなるといった心配はありません。
ステロイド外用剤(塗り薬)でリバウンドがおこる?
医師指導のもと長期間強いステロイド外用剤(塗り薬)を使用していて、急に塗るのをやめたり、量を大幅に減らしたときにおこる、いわゆる「リバウンド現象」。
ステロイド外用剤(塗り薬)を急に中止・減量すると、皮膚が火照り真っ赤に腫れ上がって、滲出液(しんしゅつえき=透明もしくは黄色っぽい、ジュクジュクとした液体)が出てくることもあります。しかしこの悪化は、不適切な治療中断による元の疾患の急性の悪化に過ぎず、本来のリバウンド現象とは少し意味合いが異なります。多くの場合、皮膚症状が十分改善していないにもかかわらず途中で中断してしまうことによる症状の悪化といえますので、医師指導のもと適切に治療を続けてください。
このような悪化を防ぐためにも、ステロイド外用剤(塗り薬)の使用は自己判断で中止せず、治療を受けている医師の指導に従いましょう。