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ローションは軟膏やクリームと
何が違うの?

皮膚のかゆみや赤みなどの症状をおさえるステロイド外用剤(塗り薬)。軟膏やクリームのものはよく使うけれど、ローションはどんなときに使うのが良いのだろう? そんな疑問にお答えすべく、今回はローションについてご紹介します。

軟膏、クリーム、ローションの特徴

軟膏、クリーム、ローションは下図のようにそれぞれ長所・短所があるため、患部に適したものを選ぶことが大切です。

※横にスクロールしてください

  軟膏 クリーム ローション
基剤(薬の成分を保持するための材料) 水と油を混ぜた乳化剤 水と油を混ぜた乳化剤
(※水分量がクリームより多い)
刺激性 弱い 軟膏に比べて強い 軟膏に比べて強い
べたつき 強い 水を含むので伸びがよく、べたつきにくい 軟膏やクリームに比べて、ベタつきにくい
皮膚吸収 クリームやローションより吸収されにくい 軟膏より吸収されやすい 軟膏より吸収されやすい
使用に適した患部 どんな状態の患部にも使える。刺激性が弱いので肌の弱い人にも使える 主に乾燥している患部に使用。ジュクジュクした患部、傷がある部分には適さない。 軟膏やクリームが塗りにくい、頭皮など有毛部に適している。ジュクジュクした患部、傷がある部分には適さない
特徴 保湿力が高く、皮膚を保護する さらっとした使用感。汗などで流れやすい 伸びがよく、さらっとした使用感。水分が多く気化しやすいので夏場など汗をかくときのからだにも使いやすい

液体に薬を混ぜたローションは、塗ったあとに水分が蒸発して表皮に残る薬剤の効果が期待されます。若干の刺激性があるため、湿ってジュクジュクしている患部には適していませんが、軟膏やクリームが塗りにくい頭皮などの有毛部に適しています。

ほかにも、デリケートエリア(※)のかぶれ、ベタつく軟膏やクリームが使いにくい背中・おなか・腕の湿疹、皮膚炎、真夏の汗をかく時期の身体の湿疹、皮膚炎などにも適しているといえるでしょう。
※ただし、デリケートエリアの粘膜部位には使用できません

  • 頭皮のかゆみ
  • 頭皮の炎症による
    あかみ
  • シャンプーなどがしみてヒリヒリする
  • かさかさした
    フケがでる
  • ワキのかぶれ

ローションタイプのステロイド外用薬(塗り薬)の「適量」とは?

ステロイド外用薬(塗り薬)では、正しい効果を得るために「FTU(フィンガーチップユニット)」と呼ばれる単位を使用します。1FTU=約0.5gを大人の手のひら2枚分くらいの面積に塗ることができますが(体表面積の約2%)、1FUの目安が軟膏・クリームタイプのものとローションタイプのもので異なるので、覚えておくとよいでしょう。

軟膏・クリームの場合:大人の人差し指の先から第1関節に薬をのせた量
ローションの場合:1円玉大くらいの大きさの量

ローションタイプのステロイド外用薬(塗り薬)の塗り方のポイント

軟膏・クリームの塗り方

1FTUを目安として、患部の広さに応じておおよそ必要な量を、軟膏またはクリームのチューブから、人差し指の腹に押し出してください。

狭い患部への塗り方
指先に少量つけたお薬を患部にポンと置き、患部からあまりはみ出さない範囲でお薬を伸ばしてください。表面がテカる程度にやさしく塗ります。擦り込む必要はありません。
少量つけたお薬を患部にポンと置きましょう。
やさしく塗る
患部にお薬をのせ、擦り込まずに患部全体にやさしく伸ばします。表面がベタつくくらいが基本です。
擦り込まないようにしましょう。たっぷりのせるように塗ると、湿疹、皮膚炎部分に薬がつきます。

ローションの塗り方

容器を振る
最初にお薬の容器を振ります。
お薬を手のひらにとる
手のひら2枚分の広さに塗ることのできる量は、1円玉くらいの大きさ(約0.5g)が目安です。
※患部の面積に応じて量をご調整ください。
指で患部に直接塗る
できるだけ毛につかないように、患部に指で直接、やさしく塗りましょう。
気を付けること

容器の口を患部に直接つけないでください。
容器が汚染されて、炎症が悪化する原因になります。

※薬局・薬店で購入したステロイド外用剤(塗り薬)を5~6日使用しても改善がみられない場合は自己判断で使用を続けず、医療機関(皮膚科)を受診しましょう。
また、患部の大きさが手のひら2枚分以上(顔面やデリケートエリアなどでは500円玉より大きい)場合は、医療機関(皮膚科)を受診しましょう。

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