虫さされの原因&
対処法
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蚊、ブヨ、ハチ、ダニなどの虫が原因で、痛みやかゆみ、赤みや腫れなどがおこることを
「刺虫症」といい、一般的には「虫さされ」と呼んでいます。
今回は虫さされについて、その原因や対処法をご紹介します。
虫さされとは?
虫さされとは、虫が血を吸ったり、刺したり、咬んだりによっておこる皮膚の症状のことです。虫のもつ毒成分や唾液成分などの異物が皮膚のなかに侵入することで刺激反応やアレルギー反応がおこります。
虫さされでみられる症状は、おもに以下のようなものです。
- かゆみ
- 皮膚に注入された毒成分や唾液成分に対するアレルギー反応によっておこる症状。搔き壊すと皮膚が傷つき、黒ずんでしまう(色素沈着といいます)こともあります。
- 赤み
- 刺激反応やアレルギー反応により、皮膚が炎症をおこして赤くなる症状。
- 痛み
- 虫が皮膚をさしたり咬んだりすることで生じる症状。虫が皮膚に注入する物質によっても痛みを感じる場合があります。
- 腫れ
- 刺激反応やアレルギー反応により、皮膚の一部がふくらむ症状。虫の種類によっては、激しい痛みをともなう場合もあります。
- 水ぶくれ
- 虫にさされてからしばらくして、皮膚のなかに透明な液体が溜まって盛り上がる症状。かゆみをともなうことが多いため、つい掻きたくなってしまうかもしれませんが、水ぶくれを掻くと皮膚が破れ、なかに溜まっていた液体が患部の周囲の皮膚に広がることでかぶれたり、ただれたりする場合もあります。
これらの症状が狭い範囲にみられる程度であれば「軽度の虫さされ」といえますが、ハチやムカデ、毛虫にさされた際のアナフィラキシーショックなど、さされた箇所だけでなく全身に及ぶ症状が出る可能性がある虫さされについては、とくに注意が必要です。さされてから30分~1時間で血圧低下や呼吸困難、意識消失などが生じ、命の危険につながることもあるからです。
体調に異変を感じたり、呼吸困難、血圧低下といった全身症状が現われたら、すぐに医療機関を受診してください。
虫さされの原因となる虫は?
蚊のような血を吸うタイプの虫や、有毒毛をもつ毛虫のようなタイプの虫など、虫さされの原因となる虫はさまざま。現れる症状も、原因となる虫によって異なります。
- 吸血する虫
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家のなかや庭、公園、山野など、屋内・屋外を問わず、蚊はどこにでも生息しています。さされた頻度や体質などにより、さされてすぐにかゆくなる即時型反応と、1~2日後に症状が出る遅延型反応のどちらか、あるいは両方がみられます。
蚊による虫さされの予防策&対処法は?小型のハエのような虫で、高原や山間部の渓流沿いに生息しています。さされたときには異常を感じることが少なく、半日~1日後に徐々に激しいかゆみと赤い腫れが現れます。皮膚を咬んで出てきた血液を吸うため、内出血ができたり、赤いしこりが長く残ることもあります。
ブヨ(ブユ)による虫さされの予防策&対処法は?ネコやイヌなどのペットに寄生するネコノミが、吸血のために人をさすことがあります。血を吸われてから1~2日後に強いかゆみをともなう赤いブツブツが現われ、水ぶくれができることもあります。
ノミによる虫さされの予防策&対処法は?室内でさされるダニのほとんどはイエダニによるものです。腹部や太ももの内側、脇や二の腕など、衣服で隠れている部分がさされやすく、強いかゆみをともなう赤いブツブツが現れます。数日~1週間以上にわたって、しつこいかゆみが続くこともあります。
ダニによる虫さされの予防策&対処法は?
また、野山などでマダニに刺されるケースもみられます。人の皮膚に咬みつき吸血するマダニを無理に引き剥がそうとすると、マダニの口器が皮膚に残ることもあるため、さされたとわかったらすぐに医療機関を受診してください。また、ダニの一種であるツツガムシ(幼虫)に吸血されることで発症するツツガムシ病は病原菌リケッチアによって起こり、全身の紅斑や高熱がでることもありますので、医療機関を受診してください。尚、アトピー性皮膚炎や喘息などアレルギーに関係するコナヒョウヒダニやヤケヒョウヒダニはヒトを刺しません。山地の渓流沿いなどに生息するアブは、夏のキャンプや川原でのバーベキューで見られることもあります。さされたときに激しい痛みと出血を生じ、後から腫れや強いかゆみの症状が現れます。
アブによる虫さされの予防策&対処法は? - 咬む虫
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毒をもつクモにさされると、毒成分の刺激により、痛みや腫れなどの症状が出ます。症状の程度には個人差がありますが、セアカコケグモといった毒性の強いクモにさされた場合は、呼吸困難などの全身症状が出ることもあるので注意が必要です。咬まれたとわかったらすぐに医療機関を受診してください。 落ち葉や石の下、古い民家などに生息しています。さされた直後から毒成分の刺激による腫れ、しびれ、激痛などが生じます。ムカデの毒に対する強いアレルギー反応によりアナフィラキシーショックをおこすことがあるので、体調に異変を感じたり、呼吸困難、血圧低下といった全身症状が現われたら、すぐに医療機関を受診してください。刺されたら42~43℃の熱めのお湯で温めると毒が分解されて痛みが和らぎます。
ムカデによる虫さされの予防策&対処法は?イエヒメアリやヒメアリといった人を咬むアリにさされると、体質によっては咬まれたところが腫れることもあります。オオハリアリなどの毒針をもつアリにさされると、赤みや痛み、熱をもつなどの症状が現れます。なかでもヒアリやアカカミヒアリのような毒性の強いアリにさされた場合は、呼吸困難などの全身症状が出ることもあるので注意が必要です。ヒアリやアカカミアリのような毒性の強いアリにさされた場合や、アナフィラキシーショックを起こしている場合はすぐに医療機関を受診してください。
アリによる虫さされの予防策&対処法は? - さす虫
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庭の手入れやハイキングなどの際に、アシナガバチやスズメバチに刺されるケースがみられます。ハチにさされると、毒成分の刺激により、さされた直後から激しい痛みをともなう赤い腫れが生じます。
初めてさされたときは、それほどひどい症状にはいたりませんが、2回目以降はハチの毒に対するアレルギー反応によって症状が強く出たり、アナフィラキシーショックをおこす可能性があります。体調に異変を感じたり、呼吸困難、血圧低下といった全身症状が現われたら、すぐに医療機関を受診してください。 - 有毒の毛をもつ虫
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庭の手入れなどの際に、チャドクガのような有毒毛をもつ毛虫に触れることで、激しい痛みやかゆみをともなう赤いブツブツがたくさん現れます。患部を掻くと、肌にささった有毒毛をさらに擦りつけることになり、蕁麻疹のように症状が広がります。
毛虫による虫さされの予防策&対処法は? - 触れると危険な虫
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オレンジと黒のツートンカラーが特徴のアリに似たやけど虫(正式名称:アオバアリガタハネカクシ)は昼間は草むらなどの湿った場所、夜は光があるところで見られます。攻撃性はありませんが「ペデリン」という毒をもつため、誤って触れると火傷したような赤みや痛み、水ぶくれなどを起こします。
触れると危険なやけど虫!予防策&対処法は? - その他(虫以外)
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海面または水中を浮遊した状態で移動するくらげはゴールデンウィークからお盆にかけて海で見られることが多くなります。ミズクラゲなどの毒性の弱いくらげにさされた場合はチクチクした痛みや赤み、かゆみ、みみず腫れなどの症状が現れます。カツオノエボシやハブクラゲのような毒性が強いくらげにさされたときは電気ショックを受けたような強い痛みを感じ、場合によっては呼吸困難などの全身症状が出ることもあるので注意が必要です。毒性の強いくらげにさされた場合や、複数回さされてアナフィラキシーショックをおこしている場合はすぐに医療機関を受診してください。
くらげにさされたときの症状&対処法は?
虫さされの予防・対処法
- 外出時は肌の露出を減らし、虫よけスプレーを携帯する
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露出している箇所を吸血する蚊やブヨや、触れるだけでかぶれる毛虫との接触を防ぐため、外出時は肌の露出を減らしましょう。
とくに春から夏にかけて、薄着になる時期に虫は活発になります。庭仕事やアウトドアでのレジャーの際は長袖シャツや長ズボンを着用するなど、皮膚を覆う服装を心がけてください。外出前には虫が嫌う成分が配合された虫よけスプレーをつけ、外出時にも携帯するとよいでしょう。 - まめに掃除し、室内を清潔に保つ
- ノミやダニの発生を防ぐためにも、日頃から定期的に室内の掃除を行いましょう。とくに寝具のなかは湿度もあるため、ダニが発生しやすくなっています。布団乾燥機を使ったり、まめに天日干しをするなど、ダニの温床にならないように心がけましょう。シーズンごとに布団を丸洗いするのもよいでしょう。
- 虫に近寄らない
- 虫さされの被害を予防するためには、庭や公園、山野など、原因となる虫が生息する場所に近寄らないことも大切です。草むらや植え込みには毛虫やマダニなどが潜んでいることもあるので、むやみに近寄らないようにしましょう。
ハチやハチの巣にも注意が必要です。とくにハチの活動が活発になる夏から秋にかけて、ハチやハチの巣に遭遇した際は刺激しないように、慌てず静かにその場を離れてください。 - 虫にさされたり咬まれたら、患部を流水で洗い清潔にする
- 虫にさされたり、咬まれたりした場合、触れたり掻いたりせずに、流水で洗うなどして清潔を保ちましょう。かゆみが強い場合は、刺された箇所を冷やすと症状が和らぎます。ハチに刺された際は、粘着テープや毛抜きを使って有毒針をそっと取り除いてから、流水で洗いましょう。
- 市販薬で症状をおさえる
- 軽いかゆみには、市販のかゆみ止め薬を活用するとよいでしょう。かゆみが強いうえ、皮膚に赤みや腫れなどの炎症がみられるときには、ステロイド外用剤(塗り薬)も有効です。掻きすぎて傷になる前に、かゆみを抑え強い抗炎症作用のあるステロイド外用剤(塗り薬)を使用するのがポイントです。
薬局・薬店の薬剤師、または登録販売者に症状を伝え、使用できるステロイド外用剤(塗り薬)があるかどうか相談してみましょう。
薬局・薬店で購入したステロイド外用剤(塗り薬)を5~6日使用しても改善がみられない、患部に水ぶくれができるなど、気になる症状が現れた場合は自己判断で使用を続けず、医療機関(皮膚科)を受診しましょう。
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