• 薬局・薬店で相談できる皮膚トラブル

ムカデによる虫さされの
予防策&対処法は?

蚊、ブヨ、ハチ、ダニなどの虫が原因で、痛みやかゆみ、赤みや腫れなどがおこることを「刺虫症しちゅうしょう」といい、一般的には「虫さされ」と呼んでいます。
今回はムカデによる虫さされについてご紹介します。

ムカデとは

日本には150種類ほどのムカデがいますが、ムカデにさされる被害の多くがトビズムカデとアオズムカデによるものです。この2種類は大型で人をかむ危険なムカデのため、見つけても決して素手で触らないようにしましょう。

ムカデは朽ち木や落ち葉、石などに下に生息し、夜になるとエサを求めて活動します。春から秋にかけてが活動時期で、冬場は冬眠しています。

ムカデが突然かみついてくることは基本的にはありませんが、靴のなかに隠れていたムカデに気づかず踏んでしまう、石の下にムカデが潜んでいるのを知らずに触ってしまうなど、刺激を与えることで人をかむことがあります。

ムカデによる虫さされの症状・対処法

ムカデにかまれた瞬間に激痛が走り、毒成分の刺激による腫れ、しびれなどが生じます。痛みは数時間ほどで治まりますが、翌日以降にさらに腫れたり、かゆみやしびれなどが生じることもあります。

ムカデの毒は42℃以上の熱に弱いため、ムカデにかまれたらすぐに熱めのお湯(43℃程度)に15~30分程度患部を浸すと痛みがやわらぎます。

強いかゆみや腫れなどの症状がみられるときには、ステロイド外用剤(塗り薬)が有効です。症状が悪化する前に、かゆみを抑え強い抗炎症作用のあるステロイド外用剤(塗り薬)を使用するのがポイントです。

薬局・薬店の薬剤師、または登録販売者に症状を伝え、使用できるステロイド外用剤(塗り薬)があるかどうか相談してみましょう。
薬局・薬店で購入したステロイド外用剤(塗り薬)を5~6日使用しても改善がみられない、痛みがあって腫れがひどいなど、気になる症状が現れた場合は自己判断で使用を続けず、医療機関(皮膚科)を受診しましょう。

ごくまれに、ムカデの毒に対する強いアレルギー反応によりアナフィラキシーショックをおこすことがあるので、体調に異変を感じたり、呼吸困難、血圧低下といった全身症状が現われたら、すぐに医療機関を受診してください。

ムカデにかまれないためには

ムカデはエアコンのダクト、窓のサッシ、浴室やキッチンの排水口といった、あらゆる隙間から家屋に侵入してきます。侵入されそうな隙間がある場所はテープやネットでふさいでおきましょう。

夜になるとゴキブリなどのエサを求めてムカデが屋内に侵入することもあります。そのため、エサとなるゴキブリが家の中で繁殖しないように、薬剤で定期的に駆除することをおすすめします。

ムカデが近くにいる場合は決して手で触らず、ムカデ専用の殺虫剤や凍らせるタイプの殺虫剤を吹きかけて駆除しましょう。

関連記事

ステロイド外用剤(塗り薬)
なんでも相談

ステロイドって何?
ステロイドを正しく使おう
上手にステロイドを活用する方法