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ノミによる虫さされの
予防策&対処法は?

蚊、ブヨ、ハチ、ダニなどの虫が原因で、痛みやかゆみ、赤みや腫れなどがおこることを「刺虫症しちゅうしょう」といい、一般的には「虫さされ」と呼んでいます。
今回はノミによる虫さされについてご紹介します。

ヒトをさすノミ

日本には70種類ほどのノミがいますが、ヒトノミ、ネコノミ、イヌノミ、スズメトリノミ、ヤマトネズミノミなどがヒトの血を吸うノミとして知られています。なかでも、ノミにさされる被害のほとんどがネコノミによるものです。

ネコノミは2~3mmの羽のない昆虫で、オスもメスも猫や犬の体に寄生します。ネコノミは公園や庭など土がある場所に生息し、成虫になると強い跳躍力で人の足元に飛びつき皮膚から吸血します。

10分以上吸血することもありますが、ノミにさされてもその場では気づかず、吸血されて1~2日後にかゆみのある赤いブツブツができて気づく場合が多いようです。

屋外では地面から飛びついたノミに吸血されるため、スネなどのひざから下を集中的にさされるのが特徴ですが、室内で飼っている猫や犬にノミが寄生している場合は足にかぎらず服から肌が露出している部分を吸血されます。

ノミによる虫さされの症状・対処法

さされたときには異常を感じることが少なく、1~2日後に強いかゆみをともなう赤いブツブツが現れ、水ぶくれができることもあります。かゆみを我慢できずに掻きむしってしまうと、さらに腫れたり、あとが残ってしまう可能性があります。

また、ノミは1箇所だけでなく複数個所をさす場合が多いため、患部の近くに噛みあとが集まっている場合があります。

水ぶくれはアレルギー反応によってできるため、猫や犬に接触する機会が少なく、ノミにさされた経験がない人ほど症状が強く出ます。
軽いかゆみには、市販のかゆみ止め薬を活用するとよいでしょう。強いかゆみがみられるときには、ステロイド外用剤(塗り薬)が有効です。水ぶくれができた場合は、掻きむしって水ぶくれを破らないようにしましょう。症状が悪化する前に、かゆみを抑え強い抗炎症作用のあるステロイド外用剤(塗り薬)を使用するのがポイントです。

ノミ刺症
ノミ刺症

薬局・薬店の薬剤師、または登録販売者に症状を伝え、使用できるステロイド外用剤(塗り薬)があるかどうか相談してみましょう。
薬局・薬店で購入したステロイド外用剤(塗り薬)を5~6日使用しても改善がみられない、痛みがあって腫れがひどいなど、気になる症状が現れた場合は自己判断で使用を続けず、医療機関(皮膚科)を受診しましょう。

ノミにさされないためには

ノミは夏場によくみられますが、真冬以外は通年発生するため、屋外では足元の肌を露出する服装をさけ、野良猫に近づかないようにしましょう。ディート(※)を成分とした虫よけスプレーも有効です。

※ディート製剤の場合は幼児の顔への使用、生後6ヵ月未満の乳児への使用は控えてください。

散歩している犬にノミが寄生することもあるので、ペットを清潔にし、獣医師の指示に従って予防薬や駆除薬を使用してください。

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