セルフメディケーションとは
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薬局やドラッグストアの薬剤師などのアドバイスを受けたうえで市販の医薬品(OTC医薬品)を使って予防や治療を行う「セルフメディケーション」。国民の一人ひとりが取り組むと国民医療費の削減効果が大きくなることから、政府はさまざまな施策でセルフメディケーションを推進しています。
今回はこの「セルフメディケーション」について、メリットや取り組み方をご紹介します。
セルフメディケーションと、そのメリット
世界保健機関(WHO)はセルフメディケーションについて、「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」と定義しています。
これまで、「身体の調子がいまひとつすぐれないな」と感じたときは病院を受診し、医師の指導のもとで治療を行うのが普通とされていましたが、軽いケガやちょっとした体調不良については、市販されている医薬品(OTC医薬品)を使って緩和・予防を行うというのがセルフメディケーションの考え方です。
また、日頃から自分の健康状態や生活習慣をチェックすることもセルフメディケーションの大事なポイント。高齢化や生活習慣病の増加が問題になっているいま、自分自身で健康を管理・維持し、受診の手間や費用をおさえるセルフメディケーションの考え方は、国民医療費の抑制にもつながることが期待されています。
- セルフメディケーションのメリット
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- 健康管理の習慣が身につく
- 医療や薬の知識が身につく
- 疾患により、医療機関で受診する手間と時間が省かれる
- 通院が減ることで、国民医療費の増加を防ぐ
- 平成29年1月からはセルフメディケーション税制で所得控除が可能に
セルフメディケーションの取り組み方
セルフメディケーションとはすなわち、「自分の健康を自分で守る」こと。その際に重要なのは、大きくふたつあります。
- 生活習慣に目を向け、自分自身の身体の状態を日頃から意識する
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普段から適度な運動、栄養バランスのとれた食事、十分な睡眠・休息を確保できるような生活習慣を心がけましょう。また、自分の身体の状態を知るために、健康診断や人間ドックを定期的に受けることも大切です。
最近では家庭での健康管理に役立つ体組成計や血圧計、活動量計、スマートウォッチなども充実しているので、それらを活用してみるのもよいでしょう。生活習慣が改善されれば、身体の状態も目に見えて変わってきます。健康管理アプリで推移を見るのもモチベーションアップにつながるはず。楽しみながら取り組んでみてください。
- 軽いケガや体調不良は、市販の医薬品(OTC医薬品)を上手に利用し自分で手当てする
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健康に気をつけていても、軽いケガやちょっとした体調不良をおこすこともあるでしょう。そんなときは、薬局やドラッグストアなどで市販されている医薬品(OTC医薬品)を利用し、自分で手当てするのがセルフメディケーションの考え方です。
特に難しいことはなく、お腹が痛かったら胃腸薬を飲む、軽い捻挫をしたら湿布を貼る、擦り傷ができたら絆創膏を貼るといった、これまでもみなさんが普通にやっていたことと変わりありません。以前と異なるのは、使用できる市販の医薬品(OTC医薬品)の種類が増えていること。より自分の症状に合った医薬品を選ぶことができるようになった一方で、「どの薬を使ったらいいのかわからない」と迷うこともあるでしょう。
わからないことがあったら自己判断せずに、一度薬局・薬店の薬剤師、または登録販売者に相談するようにしましょう。自分の体質や状態、症状に合った薬を適切に使用するために、かかりつけの薬局や薬剤師を決めておくのもオススメです。より適切なアドバイスが受けられるうえ、医師から処方された薬との飲み合わせによる副作用や悪影響を防ぐことができます。その際には、薬歴が一元管理されている「お薬手帳」を持参するようにしましょう。
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