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ブヨ(ブユ)による虫さされの
予防策&対処法は?

蚊、ブヨ、ハチ、ダニなどの虫が原因で、痛みやかゆみ、赤みや腫れなどがおこることを「刺虫症しちゅうしょう」といい、一般的には「虫さされ」と呼んでいます。
今回はブヨ(ブユ)による虫さされについてご紹介します。

ブヨ(ブユ)とは

ブヨ(ブユ)は小型のハエのような虫で、高原や山間部の渓流沿いに生息しています。体長は2~4mmほどで、春から秋の間に吸血と産卵を繰り返します。

日本には約60~70種ほど生息しているブヨ(ブユ)ですが、キタオオブユ、アシマダラブユ、ニッポンヤマブユなどがおもにヒトに対して吸血被害をおよぼします。朝夕に活動することが多く、露出したスネ付近をさされる人が特に多いようです。

吸血するのは産卵時のメスのみで、ノコギリ状の口で皮膚をかみ切り流れ出る血をすすります。ブヨ(ブユ)は羽音を立てずに近づくうえ、さされている時は痛みやかゆみを感じないことが多いため、さされたことにほとんど気づきませんが、吸血部に小さな出血点が見られるのが特徴です。

ブヨ(ブユ)による虫さされの症状・対処法

さされたときには異常を感じることが少なく、半日~1日後に徐々に激しいかゆみと赤い腫れが現れます。ブヨ(ブユ)は皮膚を咬んで出てきた血液を吸うため、患部に内出血ができたり、かゆみのある赤いしこりが長く残ることもあります。

さされた時に皮膚に注入される、ブヨ(ブユ)の唾液成分によるアレルギー反応で腫れやかゆみを生じるため、症状には個人差があります。皮膚がパンパンに腫れあがる人もいれば、小さな赤い腫れ程度で終わる人もいます。

ブヨ刺症
ブヨ刺症

強いかゆみや腫れなどの症状がみられるときには、ステロイド外用剤(塗り薬)が有効です。ブヨ(ブユ)による強いかゆみはしつこく続くため、つい掻きむしりたくなりますが、掻きむしって症状が悪化する前に、かゆみを抑え強い抗炎症作用のあるステロイド外用剤(塗り薬)を使用するのがポイントです。

薬局・薬店の薬剤師、または登録販売者に症状を伝え、使用できるステロイド外用剤(塗り薬)があるかどうか相談してみましょう。
薬局・薬店で購入したステロイド外用剤(塗り薬)を5~6日使用しても改善がみられない、痛みがあって腫れがひどいなど、気になる症状が現れた場合は自己判断で使用を続けず、医療機関(皮膚科)を受診しましょう。

ブヨ(ブユ)にさされないためには

ブヨ(ブユ)は高原や山間部の渓流沿いに生息するため、キャンプやハイキングなど野外レジャーの際にさされることが多いです。ブヨ(ブユ)にさされそうな場所に行く時は、できるだけ肌の露出を抑えた服装を心がけましょう。特に足元は狙われやすいので、厚手の靴下を着用したり、ズボンの裾の隙間をなくすようにしましょう。

ブヨ(ブユ)が活発になる朝夕の散策をさけたり、虫よけスプレー(※)を活用するのもよいでしょう。

※虫よけスプレーの配合成分は主に「ディート」と「イカリジン」の2種類があります。ディート製剤の場合は幼児の顔への使用、生後6ヵ月未満の乳児への使用は控えてください。

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