• 薬局・薬店で相談できる皮膚トラブル

触れると危険なやけど虫!
予防策&対処法は?

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触れたら火傷やけどあとのような水ぶくれが起こってしまう、やけど虫(正式名称:アオバアリガタハネカクシ)をご存知ですか?
今回はやけど虫による皮膚炎についてご紹介します。

やけど虫とは?

やけど虫(正式名称:アオバアリガタハネカクシ)は体長7mm程度のアリのような形をした虫で、前胸・中胸はオレンジ色、そのほかは黒色をしたツートンカラーが特徴です。

やけど虫は「ペデリン」という毒をもちますが、攻撃性はありません。ただし、露出した肌にとまったり、払いのけたりしたときに誤って触れるとペデリンを含む体液が皮膚に付着し、まるで火傷したような赤みや痛み、水ぶくれなどを起こすことから「やけど虫」と呼ばれています。

やけど虫

やけど虫による皮膚炎の症状・対処法

やけど虫の体液が付着してから、数時間から1日後に赤みと膿をもった小さなぶつぶつ(線状皮膚炎=いわゆる「みみず腫れ」)が現れます。ヒリヒリした強い痛みも徐々に強くなり、数日経つと水ぶくれができることもあります。その後、1~2週間後にかさぶたとなる場合もあり、きちんと治療しないと赤褐色の色素沈着が肌に残ってしまうことがあります。

やけど虫に触れてしまったときはこすらず、すぐに洗い流しましょう。やけど虫の体液が付着した指で目をこすると結膜炎や
角膜潰瘍かくまくかいようを引き起こす場合があるので、絶対に触らないでください。

赤みと膿をもった小さなぶつぶつ

水で洗い流した後、患部に赤みや痛み、腫れなどの炎症がみられるときには、ステロイド外用剤(塗り薬)も有効です。

薬局・薬店の薬剤師、または登録販売者に症状を伝え、使用できるステロイド外用剤(塗り薬)があるかどうか相談してみましょう。

薬局・薬店で購入したステロイド外用剤(塗り薬)を5~6日使用しても改善がみられなかったり、気になる症状が現れた場合は自己判断で使用を続けず、医療機関(皮膚科)を受診しましょう。

やけど虫の体液に触れないためには

やけど虫の体液に触れないためには、やけど虫に近づかない、触れないことが大切です。アリに似た虫が皮膚にとまっていても、決してつぶさないようにしましょう。

昼間は草むらなどの湿った場所にいるため、農作業中や菜園の手入れをしているときなどうっかり触れてしまわないように注意してください。また、ハイキングやキャンプなど夏のレジャーで肌が露出している場合も注意が必要です。

夜は光に集まってくる習性があるため、網戸をせずに窓を開けたままにしたり、玄関の扉を開けるときに室内に侵入する場合があります。網戸やネット、忌避剤などを活用してやけど虫の侵入を防ぎましょう。

卵や幼虫だけでなく死骸にもペデリンが含まれるため、やけど虫が死んで動かなくなっても決して素手では触れないでください。

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