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アブによる虫さされの
予防策&対処法は?

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蚊、ブヨ(ブユ)、ハチ、ダニなどの虫が原因で、痛みやかゆみ、赤みや腫れなどがおこることを「刺虫症しちゅうしょう」といい、一般的には「虫さされ」と呼んでいます。
今回はアブによる虫さされについてご紹介します。

人を好んで吸血するアブ

アブはハナアブのように花や果樹などの受粉を助ける「訪花性」、ヒラタアブの幼虫のようにアブラムシを食べる「捕食性」、イヨシロオビアブやアカウシアブのように家畜や人間の血を吸う「吸血性」の大きく3タイプに分けられます。

吸血性のアブでもウシアブやアカウシアブのように家畜を好むものもいれば、イヨシロオビアブやキンイロアブ、ゴマフアブのように人間を好んで吸血するものもいます。

アブ

アブが吸血する際は、鋭い口器で皮膚を咬みちぎり流れ出る血液を吸います。そのため、大人であっても耐えがたいほどの痛みが生じます。

ブヨ(ブユ)も同様に皮膚をかみ切り流れ出る血液をすすりますが、咬まれているときは痛みを感じないのが特徴です。

ブヨ(ブユ)による虫さされの予防策&対処法は?

アブによる虫さされの症状・対処法

さされたときに激しい痛みと出血を生じ、後から腫れや強いかゆみの症状が現れます。これらはアブが皮膚を咬む際に注入される唾液成分に対するアレルギー反応によるため、アブに咬まれたらなるべく早く患部をしぼり、水で洗い流すことが大切です。放っておくと腫れがどんどん増して固くなり、痛みもひどくなる場合があります。

水で洗い流した後は保冷剤等で冷やします。軽いかゆみには、市販のかゆみ止め薬を活用するとよいでしょう。かゆみが強いうえ、皮膚に赤みや腫れなどの炎症がみられるときには、ステロイド外用剤(塗り薬)も有効です。掻きすぎて傷になる前に、かゆみを抑え強い抗炎症作用のあるステロイド外用剤(塗り薬)を使用するのがポイントです。

薬局・薬店の薬剤師、または登録販売者に症状を伝え、使用できるステロイド外用剤(塗り薬)があるかどうか相談してみましょう。

薬局・薬店で購入したステロイド外用剤(塗り薬)を5~6日使用しても改善がみられなかったり、気になる症状が現れた場合は自己判断で使用を続けず、医療機関(皮膚科)を受診しましょう。

アブにさされないためには

アブによる被害が増えるのは6月から9月にかけてのレジャーシーズンです。山地の渓流沿いなどに生息し産卵後に人を襲うアブは、キャンプや川原でのバーベキューなどでも見かけることがあるため注意しましょう。

アブに有効とされる虫よけスプレー(※)を肌が露出する部分に重点的にスプレーする、蚊取り線香を焚く、虫が嫌がるハッカ油を服にスプレーする、キャンプやバーベキューをする際は湿った場所を選ばないなどの対策をとるとよいでしょう。

また、アブは黒や濃い色に反応するため、白っぽい色の長そで長ズボンなどを着用するのもおすすめです。

薬局・薬店で購入したステロイド外用剤(塗り薬)を5~6日使用しても改善がみられなかったり、気になる症状が現れた場合は自己判断で使用を続けず、医療機関(皮膚科)を受診しましょう。

※ディート製剤の場合は幼児の顔への使用、生後6ヵ月未満の乳児への使用は控えてください

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