アリによる虫さされの
予防策&対処法は?
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蚊、ブヨ(ブユ)、ハチ、ダニなどの虫が原因で、痛みやかゆみ、赤みや腫れなどがおこることを「刺虫症」といい、一般的には「虫さされ」と呼んでいます。
今回はアリによる虫さされについてご紹介します。
人を咬むアリ・毒をもつアリ
日本には280種類以上のアリがいますが、なかには人を咬んだり、毒針をもつものもいます。
イエヒメアリ
体長が2~2.5mm程度の赤褐色をしているアリで、腹部の色が濃いのが特徴です。亜熱帯で生息していたアリのため、寒さに弱く暖かい場所を好みます。雑食のため、家に侵入した場合は肉や魚、パンやお菓子を食べてしまいます。人を咬むことがあり、体質によっては咬まれたところが腫れることもあります。
ヒメアリ
イエヒメアリに非常に似た外見ですが、体長が1.5mmと小さいのが特徴です。イエヒメアリと同様に食欲が旺盛で、家に侵入するとあらゆる食べ物を食べてしまいます。人を咬むことがあり、体質によっては咬まれたところが腫れることもあります。
オオハリアリ
体長が4~4.5mm程度の黒色で細長いアリで、灰白色の微毛で覆われているのが特徴です。シロアリを捕食するため家の庭にも多く見られ、ときには家の中に侵入することもあるようです。毒針をもつため、さされると赤みや痛み、熱をもつなどの症状が現れます。
ヒアリ
体長が2~6mm程度の赤茶色をしており、強い毒と針をもった攻撃性の高い危険なアリです。元は南アフリカなどの亜熱帯地域に生息していましたが、近年は日本でも見られるようになり注意が必要です。さされると火傷のような激しい痛みを感じ、腫れや膿を生じることもあります。また、さされてから30分ほどでじんましんやめまい、吐き気、重度の発汗、低血圧、呼吸喪失といった全身症状が出る場合もあり、アナフィラキシーショックで死に至る可能性もあります。
アカカミアリ
体長が3~5mm程度でヒアリと似た見た目をしていますが、集団で移動するのが特徴です。刺激を与えると集団で咬みつき、腹部にある毒針で攻撃してきます。ヒアリほどの毒性はありませんが、咬まれると激しい痛みや腫れ、じんましんなどの症状が現れる場合があり、アナフィラキシーショックになる可能性もあるため注意が必要です。
アリにさされたときの対処法
ヒアリやアカカミアリのような毒性の強いアリにさされた場合や、アナフィラキシーショックを起こしている場合はすぐに医療機関を受診してください。
イエヒメアリやヒメアリ、オオハリアリなどにさされ、患部に赤みや痛み、腫れなどの炎症がみられるときには、ステロイド外用剤(塗り薬)も有効です。
薬局・薬店の薬剤師、または登録販売者に症状を伝え、使用できるステロイド外用剤(塗り薬)があるかどうか相談してみましょう。
薬局・薬店で購入したステロイド外用剤(塗り薬)を5~6日使用しても改善がみられなかったり、気になる症状が現れた場合は自己判断で使用を続けず、医療機関(皮膚科)を受診しましょう。
アリにさされないためには
屋外では長袖、長ズボンなどを着用し、肌の露出を少なくしましょう。屋内では、キッチンやダイニングを清潔にし、アリが侵入しないように食べ物をしっかりと保管することも大切です。
※ヒアリやアカカミアリを見つけた際は刺激せず、「環境省ヒアリ相談ダイヤル」に連絡しましょう。【環境省ヒアリ相談ダイヤル】0570-046-110