• 薬局・薬店で相談できる皮膚トラブル

ハチによる虫さされの
予防策&対処法は?

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蚊、ブヨ、ハチ、ダニなどの虫が原因で、痛みやかゆみ、赤みや腫れなどがおこることを「刺虫症しちゅうしょう」といい、一般的には「虫さされ」と呼んでいます。
今回はハチによる虫さされについてご紹介します。

ヒトをさすハチ

すべてのハチが人をさすわけではなく、おもにスズメバチ類、アシナガバチ類、ミツバチ類などに属するハチが人をさすハチとして知られています。

スズメバチ類

巣に近づいただけでも攻撃してくる危険なハチで、国内の死亡例が最も多いのがこのスズメバチ類です。なかでも被害の報告が多いオオスズメバチ、キイロスズメバチ、コガタスズメバチには近寄らないようにしましょう。山間だけでなく、神社の敷地内や民家の周辺にも巣を作ります。

スズメバチ類

アシナガバチ類

民家の軒先や庭、公園や学校の木などに巣を作るため、いるのを知らずに樹木を触ったり、洗濯物についていることに気がつかずに触ってさされることがあります。日常的に遭遇しやすいハチとして覚えておきましょう。なかでも被害の報告が多いセグロアシナガバチ、キアシナガバチ、フタモンアシナガバチ、キボシアシナガバチには要注意です。

アシナガバチ類

ミツバチ類

養蜂家以外の一般人がさされることはまれです。何もしなければ積極的にさして来ることはありませんが、巣を刺激すると攻撃されることもあるので気をつけましょう。

ミツバチ類

ハチによる虫さされの症状・対処法

ハチの毒成分の刺激により、さされた直後から激しい痛みをともなう赤い腫れが生じます。初めてさされたときは、それほどひどい症状にはいたりませんが、2回目以降はハチの毒に対するアレルギー反応によって症状が強く出たり、アナフィラキシーショックをおこす可能性があります。体調に異変を感じたり、呼吸困難、血圧低下といった全身症状が現れたら、すぐに医療機関を受診してください。

ハチによる虫さされの症状

ハチにさされたら、患部をよく洗い流し、毒嚢どくのうを圧迫しないように、毒針部分をピンセットなどで摘まんで取りのぞきましょう。ピンセットがない場合は指で毒針をはじいてもよいでしょう。アウトドア用品店などで市販されているポイズンリムーバーなどの道具があれば、皮膚内の毒をある程度吸いだすことができます。口で毒を吸いだすのは危険なので、絶対にやらないでください。

患部に腫れや痛みなどの炎症がみられるときには、ステロイド外用剤(塗り薬)も有効です。薬局・薬店の薬剤師、または登録販売者に症状を伝え、使用できるステロイド外用剤(塗り薬)があるかどうか相談してみましょう。

薬局・薬店で購入したステロイド外用剤(塗り薬)を5~6日使用しても改善がみられなかったり、気になる症状が現れた場合は自己判断で使用を続けず、医療機関(皮膚科)を受診しましょう。

初めてさされた場合でも、まれに呼吸が苦しくなったり、めまい、嘔吐、蕁麻疹じんましんなどのアナフィラキシーが疑われる症状が出現することがあります。そうした際はすぐに医療機関を受診してください。

ハチにさされないためには

ハチによる被害が増えるのは、ハチの活動が特に活発になる夏から秋にかけてです。野外で活動する際はハチに注意して行動しましょう。ハチは黒い色をめがけて攻撃してくる習性があるため、黒色の衣服やバッグを避け、白っぽい色の長そで長ズボンなどを着用するのもおすすめです。

ハチは急な動きや大きな音に反応し攻撃するのも特徴です。ハチを見つけても大きな声で叫んだり走り回ったりせず、ゆっくりとその場から離れることを意識しましょう。

ハチに刺されてアナフィラキシーを起こした経験がある人や、アナフィラキシーの危険性が高い人は、自己注射タイプの緊急治療薬を携帯することをおすすめします。専門医に相談し、指示に従ってください。

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