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ヌカカによる虫さされの
予防策&対処法は?

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蚊、ブヨ、ハチ、ダニなどの虫が原因で、痛みやかゆみ、赤みや腫れなどがおこることを「刺虫症しちゅうしょう」といい、一般的には「虫さされ」と呼んでいます。
今回はヌカカによる虫さされについてご紹介します。

ヌカカとは

「ぬかのように小さな蚊」という名前の由来にもある通り、ヌカカは体長1~2mmのとても小さな昆虫です。単体よりも集団で行動することが多く、羽をたためば服の隙間からも侵入できるのが特徴です。
国内には約40種類のヌカカが生息するなか、ニワトリヌカカ、シナノヌカカ、イソヌカカなどが吸血するヌカカとして知られています。吸血するのはメスのみで、皮膚を咬んで出てきた血を吸います。

ヌカカ

国内に広く生息し、春から秋にかけて海や川、沼や田、渓流などの水辺に現れて家畜や人を吸血します。6月の梅雨どきから9月ごろまでが最も活動が盛んになるため、野外の水辺付近で活動する際は注意しましょう。朝方と夕方に活動し、特に朝方は活性化します。飛行能力が低いため、風が強いときなどは被害のリスクが下がります。

ヌカカによる虫さされの症状・対処法

ヌカカにさされた直後はまったく気づかないか、チクチクとした軽い痛みを感じる程度で小さな出血斑が見られますが、それ以外の症状はほとんどありません。翌日以降になって、さされたときに注入されたヌカカの唾液成分により強いかゆみに襲われます。このかゆみは蚊にさされた時とは比べものにならないほど長く続くのが特徴で、1週間程度から酷い場合には1か月近く続くこともあります。

集団で行動するヌカカに襲われた場合は、一度に数十か所をさされることもあり、かゆみも広範囲に及ぶため、我慢できずにかきむしり悪化させてしまうケースも多いようです。ヌカカにさされたことにすぐに気づいた際は患部を水で洗い流し、皮膚についたヌカカの唾液成分を落とすことでかゆみを和らげることができます。

さされてから時間が経ち、すでにかゆみや腫れが出ている場合はタオルに包んだ保冷剤などで患部を冷やし、かゆみを和らげましょう。

患部にかゆみや腫れなどの炎症がみられるときには、ステロイド外用剤(塗り薬)も有効です。薬局・薬店の薬剤師、または登録販売者に症状を伝え、使用できるステロイド外用剤(塗り薬)があるかどうか相談してみましょう。

薬局・薬店で購入したステロイド外用剤(塗り薬)を5~6日使用しても改善がみられなかったり、気になる症状が現れた場合は自己判断で使用を続けず、医療機関(皮膚科)を受診しましょう。

ヌカカにさされないためには

ヌカカが活発に活動する6月から9月ごろまでは水辺に近づかないことが一番の対策になりますが、アウトドアでのレジャーなどでやむを得ず水辺の近くに行く場合は長そで長ズボンを着用し、なるべく肌の露出を抑えるようにしましょう。

それでもヌカカはわずかな隙間から衣服のなかに入ってくるので、首元にタオルを巻いたり、目の細かいアームカバーをつけたり、頭髪に入らないように帽子をかぶると良いでしょう。虫が嫌う成分が配合された虫よけスプレー(※)を使用するのも有効です。

※虫よけスプレーの配合成分は主に「ディート」と「イカリジン」の2種類があります。ディート製剤の場合は幼児の顔への使用、生後6ヵ月未満の乳児への使用は控えてください。また、高濃度(30%)のものは日本では12歳未満への使用が禁止されています。イカリジンは小児への使用制限がなく、顔も含めて使用できます。

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