ヒルに血を吸われたらどうなる?
予防策&対処法は?

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蚊、ブヨ、クモ、ハチなどの虫が原因で、痛みやかゆみ、赤みや腫れなどがおこることを「刺虫症」といい、一般的には「虫さされ」と呼んでいます。
今回はヒルによる虫さされについてご紹介します。
人の血を吸うヒル
日本にはおよそ60~70種類のヒルが生息すると言われており、その中でも山林に生息する「ヤマビル」や池や水田などに生息する「チスイビル」などが人の血を吸うヒルとして知られています。
ヤマビル
通常時の体長は2~5cmで、伸びると5~7cmになります。頭部と尾部の吸盤を使ってしゃくとりむしのように移動し、人や動物によじ登って吸血します。日陰の湿った環境を好み、山林内の落ち葉がたまった場所に生息しています。4月から11月までが活動期で、特に湿度が高くなる6月から9月に活発になります。

チスイビル
通常時の体長は3~4cm程度で、2倍に伸びることもあります。細長くて緑灰色をした体に数本の濃い縦線が入っているのが特徴です。池や沼、田んぼといった水のあるところに生息し、平たい体を縦に波立たせて泳ぎながら人や魚にくっつき吸血します。4月から11月までが活動期です。

ヒルによる虫さされの症状・対処法
ヒルの唾液には、血を固まりにくくし痛みを感じないようにする「ヒルジン」などの物質が含まれるため、吸血されても気づかず血が出続けます。吸血に気づいたらすぐにヒルを取り除き(※)、患部をしぼってヒルの唾液を含んだ血を出したのち、水で洗い流しましょう。
いつまでも血が止まらない、発熱などの症状が治まらない、などの場合は、医療機関(皮膚科)の診察を受けることをおすすめします。
かゆみや腫れなどの炎症がみられるときには、ステロイド外用剤(塗り薬)も有効です。薬局・薬店の薬剤師、または登録販売者に症状を伝え、使用できるステロイド外用剤(塗り薬)があるかどうか相談してみましょう。
薬局・薬店で購入したステロイド外用剤(塗り薬)を5~6日使用しても改善がみられない、気になる症状が現れた、などの場合は自己判断で使用を続けず、医療機関(皮膚科)を受診しましょう。
※ヒルを取り除く際は、虫除け剤をスプレーすれば簡単にとることができます。ヒルに吸血されないためには
ヒルは足元の隙間から侵入するため、ヒルに遭遇しやすい山でのハイキングや釣りなどに出かける際は必ず靴下をはくようにしてください。ズボンの裾を靴下の中に入れるとより効果的です。
時々、足元にヒルが付着してないかどうか、また、靴の中にヒルがもぐりこんでいないかどうかをチェックしてください。休憩などで座るときは、周囲にヒルがいないかよく確認しましょう。