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クモに咬まれたらどうなる?
予防策&対処法は?

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蚊、ブヨ、クモ、ハチなどの虫が原因で、痛みやかゆみ、赤みや腫れなどがおこることを「刺虫症しちゅうしょう」といい、一般的には「虫さされ」と呼んでいます。
今回はクモによる虫さされについてご紹介します。

毒をもつクモ

日本には1,000種ほどのクモが存在し、すべてのクモが人をかむわけではありませんが、カバキコマチグモやセアカコケグモ、ハイイロゴケグモといった毒をもつクモには注意が必要です。

カバキコマチグモ

オスもメスも毒をもち、体長は1.0~1.5cmの大きさです。在来種のうち最も毒性が高いクモで、クモの巣は張らず、イネ科の葉を巻いて巣を作ります。6~9月に出現し、平地や山地、河原の茂みなどに広く生息しています。全体的には茶褐色をしていて、頭胸部は褐色、上下のあごから口にかけては黒色で、牙が大きく目立っているのが特徴です。積極的に攻撃してくるクモではないので、刺激をしないようにしましょう。

カバキコマチグモ

セアカゴケグモ

毒をもつのはメスのみで、体長は0.7~1.0cmの大きさです。全体が光沢のある黒色をしており、丸い腹部の背面に赤色の縦すじが入っているのが特徴です。プランターと壁の隙間、花壇のブロックのくぼみ、排水口の側面やふたの裏、自動販売機や室外機の裏、廃タイヤの内側、遊具やベンチの裏といったあらゆるところに生息するので注意が必要です。攻撃性は少ないため、刺激しないかぎりは人をかむことはありません。

セアカゴケグモ

ハイイロゴケグモ

毒をもつのはメスのみで、体長は0.6~1.0cmの大きさです。体色は茶色や灰色、黒色といったように個体差があります。丸い腹部の背面には縁取りのある斑紋が多数あり、腹面には赤色の模様があります。セアカゴケグモと同様に地面や人工物のあらゆるくぼみや穴に生息していますが、攻撃性は少ないため、刺激しないかぎりは人をかむことはありません。

ハイイロゴケグモ

クモによる虫さされの症状・対処法

咬まれた直後は針に刺されたような痛みが走り、クモの毒成分の刺激により、痛みや腫れなどの症状が出ます。

症状の程度には個人差がありますが、一時的なものが多いため数日で治まります。ただし、セアカゴケグモのような毒性の強いクモに咬まれた場合は呼吸困難などの全身症状が出ることもあるので注意が必要です。咬まれたとわかったらすぐに医療機関を受診してください。

クモに咬まれたときはすぐに患部を流水で流し、傷口を優しく洗いましょう。痛みが強い場合には冷却材などで十分に冷やしてください。患部に腫れや痛みなどの炎症がみられるときには、ステロイド外用剤(塗り薬)も有効です。薬局・薬店の薬剤師、または登録販売者に症状を伝え、使用できるステロイド外用剤(塗り薬)があるかどうか相談してみましょう。

薬局・薬店で購入したステロイド外用剤(塗り薬)を5~6日使用しても改善がみられない、気になる症状が現れた、などの場合は自己判断で使用を続けず、医療機関(皮膚科)を受診しましょう。

クモに咬まれないためには

クモに咬まれないためには、クモが生息するような場所に近づかないことが大切です。やむを得ない場合は長袖・長ズボン・軍手を着用するなど、肌を露出しないようにしましょう。

また、クモの巣を見つけても素手で触ったり捕まえたりしないように注意しましょう。クモの生息しそうな排水溝や室外機の裏などはこまめに清掃し、クモが住みにくい環境を作るのも有効です。

多くのクモは攻撃性が少ないため、こちらから刺激しなければ咬まれることはありません。

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