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口角炎・口唇炎こうしんえんとは?
予防策&対処法は?

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乾燥しやすく、荒れやすい口まわり。特に乾燥する季節に「口角が切れて痛い」、「唇全体が腫れて痛い」といった悩みを抱える人も少なくありません。今回は口まわりのトラブルで多い「口角炎」と「口唇炎こうしんえん」についてご紹介します。

口角炎・口唇炎こうしんえんとは?

「口角炎」と「口唇炎こうしんえん」は、どちらも唇に炎症が起こる病気です。

「口角炎」は口の端(口角)だけに炎症やひび割れが出るのが特徴です。口を開けると傷が広がって、痛みが強くなることもあります。一方、「口唇炎こうしんえん」は唇全体や一部に炎症が生じ、赤み・腫れ・ひび割れ(ひび)・皮むけなどがみられます。

「口角炎」と「口唇炎こうしんえん」が一緒におこることも少なくありません。

(上)カンジダ性口角炎
(下)口唇炎

口角炎・口唇炎こうしんえんに似た症状の疾患

口内炎

口の中(頬の内側、舌、歯ぐきなど)にできる炎症です。小さなただれや水ぶくれができ、食事や会話のときに痛みが出ます。疲れや免疫力の低下、栄養不足などが関係します。

口唇こうしんヘルペス

単純ヘルペスウイルスによる感染症で、唇やその周りに小さな水ぶくれができ、ピリピリ・チクチクした痛みやかゆみをともないます。免疫力が落ちたときに再発しやすいのが特徴です。

口角炎・口唇炎こうしんえんの症状

口角炎の症状

口角に赤みや亀裂ができ、かさぶたになったり、ただれたりします。乾燥や唇を動かすことで亀裂が広がり、強い痛みをともなうこともあります。口を開ける、食べる、話すといった日常の動作で傷口が広がるため、治りにくく繰り返しやすい点も口角炎の特徴です。

口唇炎こうしんえんの症状

唇全体が乾燥してカサカサになり、皮がむけたり出血したりすることがあります。赤みや腫れ、かゆみ、ヒリヒリ感が出ることもあり、見た目にも目立ちやすいのが特徴です。重症化すると唇がただれたり小さな水ぶくれができたりすることもあり、食事や会話に支障が出ることも少なくありません。

口角炎・口唇炎こうしんえんの原因

口角炎や口唇炎こうしんえんは、さまざまな要因が重なっておこります。もっとも多いのは乾燥や刺激によるもので、空気が乾燥する季節や唇をなめる癖がある場合、口角や唇の水分が失われやすく、皮膚が荒れて炎症をおこしやすくなります。また、リップクリームや洗顔料などの身近な製品の成分が刺激となって炎症が悪化することもあります。

栄養状態も関係しており、特に鉄分やビタミンB2・B6が不足すると、皮膚や粘膜の修復力が弱まり、炎症が長引きやすくなります。

そのほか、カンジダ菌や細菌の感染が関与する場合もあり、特に免疫力が下がっていると炎症が強く出たり治りにくくなったりすることがあります。アトピー性皮膚炎やアレルギー体質を持っている人も、もともと皮膚のバリア機能が弱いため、口角炎や口唇炎こうしんえんがおこりやすい傾向があります。

口角炎・口唇炎こうしんえんの予防・対処法

1口の中と口のまわりを清潔に保つ

口のまわりで雑菌が繁殖するのを防ぐため、つねに清潔に保ちましょう。歯磨きやうがいをしっかり行い、口内を清潔にしておくことも大切です。歯磨き粉のすすぎ残しが口角に残らないように注意しましょう。

2唇をなめたり触ったりしない

唇が乾燥していると無意識に舌でなめてしまいがちですが、唾液の水分がすぐに蒸発し、さらなる乾燥をうながします。また、唾液が刺激となり口角炎や口唇炎こうしんえんができやすくなることもあるため注意しましょう。すでに炎症している部分を触るのも悪化の原因になるので、できるだけ触らないようにしましょう。

3唇の保湿ケアをする

唇の乾燥は炎症の大きな原因になります。ワセリンやリップクリームで保湿を心がけましょう。紫外線が多い季節は、日焼けによって唇の乾燥が進むこともあります。外出時にはUVカット機能つきのリップクリームを使用して予防しましょう。

4ビタミンを意識してとる

ビタミンB2やB6は唇の健康を保つうえで大切です。ヨーグルトや卵、ほうれん草、魚や肉、豆類などを食事に取り入れてみましょう。

5ストレスや疲れをためない

強いストレスや疲れは免疫力を下げ、口角炎や口唇炎こうしんえんを悪化させる原因になります。疲れを感じたら早めに休み、運動や趣味の活動などでリフレッシュする時間を作ってストレスをためないようにしましょう。

6市販薬で症状をおさえる

口角炎や口唇炎こうしんえんによるかゆみや炎症をともなう場合は、ステロイド外用剤(塗り薬)で治療するのも有効です。自分の症状に適したステロイド外用剤(塗り薬)がわからない場合は、薬局・薬店の薬剤師、または登録販売者に症状を伝え、相談してみましょう。

保湿剤と併用する際には、塗る面積の広い保湿剤を先に塗り、後からステロイド外用剤(塗り薬)を患部だけに塗りましょう。正常な皮膚にまでステロイド外用剤(塗り薬)を塗り広げてしまうことを防ぐためです。

薬局・薬店で購入したステロイド外用剤(塗り薬)を5~6日使用しても改善がみられない場合は自己判断で使用を続けず、医療機関(皮膚科)を受診しましょう。

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