保湿剤の種類と使い方
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保湿剤とひとことで言っても、さまざまな種類があり、それぞれに特徴が異なります。今回は保湿剤の種類と使い方についてご紹介します。
「モイスチャライザー」と「エモリエント」
保湿剤は「モイスチャライザー」と「エモリエント」の2つに分類されます。
- モイスチャライザー
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尿素、ヘパリン類似物質、セラミド、水溶性コラーゲン、ヒアルロン酸、アミノ酸などの吸水性、吸湿性をもつ成分が配合され、角層に直接水分を与えることで保湿をはかるもの
- エモリエント
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ワセリン、オリーブ油、ツバキ油、スクワランなどの油性成分を配合し、その皮膜を角質表面に作ることによって水分の蒸散をおさえるもの
主成分からみた保湿剤の特徴
保湿剤の主成分として、おもにワセリン、ヘパリン類似物質、尿素が挙げられます。それぞれの特徴を参考に、症状や塗布する部位に適したものを選びましょう。
- おもな保湿剤の長所・短所および効能・効果
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※横にスクロールしてください
長所 短所 主な効能または効果 ワセリン コストが安い
刺激感が少ないべたつきがある 皮膚保護剤 ヘパリン類似物質 保湿効果が高い
べたつきが少ない
塗りやすい種類によりわずかな
においがある皮脂欠乏症、凍瘡、
傷痕・火傷痕・ケロイドの
治療と予防ほか尿素 保湿効果が高い
べたつきが少ない炎症部位に塗ると刺激感が
あるため小児には向かない老人性乾皮症、
アトピー皮膚、魚鱗癬ほか - おもな保湿剤主成分の作用比較
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※横にスクロールしてください
角層柔軟化作用※ バリア機能補強作用 水分保持作用 ワセリン ヘパリン類似物質 尿素
保湿剤の適量と使い方
- 軟膏やクリーム(チューブ)の場合
- 大人の人差し指の先から第1関節に薬をのせた量(約0.5g=1FTUと呼びます)を大人の手のひら2枚分くらいの面積に塗ることができます(体表面積の約2%)。
※チューブの大きさにより異なる場合があります。
- クリーム(瓶)の場合
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大人の人差し指の先から第1関節の半分まで薬をのせた量が1FTU(約0.5g)に相当し、大人の手のひら2枚分くらいの面積に塗ることができます。
- ローションタイプの場合
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1円玉大が1FTU(約0.5g)に相当し、大人の手のひら2枚分くらいの面積に塗ることができます。
- 擦り込まないようにしましょう。
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指にとった保湿剤を患部に置き、手のひらを使ってこすらずやさしく皺に沿って塗り広げます。塗った後の肌がテカるくらいが目安です。
※保湿剤は皮膚が水分を吸収している入浴後に塗るのが効果的です。
できれば入浴後5分以内に、早めに塗るようにしましょう。
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