• 薬局・薬店で相談できる皮膚トラブル

デリケートエリアに
ステロイド外用剤(塗り薬)は
使える?

デリケートエリアのかゆみや赤みを早く治したいけれど、ステロイドって使っていいの? そんな悩みをお持ちの方に、デリケートエリアでのステロイド外用剤(塗り薬)の使用についてご紹介します。

デリケートエリアは薬を吸収しやすい

同じ薬を使っても、身体の塗る部位によって皮膚からの吸収のしやすさには差があります。なかでも、デリケートエリアは身体のほかの部位よりも薬を吸収しやすいことがわかっています。

腕の内側における「薬の吸収のしやすさ」を1.0としたときに、デリケートエリアの陰嚢は42.0で、腕の内側に比べて42倍も薬を吸収しやすいといえます。

ヒトにおけるヒドロコルチゾンの部位別経皮吸収率
「身体の各部位のステロイドの吸収の違いは?」

デリケートエリアにステロイド外用剤(塗り薬)を使用する際の注意点

薬の吸収力が高いデリケートエリアでも、症状によってはステロイド外用剤(塗り薬)での治療が有効な場合もあります。ただし、長期にわたって使用するのは厳禁です。

デリケートエリアにステロイド外用剤(塗り薬)を使用する際の目安

有毛部
大人の手のひら2枚分までの患部に1FTU(ローションの場合:1円玉大くらいの大きさの量、軟膏・クリームの場合:大人の人差し指の先から第1関節に薬をのせた量)を塗ることができます。
陰嚢
500円玉大までの患部に薬剤をチョンと乗せる程度で留めておきましょう。
粘膜(肛門、亀頭、小陰唇より内側)
自己判断で使用せず、医療機関(皮膚科)を受診しましょう。

また、デリケートエリアの有毛部にはローションタイプのステロイド外用剤(塗り薬)が適しています。

「ローションは軟膏やクリームと何が違うの?」

自分の症状に適したステロイド外用剤(塗り薬)がわからない場合は、薬局・薬店の薬剤師、または登録販売者に症状を伝え、相談してみましょう。

薬局・薬店で購入したステロイド外用剤(塗り薬)を5~6日使用しても改善がみられない場合は自己判断で使用を続けず、医療機関(皮膚科)を受診しましょう。

デリケートエリアの肌を刺激しないように日常でできること

「薬の吸収のしやすさ」でもわかるように、デリケートエリアはほかの部位よりも皮膚が薄く繊細です。摩擦や汗などのちょっとした刺激でも皮膚のバリア機能が低下し、肌トラブルをおこす可能性があるため、日頃から下着や服装を意識することも大切です。

ジャストサイズの下着を着用し、締め付けすぎない服装を選ぶ
肌と下着の摩擦を小さくするために、ジャストサイズの下着を着用しましょう。小さいサイズの下着を着用すると摩擦が大きくなってしまうため、肌への負担がかかります。また、タイトなパンツスタイルなどで下着まわりを締め付けすぎないように意識しましょう。
通気性や吸湿性の良い素材の下着を着用する
デリケートエリアが蒸れたり過剰な刺激を受けないように、コットンなどの通気性の良い素材の下着を選びましょう。デリケートエリアの衛生環境を保つために、こまめに下着を変えることも大切です。
左図:コットンなどの通気性の良い素材 右図:締めずぎないパンツスタイル

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