知っておきたい「化粧品かぶれ」

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「これまでは大丈夫だったのに、なんだか突然フェイスラインに赤みやかゆみが出てきた」なんてことはありませんか?それはもしかすると「化粧品かぶれ」かもしれません。とくに最近化粧品を変えた方は要注意。
今回は化粧品かぶれについて、原因や対処法をご紹介します。
化粧品かぶれとは
化粧品かぶれは「接触性皮膚炎」の一種です。接触性皮膚炎とは、何らかの刺激物質やある特定の物質が皮膚に触れたときにおきる皮膚炎のことで、化粧品に含まれる成分が原因となって赤みやかゆみ、ブツブツなどの症状がでることを化粧品かぶれといいます。
接触性皮膚炎には、原因となる物質が肌に触れて刺激を与えることでおこる「刺激性接触皮膚炎」と、原因となる物質に接触したときにアレルギー反応がおこる「アレルギー性接触皮膚炎」があります。
かぶれをおこしやすい成分
かぶれは化粧水や美容液などの基礎化粧品、ファンデーションやアイシャドウなどのメイクアップ化粧品だけでなく、洗顔料、クレンジング剤、香水、リップクリーム、シャンプーやヘアカラー剤など、あらゆる化粧品・日用品に含まれる成分でおこる可能性があります。
なかでも、多くの化粧品に含まれる「香料」や「色素」、洗顔料やシャンプーなどに含まれる「界面活性剤」、口紅やヘアケア製品に含まれる「ラノリンアルコール」、ヘアカラーやヘアダイなどに含まれる「PPDA(パラフェニレンジアミン)」はかぶれをおこしやすい成分として注意が必要です。
化粧品かぶれを調べる「使用テスト」
かぶれが気になるときや新しい化粧品を使い始めるときは、「使用テスト」を行いましょう。医療機関では「パッチテスト」と呼ばれる検査を行いますが、自宅で簡易的に化粧品かぶれを調べる際は以下の手順を参考にしてください。
- 入浴後などの清潔な状態で化粧品を二の腕の内側のやわらかい部分に塗り(※10円玉くらいの大きさをめどにしてください)、30分ほど経ってから様子をみます。
- 肌に異常がみられないようであれば、汗などで濡れないように注意しながら24時間放置して、赤みやかゆみ、腫れが出ないか確認します。
- 4日間ほど同じところに1日1回塗り、問題がないようであればフェイスラインに少量を塗り、赤みやかゆみが出ないかチェックします。途中で赤みやかゆみが出た場合はすぐにテストを中止し、反応が出た化粧品の使用を避けましょう。
化粧品かぶれの対処法
1症状が出たら、すぐに原因となる物質を取り除く
どの化粧品でかぶれたのかわかっている場合は、原因となった化粧品をすぐに洗い流しましょう。ゴシゴシと洗い流すのではなく、肌に刺激を与えないようにやさしく洗い流すようにしてください。水で取り除けない場合は、低刺激性の石鹸をよく泡立てて洗い流します。
それでも症状がおさまらなかったり、悪化した場合は医療機関(皮膚科)を受診しましょう。
2市販薬で症状をおさえる
原因がはっきりしている化粧品かぶれについては、市販されているステロイド外用剤(塗り薬)が有効な場合もあります。薬局・薬店の薬剤師に考えられる原因と症状を伝え、使用できるステロイド外用剤(塗り薬)があるか相談してみましょう。
原因がわからない、症状が広範囲にわたっている(※1)、腫れやかゆみが強い、薬局・薬店で購入したステロイド外用剤(塗り薬)を5日~6日使用しても改善がみられない場合は自己判断で治療を続けず、医療機関(皮膚科)を受診しましょう。
なお、マイルドランク(※2)以上のステロイド外用剤(塗り薬)を顔などに使用する場合500円玉より大きいサイズの患部には使用しないでください。
※1「広範囲」とは=症状が大人の手のひら2枚分以上の範囲にわたっていることを指します。顔などの場合は、症状が500円玉の大きさ程度以上の範囲にわたっていることを指します。
※2 ステロイド外用剤(塗り薬)は作用する強さによって「ウィーク」から「ストロンゲスト」まで、5段階に分類されます。