汗による皮膚トラブルの対処法
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体温調節に欠かせない重要な機能を担っている「汗」ですが、大量にかくと皮膚トラブルの原因にもなりかねません。今回は汗による皮膚トラブルについて、症状や対処法をご紹介します。
汗による皮膚トラブルとは?
- あせも
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汗を排出する「汗管」に汗がつまって排出されないまま、肌の内側にとどまることで生じる発疹(赤いブツブツ)を「あせも」といいます。大量の汗をかいたときにおこりやすい症状です。
- 汗かぶれ(汗による接触皮膚炎)
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汗に含まれる塩分やアンモニアなどの成分が肌を刺激することで、皮膚が荒れたり、かぶれた状態になることを「汗かぶれ=汗による接触皮膚炎」といいます。
- 異汗性湿疹(汗疱)
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春、夏の汗のかきやすい時期に手足の指や手のひら、足の裏にかゆみや痛みをともなう水ぶくれが突然たくさんできることを「異汗性湿疹(汗疱)」といいます。
汗による皮膚トラブルの予防・対処法
- 汗をかいたままの肌を放置しない
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汗をかいたらタオルでこまめに拭き取る、外出時には汗を拭くためのウェットティッシュやボディシートを携帯する、大量に汗をかくような屋外レジャーに参加する際は着替えの衣類を持っていく、汗をかいて帰宅したらシャワーで軽く洗い流す、下着や肌着には通気性がよく吸汗・速乾性のある素材を選ぶなど、日頃から意識しましょう。
- ローションタイプのステロイド外用剤(塗り薬)で症状をおさえる
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かゆみが強く我慢できない場合は、掻きすぎて症状を悪化させないためにも、かゆみを抑え強い抗炎症作用のあるステロイド外用剤(塗り薬)による早めの対処が有効です。
汗をかきやすい部位に使用したり、汗ばむ季節に使用する際は、軟膏やクリームのものよりも、伸びがよくさらっとした使用感のローションが適しています。
水分が多く気化しやすいローションは、気化熱(汗の水分が蒸発する際に皮膚表面の熱を奪う現象のこと)で皮膚表面の温度を下げてくれるうえ、油分が少ないために薬がべとつかず、汗をかいてもさらっとした状態で皮膚に残ります。そのため、軟膏やクリームのものと比べても、汗をかく時期に使いやすいといえるでしょう。
若干の刺激性があるため、湿ってジュクジュクしている患部には適していませんが、軟膏やクリームが塗りにくい頭皮などの有毛部にも適しています。
ほかにも、デリケートエリア(※)のかぶれや、ベタつく軟膏やクリームが使いにくい背中・おなか・腕の湿疹、皮膚炎などにもローションは適しています。
ローションは軟膏やクリームと何が違うの?自分の症状に適したステロイド外用剤(塗り薬)がわからない場合は、薬局・薬店の薬剤師、または登録販売者に症状を伝え、相談してみましょう。
薬局・薬店で購入したステロイド外用剤(塗り薬)を5~6日使用しても改善がみられない場合は自己判断で使用を続けず、医療機関(皮膚科)を受診してください。
※デリケートエリアにステロイド外用剤(塗り薬)を使用する際の目安- 有毛部:大人の手のひら2枚分までの患部に1FTU(ローションの場合:1円玉大くらいの大きさの量、軟膏・クリームの場合:大人の人差し指の先から第1関節に薬をのせた量)を塗ることができます。
- 陰嚢:500円玉大までの患部に薬剤をチョンと乗せる程度で留めておきましょう。
- 粘膜(肛門、亀頭、小陰唇より内側):自己判断で使用せず、医療機関(皮膚科)を受診しましょう。
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