花粉による皮膚炎とは?

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季節を問わず、さまざまな種類の花粉が一年中飛散していますが、なかでも春先にピークが訪れるスギやヒノキに悩まされている人は多いようです。
目のかゆみやくしゃみ・鼻水といった症状で知られる花粉によるアレルギーですが、それ以外にも、肌荒れや湿疹、皮膚炎などの症状を引きおこすこともあるため、「毎年同じ時期になると、肌荒れや湿疹、皮膚炎があらわれる」とお悩みの方は「花粉による皮膚炎」を疑っても良いかもしれません。
今回は花粉による皮膚炎についてご紹介します。
花粉症の原因となるおもな植物
日本では花粉症の原因として約50種類の植物が報告されていますが、なかでも花粉症全体の約70%を占めると推察されているのがスギです。また、関東・東海地方ではヒノキ科花粉が多く飛散することがあったり、北海道や沖縄といったスギの飛散がきわめて少ない、あるいはスギがまったく生息しない地域もあります。

花粉による皮膚炎は、何らかの物質が接触したときにアレルギー反応をおこす「アレルギー性接触皮膚炎」の一種であり、特定の物質(この場合は特定の植物の花粉)に対するアレルギー反応を獲得した人が発症します。アレルギー性接触皮膚炎では、かゆみやヒリヒリするような痛みをともなったり、皮膚が赤く腫れあがったり、水ぶくれやただれ、ブツブツなどの症状がみられます。
花粉による皮膚炎の予防・対処法
- 花粉に直接触れない
- 原因となる花粉が皮膚に直接触れないようにします。帰宅時は家に入る前に服についた花粉をはらい、顔や手をよく洗いましょう。洗濯物や寝具を外に干さない、窓を開けたままにしないなどの心がけも大切です。
- 顔のかぶれには、刺激の少ないケアを
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顔がかぶれている場合、洗顔は水かぬるま湯で行うようにしましょう。症状が強い場合はメイクを控え、スキンケアの際はコットンなどで肌をこすらず、なるべく手で行うように心がけてください。
ただし、症状が500円玉の大きさ程度以上の範囲にわたっている場合は医療機関(皮膚科)を受診しましょう。
- 市販薬で症状をおさえる
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かゆみや炎症をともなう場合は、ステロイド外用剤(塗り薬)で治療するのも有効です。自分の症状に適したステロイド外用剤(塗り薬)がわからない場合は、薬局・薬店の薬剤師、または登録販売者に症状を伝え、相談してみましょう。
薬局・薬店で購入したステロイド外用剤(塗り薬)を5~6日使用しても改善がみられない場合は自己判断で使用を続けず、医療機関(皮膚科)を受診しましょう。