• 薬局・薬店で相談できる皮膚トラブル

「かゆみループ」に陥らないために気をつけること

湿疹、皮膚炎などのかゆみをともなう皮膚トラブルは、かゆくてかいてしまったり、気をつけていても無意識にかくことで、症状がますます悪化してしまいます。

かゆみをコントロールできずにかき続ける「かゆみループ」に陥らないためにも、気をつけるべきことをご紹介します。

「かゆみループ」とは?

湿疹、皮膚炎などでかゆみをともなう症状があるときに、かゆみを我慢できずにかいてしまうと、肌のバリア機能が壊れて炎症が悪化し、さらにかゆくなってしまいます。そうして再びかくことで炎症を招き、症状はどんどん悪化してしまいます。これを「かゆみループ」といいます。

かゆみループ

かゆみや炎症を早期に抑えることが大切

「かゆみループ」に陥ると治療が長引くだけでなく、かき壊れた部分に細菌が増殖し化膿しやすい状態になったり、治ってからも傷跡が残ってしまうことがあります。「かゆみループ」に陥る前に、ステロイド外用剤(塗り薬)で症状を早期に抑えることが大切です。

ステロイド外用剤(塗り薬)が使われる皮膚の病気は?

症状によっては、薬局・薬店で購入できる薬で対処することが可能な場合もあります。

皮膚に赤みや腫れなどの炎症をおこしている場合は、「ステロイド薬」のみが含まれているものを使用します。炎症に加えて、湿疹、皮膚炎やかぶれなどの強いかゆみをともなう症状がある場合は、「ステロイド薬」と「かゆみ止め」が含まれているものを使用すると良いでしょう。皮膚がジュクジュクと化膿している場合には、細菌の増殖を防ぐ働きのある「抗生物質」が配合されたステロイド外用剤(塗り薬)が有効です。

化膿していない患部に抗生物質が配合されているステロイド外用剤(塗り薬)を使用すると接触皮膚炎をおこす可能性や、耐性菌(※)を増やす可能性があります。化膿していない患部には抗生物質未配合のステロイド外用剤(塗り薬)を使用しましょう。 ※ 耐性菌:抗生物質を使い続けることで、薬に対する細菌の抵抗力が高まり、薬が効きにくくなることがあります。このように薬に対して耐性をもった細菌のことを「耐性菌」といいます。

市販されているステロイド外用剤(塗り薬)の3つのタイプとは?

患部の状態に応じてステロイド外用剤(塗り薬)を使い分けることが大事ですが、適したステロイド外用剤(塗り薬)がわからない場合は、薬局・薬店の薬剤師、または登録販売者に症状を伝え、相談してみましょう。

薬局・薬店で購入したステロイド外用剤(塗り薬)を5~6日使用しても改善がみられない場合は自己判断で使用を続けず、医療機関(皮膚科)を受診しましょう。

かゆみを悪化させる行動を控える

かゆみを感じた際は、以下のようなかゆみを悪化させる行動を控えることも重要です。

  • 汗をかいたまま放置する
  • サウナなどで急速に身体をあたためる
  • アルコール類や香辛料をとる
  • 下着などで肌を圧迫する
  • ストレスや睡眠不足などの不規則な生活
  • 不衛生な居住空間

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