猛暑で増加する大人のあせも
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赤ちゃんや小児によく見られる「あせも」の症状ですが、近年の猛暑などにより、あせもに悩まされる大人や高齢者も増えています。
「あせも」とは、汗を大量にかいたまま放置したときにおこる小さな水ぶくれやかゆみといった肌のトラブル「汗疹」のことをいいます。今回はあせも(汗疹)について、その原因や対処法をご紹介します。
あせもの原因
汗には「体温の調節機能」という重要な役割があります。気温が上昇したり、運動や発熱で体温が高くなったときに私たちは汗をかきますが、その汗が皮膚の表面で蒸発するときに熱が奪われることで体温をさげ、平熱を保つことができます。
汗をかかないと熱が身体のなかにこもってしまうため、汗をかくことは人の身体にとって、とても重要な機能といえるのです。
しかし、大量に汗をかいたときは、汗を排出する「汗管」が一時的につまってしまい、汗がスムーズに排出されないことがあります。汗管につまって排出されないまま、汗が肌の内側にとどまることで生じるさまざまなトラブルを「あせも」といいます。
あせもにはいくつかのタイプがありますが、一般的に「あせも」と言ったときは、かゆみをともなう赤いブツブツができる「紅色汗疹」を指すことが多いです。
あせも予防は「汗を放置しない」こと
あせもは、発熱、高温多湿下での運動、通気の少ない衣類の着用といった、汗を大量にかきやすくなる環境で発生します。
できやすい部位
- 顔や額、首
- 脇の下
- ひじやひざの裏
- 脚の付け根や股間
- 湿布や包帯をつけている部位
あせもを防ぐには、汗をかいたときに放置しないことが重要です。
日頃から以下の点を意識しましょう。
- 汗をかいたらタオルでこまめに拭き取る
- 外出時には汗を拭くためのウェットティッシュやボディシートを携帯する
- 大量に汗をかくような屋外レジャーに参加する際は着替えの衣類を持っていく
- 汗をかいて帰宅したらシャワーで軽く洗い流す
- 下着や肌着には通気性がよく吸汗・速乾性のある素材を選ぶ
- 室内で暑さを感じたときは、我慢せずにエアコンをつける
あせもができたときには?
かゆみが強く我慢できない場合は、掻きすぎて症状を悪化させないためにも、かゆみを抑え強い抗炎症作用のあるステロイド外用剤(塗り薬)による早めの対処が有効です。
汗をかきやすい部位に使用したり、汗ばむ季節に使用する際は、軟膏やクリームのものよりも、伸びがよくさらっとした使用感のローションが適しています。
水分が多く気化しやすいローションは、気化熱(汗の水分が蒸発する際に皮膚表面の熱を奪う現象のこと)で皮膚表面の温度を下げてくれるうえ、油分が少ないために薬がべとつかず、汗をかいてもさらっとした状態で皮膚に残ります。そのため、軟膏やクリームのものと比べても、汗をかく時期に使いやすいといえるでしょう。
自分の症状に適したステロイド外用剤(塗り薬)がわからない場合は、薬局・薬店の薬剤師、または登録販売者に症状を伝え、相談してみましょう。
薬局・薬店で購入したステロイド外用剤(塗り薬)を5~6日使用しても改善がみられない場合は自己判断で使用を続けず、医療機関(皮膚科)を受診してください。
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