貨幣状湿疹の原因&対処法
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秋から冬にかけて多くみられる、強いかゆみをともなうコイン型の湿疹を「貨幣状湿疹」といいます。今回は貨幣状湿疹についてご紹介します。
貨幣状湿疹とは?
直径1~5cmほどのコイン型の湿疹が多発する症状をいいます。強いかゆみをともなうため、掻き壊してしまうことで湿疹が広がっていきます。全身にできる湿疹ですが、特にすねや腕、お腹周りや臀部にできやすいのが特徴です。
貨幣状湿疹の原因
乾燥や虫さされ、かぶれ(接触性皮膚炎)などをきっかけに生じることが多いですが、原因は明らかになっていません。
そのほか、慢性扁桃炎、副鼻腔炎、虫歯などの悪化とともに貨幣状湿疹が発症・悪化することがあるため、病巣感染や細菌アレルギーが考えられたり、アトピー性皮膚炎の症状のひとつとして貨幣状湿疹が現れることもあります。
貨幣状湿疹の症状
直径1~5cm程度のコイン型の湿疹がたくさんでき、強いかゆみを生じます。患部を掻き壊すことで悪化し周囲に症状が広がるうえ、いくつかの貨幣状湿疹がくっついて病巣が大きくなることがあります。
患部は赤や茶褐色で、周りの皮膚との境界がはっきりしており、一つひとつの湿疹では外側には小水疱(小さな水ぶくれ)が、中心部はジュクジュクした傷ができるのが特徴です。このジュクジュクした中心部が乾燥するとやがてかさぶたになり、鱗屑(うろこ状の白色片)がボロボロとはがれます。
発疹が治りかけたところに、再度新しい発疹が現れることもあります。
貨幣状湿疹の予防・対処法
虫さされやかぶれを掻き壊すことにより貨幣状湿疹へと移行することがあるため、それらの肌トラブルが発生した段階で正しいセルフケアを行うことが大切です。かゆみが強く我慢できない場合は、かゆみを抑え強い抗炎症作用のあるステロイド外用剤(塗り薬)による早めの対処が有効です。
ただし、ステロイドには抗炎症作用のほかに免疫抑制作用もあるため(※)、化膿している(感染をおこしている)皮膚に使うとかえって悪化するおそれがあり、注意が必要です。
※参考「ステロイド外用剤(塗り薬)とは?」すでに貨幣状湿疹が進行し皮膚が化膿している場合には、細菌の増殖を防ぐ働きのある抗生物質(抗菌薬)が配合されたステロイド薬を使うようにしましょう。
皮膚が化膿(感染)しているかどうかわからない場合はこちら自分の症状に適したステロイド外用剤(塗り薬)がわからない場合は、薬局・薬店の薬剤師、または登録販売者に症状を伝え、相談してみましょう。
薬局・薬店で購入したステロイド外用剤(塗り薬)を5~6日使用しても改善がみられない場合は自己判断で使用を続けず、医療機関(皮膚科)を受診してください。