• 薬局・薬店で相談できる皮膚トラブル

女性ホルモンが影響する
頭皮のかゆみ

ホルモンバランスの崩れによって肌の状態が変化しやすい女性は、生理前や産後、更年期といったタイミングで頭皮トラブルを抱えることも少なくありません。

今回は女性ホルモンが影響する頭皮のかゆみについて、その原因や対処法をご紹介します。

女性ホルモンと皮脂分泌の関係

女性ホルモンには「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2種類があり、なかでもエストロゲンは皮脂の分泌を抑えたり、肌にうるおいを与えるといった重要な働きがあります。

生理の前にはエストロゲンが多く分泌されることから、肌がうるおい、皮脂の過剰な分泌が抑制され、肌荒れがおこりにくい健康な状態になります。一方、生理中に肌が荒れやすいのは、エストロゲンの分泌が低下し、皮脂の分泌をうながすプロゲステロンが増えるからです。

妊娠から出産の時期にかけてはエストロゲンの分泌量が非常に多くなりますが、出産後はほとんど0に近い状態まで分泌量が少なくなるため、産後は皮脂の分泌量が増加します。

さらに、40代半ばから50代半ばの更年期を迎えると、エストロゲンの分泌量は減っていきます。

ホルモンバランスの崩れにより頭皮におこるかゆみ

皮膚のいちばん外側にある「角層」は通常水分を保ち、外からの刺激が入ってこないようにバリアする働きをしていますが、エストロゲンの減少で肌の乾燥が進むと、皮膚は角層に水分を保てなくなります。そうして角層のバリア機能が低下した皮膚は、少しの刺激でかゆみがおこりやすくなります。

頭皮のかゆみの対処法

シャンプーを変える

なかなか症状が落ち着かない場合は、油分を含むシャンプーを避け、かゆみの原因菌の増殖を抑える抗真菌成分「ミコナゾール硝酸塩」などを配合したシャンプーに変えてみるのもよいでしょう。

市販薬で症状をおさえる

頭皮のかゆみはローションタイプのステロイド外用剤(塗り薬)で治療するのも有効です。できるだけ毛につかないように、患部に指で直接やさしく塗りましょう。容器の口を患部に直接つけないように注意してください。直接つけてしまうと、容器の中に細菌などが入り、薬が使えなくなることがあります。

ただし、マラセチア感染症を起こしている癜風でんぷうやマラセチア毛嚢炎もうのうえんに対しては、ステロイド外用剤(塗り薬)は使用できません。

「ローションは軟膏やクリームと何が違うの?」

自分の症状に適したステロイド外用剤(塗り薬)がわからない場合は、薬局・薬店の薬剤師、または登録販売者に症状を伝え、相談してみましょう。

薬局・薬店で購入したステロイド外用剤(塗り薬)を5~6日使用しても改善がみられない場合は自己判断で使用を続けず、医療機関(皮膚科)を受診しましょう。

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