火傷の応急処置と治療法
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日常生活のさまざまな場面でおこりうる火傷。軽い赤み程度で済む場合もありますが、
なかには手術や入院が必要になるほど深刻な状況に陥ってしまうことも。
もしものときのために、今回は火傷の症状や応急処置の方法、火傷あとのケア方法についてご紹介します。
火傷の症状
皮膚が熱に一定時間以上触れることでおこる損傷を火傷(医学用語では「熱傷」といいます。火傷には皮膚が2~4日ほど赤くなるだけで自然に治るものもあれば、手術や入院が必要になるものもあり、どれだけ皮膚がダメージを受けたかによって(ダメージの浅い順に)Ⅰ度熱傷、浅達性Ⅱ度熱傷、深達性Ⅱ度熱傷、Ⅲ度熱傷の4つに分けられます。
Ⅰ度熱傷
皮膚の浅いところにある表皮だけがダメージを受け、赤みがみられる火傷です。2~4日程度で自然に治ります。
浅達性Ⅱ度熱傷
熱によるダメージが真皮の表層まで達した火傷です。強い赤みや痛みがあり、水ぶくれができます。治療することで数週間で治り、痕が残りません。
深達性Ⅱ度熱傷
熱によるダメージが真皮の深層まで達した火傷で、壊死により皮膚が白っぽく変色します。治療に時間がかかり、ひきつれや傷痕などが残ります。
Ⅲ度熱傷
熱によるダメージが皮膚の表層から血管や神経を含んだ皮下組織にまで達した火傷です。高温の熱に長時間触れた場合におこり、患部は白っぽくなり痛覚も失います。手術や入院が必要になることがあり、治療を行っても傷痕が残ります。
火傷の応急処置
火傷をしたら、すぐに患部を冷やすことが重要です(※)。流水で15~30分ほど患部を冷やしましょう。服の上から火傷をした際は無理に脱ごうとせず、服を着たまま冷水をかけて冷やします。服の上からならば、氷や保冷剤を使って冷やしてもかまいませんが、長時間当て続けると凍傷になることもあるため注意が必要です。
赤みのみであれば自然に治癒することがほとんどですが、それ以外は医療機関を受診して医師に相談しましょう。身体の広範囲に火傷をした場合は、すぐに医療機関を受診してください。水ぶくれができている場合、破かないように清潔なガーゼやタオルを当てて保護します。また、患部が腫れてくる可能性もあるため、指輪などのアクセサリー類は外しておくようにしましょう。
※I 度熱傷,浅達性 II 度熱傷の場合、受傷から2日以内の初期にステロイド外用薬を使用することで、炎症を抑える効果が期待できます。紫外線により皮膚がダメージを受ける「日焼け(日光皮膚炎)」も火傷の一種です。日焼けした部分が熱っぽくヒリヒリと痛む、冷やした後も赤みや痛みが続くといった症状がみられ、水ぶくれ・発熱・倦怠感・頭痛・嘔吐などの重い症状をともなうこともあります。
紫外線(UV)による肌トラブルの対策は?低温火傷の場合
カイロや湯たんぽ、電気カーペットなど、40~60℃程度の比較的低い温度のものに皮膚を長時間密着させたときに、熱によって皮膚がダメージを受け時間の経過とともに火傷の症状があきらかになるものを「低温火傷」(医学用語では「低温熱傷」)といいます。
皮膚の赤みやヒリヒリした痛みなどをはじめに感じ、赤み程度の見た目ですが、実際は長時間熱に触れていたことで皮膚の細胞が大きなダメージを受けています。徐々に水ぶくれや皮膚のただれが生じ、ひどい場合は患部が黒く変色し、かさぶたのようになることもあります。
低温火傷の場合は、実際にはⅡ度熱傷あるいはⅢ度熱傷になっているケースが多いため、冷やしたりせず、速やかに病院にかかりましょう。低温火傷は重症化する傾向にあるため、必ず医師の治療を受けてください。
火傷あとのケア方法
火傷あとの治療にはヘパリン類似物質を主成分とする保湿剤が有効です。ヘパリン類似物質には保湿作用、血行促進作用、抗炎症作用があるため、傷あととなる皮膚を保湿しやわらかくし、皮膚の新陳代謝を促進し、炎症を抑える効果が期待できます。
軟膏やクリームの場合、大人の人差し指の先から第1関節に薬をのせた量(約0.5g=1FTUと呼びます)を大人の手のひら2枚分くらいの面積に塗ることができます(体表面積の約2%)。
- 軟膏やクリーム(チューブ)の1FTUの量の目安
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- クリーム(瓶)の場合
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大人の人差し指の先から第1関節の半分まで薬をのせた量が1FTU(約0.5g)に相当し、大人の手のひら2枚分くらいの面積に塗ることができます。
- ローションタイプの場合
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1円玉大が1FTU(約0.5g)に相当し、大人の手のひら2枚分くらいの面積に塗ることができます。
※瓶タイプの場合は大人の人差し指の先から第1関節の半分まで薬をのせた量が1FTUの目安となります。
※ローションタイプの場合は1円玉大が1FTUの目安となります。
- 擦り込まないようにしましょう。
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指にとった保湿剤を患部に置き、手のひらを使ってこすらずやさしく皺に沿って塗り広げます。塗った後の肌がテカるくらいが目安です。
※保湿剤は皮膚が水分を吸収している入浴後に塗るのが効果的です。
できれば入浴後5分以内に、早めに塗るようにしましょう。