• 薬局・薬店で相談できる皮膚トラブル

このかゆみって何?
手足や顔首、
頭皮にでる湿疹の症状と対処法

皮膚に突然あらわれる、かゆみや赤みなどをともなう湿疹。原因も対策もわからないまま掻き壊して症状を悪化させないように、手足や顔首、頭皮にでる湿疹の症状、予防法、対処法をまとめました。

手や腕にできる湿疹の例

手湿疹

指や手のひら、手の甲が赤く腫れたり、水ぶくれが生じることで、強いかゆみや痛みをともなう症状のことをいいます。悪化すると皮がむけたり、ひび割れが生じ、傷口がただれてしまったりすることもあります。

予防法:水仕事やアルコール消毒の後にはクリームなどで保湿をする、水仕事の際はゴム手袋をつける、手洗いは水やぬるめのお湯を使用するなど

手湿疹の原因&対処法
手湿疹

異汗性湿疹(汗疱かんぽう

手足の指や手のひらに突然小さな水ぶくれが左右対称に多発し、かゆみや痛みをともなう症状のことをいいます。小さな水ぶくれがくっつき合って、より大きな水ぶくれになることもあります。

予防法:汗をかいたままの肌を放置しない

異汗性湿疹(汗疱かんぽう)の原因&対処法
異汗性湿疹(汗疱)

足にできる湿疹の例

皮脂欠乏性湿疹(皮膚炎)

乾燥してうろこ状の鱗屑りんせつ(皮膚の表面の角層が肥厚し、剥がれた状態)がみられる皮膚に、亀甲状の赤みや円形の赤みが生じ、さらにかゆみが増した状態をいいます。高齢の方の膝から下に生じることが多く、大腿や腰に広がることもあります。

予防法:保湿をする、入浴はぬるめのお湯で短時間にする、湿度を保つように生活環境を整えるなど

皮脂欠乏性湿疹(皮膚炎)の原因&対処法
皮脂欠乏性湿疹(皮膚炎)

異汗性湿疹(汗疱かんぽう

足の裏に突然小さな水ぶくれが左右対称に多発し、かゆみや痛みをともなう症状のことをいいます。小さな水ぶくれがくっつき合って、より大きな水ぶくれになることもあります。

予防法:汗をかいたままの肌を放置しない

異汗性湿疹(汗疱かんぽう)の原因&対処法

顔や首にできる湿疹の例

あせも

肌の外側にある「表皮」部分の汗管かんかん(汗を排出する管)がつまることによっておこる、赤みのあるブツブツをいいます。かゆみをともない、ヒリヒリするような痛みが現れることもあります。あせもは顔や首、わきの下など、汗が多く排出される部位に見られます。

予防法:汗をかいたままの肌を放置しない、あせもができてもたら掻かないようにするなど

あせもの原因&対処法
あせも

脂漏性湿疹(皮膚炎)

顔面、耳などの皮脂の分泌が盛んな部位に生じる皮膚炎です。患部に白から黄色のうろこ状のフケをともなう赤みがみられるのが特徴です。

予防法:フケがたまらないように適度に洗う、洗顔料を変えるなど

脂漏性湿疹(皮膚炎)の原因&対処法

化粧品かぶれ

化粧水や美容液などの基礎化粧品、ファンデーションやアイシャドウなどのメイクアップ化粧品に含まれる成分による肌への刺激、あるいはアレルギー反応によって、赤みやかゆみなどの症状がおこることをいいます。

予防法:新しい化粧品を使い始めるときは、「使用テスト」を行う

知っておきたい「化粧品かぶれ」

頭皮にできる湿疹の例

頭部粃糠疹ひこうしん(フケ症)

頭皮の角層が多量にはがれ落ちる症状のことをいい、症状が悪化するとかゆみや炎症、脱毛をともなう場合もあります。

予防法:フケがたまらないように適度に洗髪する、シャンプーを変える

頭部粃糠疹ひこうしん(フケ症)の原因&対処法
頭部粃糠疹(フケ症)

脂漏性湿疹(皮膚炎)

頭や生え際などの皮脂の分泌が盛んな部位に生じる皮膚炎です。患部に白から黄色のうろこ状のフケをともなう赤みがみられるのが特徴です。

予防法:フケがたまらないように適度に洗髪する、洗髪前にフケをやわらかくする、シャンプーを変えるなど

脂漏性湿疹(皮膚炎)の原因&対処法
脂漏性湿疹(皮膚炎)

ステロイド外用剤による対処法

上に挙げたような身体に出る湿疹について、市販されているステロイド外用剤(塗り薬)が有効な場合もあります。薬局・薬店の薬剤師に考えられる原因と症状を伝え、使用できるステロイド外用剤(塗り薬)があるか相談してみましょう。

原因がわからない、症状が広範囲にわたっている(※1)、腫れやかゆみが強い、薬局・薬店で購入したステロイド外用剤(塗り薬)を5日~6日使用しても改善がみられない場合は自己判断で治療を続けず、医療機関(皮膚科)を受診しましょう。

なお、マイルドランク(※2)以上のステロイド外用剤(塗り薬)を顔などに使用する場合、500円玉より大きいサイズの患部には使用しないでください。

※1「広範囲」とは=症状が大人の手のひら2枚分以上の範囲にわたっていることを指します。顔などの場合は、症状が500円玉の大きさ程度以上の範囲にわたっていることを指します。
※2 ステロイド外用剤(塗り薬)は作用する強さによって「ウィーク」から「ストロンゲスト」まで、5段階に分類されます。
ステロイド外用剤(塗り薬)の「強さのランク」とは? ※ 皮脂の分泌量が増え頭皮の常在真菌「マラセチア菌」が増殖したことでマラセチア感染症を起こしている癜風でんぷうやマラセチア毛嚢炎もうのうえんに対しては、ステロイド外用剤(塗り薬)は使用できません。

患部の様子や部位・範囲を選択することで、患部の現在の状態と今後の進行を知り、対処方法がわかる「皮膚トラブルの状態チェック」も活用しましょう。

こちらから、ご自身の患部の状態を知り、

対処法がチェックできます。

皮膚トラブルの状態チェック

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