紫外線(UV)による
肌トラブルの対策は?

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真夏にかぎらず、5月なかばから9月初旬は紫外線が強くなり、曇りの日であろうとつねに降り注いでいます。たとえ弱い紫外線だとしても、対策をせずに浴び続けると肌はみるみるダメージを受けてしまいます。
皮膚の表面にある角質の層は、皮脂膜に覆われています。この皮脂膜は外から刺激物が侵入するのを防ぎ、水分を保つ“皮膚のバリア機能”を担っていますが、紫外線はこの皮脂を酸化させ、バリア機能の働きを弱めてしまいます。

バリア機能が低下した皮膚の内部は水分が逃げ、乾燥が進みます。そのうえ無防備な状態ですから刺激を受けやすくなり、さまざまな肌トラブルを引きおこしてしまうのです。
紫外線(UV)によるおもな肌トラブル
セルフメディケーションとはすなわち、「自分の健康を自分で守る」こと。その際に重要なのは、大きくふたつあります。
- 日焼け(日光皮膚炎)
- 紫外線によるダメージで皮膚のバリア機能が壊れてしまった状態をいい、日焼けした部分が熱っぽくヒリヒリと痛む、冷やした後も赤みや痛みが続くといった症状がみられます。重度の日焼けの場合、水ぶくれ・発熱・倦怠感・頭痛・嘔吐などの症状をともなうこともあります。
- 肌荒れ
- 紫外線の刺激を受け続けると、皮膚は紫外線の内部への侵入を防いで肌を守ろうとします。その結果、肌の表面は余分な角質が滞り厚くなった「角質肥厚」という状態におちいります。角層の構造が乱れた皮膚の内部は、保たれていた水分や脂質が蒸発し乾燥が進んでしまうため、肌表面のキメが乱れ、ざらついたりゴワついたり、皮がめくれるといった肌荒れがおこります。
- ニキビ
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紫外線による乾燥が進むと、肌荒れによって角質が厚くなり、毛穴をふさいでしまいます。つまった毛穴に皮脂がたまり、アクネ菌が増殖してニキビができるうえ、紫外線はニキビの炎症を悪化させてしまうので、さらに症状が進んでしまうこともあります。
- アトピー性皮膚炎などの症状の悪化
- アトピー性皮膚炎をおこしている肌は乾燥しやすく、もともとバリア機能が低下している状態です。そこに炎症を促進させる紫外線があたると、さらにアトピー性皮膚炎などの症状が悪化することもあります。アレルギーなどで肌にかぶれがある場合も、紫外線には十分気をつける必要があります。
紫外線(UV)の対策は?
肌トラブルを引きおこす紫外線は曇りや雨の日でも降り注いでいるため、1年を通して対策を習慣づけるようにしましょう。
- 日焼け止めは正しく選んで使用する
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日焼け止めを選ぶ際は「SPF」と「PA」の表示を確認します。「SPF」は紫外線によっておこる炎症を防ぐ効果の目安を示したもので、数値が大きいほど効果が高くなります。「PA」は肌の弾力を失わせる紫外線A波(UVA)を防ぐ効果の目安を示したもので、「+」が多いほど効果は高くなります。
以下を目安として、使用する状況に適した日焼け止めを選ぶようにしましょう。 - 日焼け止めは正しいタイミングで塗る
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日焼け止めは、一度塗れば安心というわけではありません。汗や皮脂によって流れ落ちることもあるため、2~3時間ごとに塗り直すようにしましょう。メイクをしている場合は、日焼け止めスプレーやパウダーがオススメです。日にあたりやすい頬や耳、首回りなどは特に念入りに塗ってください。
日焼け止めが肌になじむまでには15分は必要です。日焼け止めは、外出する15分前までに塗るようにしましょう。 - 肌の露出を控える
- UVカット効果のあるカーディガンや日傘、サングラス、つばの広い帽子などで紫外線から身を守りましょう。
紫外線(UV)による肌トラブルがおこったら
- 軽い日焼け
- 肌が赤くほてり、ヒリヒリするような軽い日焼けの場合は、冷えた濡れタオルや氷嚢(氷水を入れたビニール袋をタオルで包んだものでもOK)をあてて、しっかり冷やしましょう。
- 冷やしても赤みや痛みが残る日焼け
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日焼けした箇所を冷やしても赤みやヒリヒリとした痛みが続く場合は、市販されているステロイド外用薬(塗り薬)を使用すると良いでしょう。薬局・薬店の薬剤師に症状を伝え、使用できるステロイド外用薬(塗り薬)を相談してみましょう。
日焼けが広範囲にわたっている、水ぶくれ・発熱・倦怠感・頭痛・嘔吐などの症状がある場合は自己判断で治療せず、医療機関(皮膚科)を受診しましょう。
- ニキビ
- ニキビには、ステロイド外用剤(塗り薬)を使用することはできません。十分な睡眠、栄養バランスのとれた食事を心がけ、低刺激で油分が少ないスキンケア製品で肌の保湿を行いましょう。
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