• 薬局・薬店で相談できる皮膚トラブル

お風呂上がりにぶつぶつが!
コリン性蕁麻疹の原因&対処法は?

最終更新:

お風呂上りや運動後などの身体が温まったときに現れるぶつぶつ。その正体は「コリン性蕁麻疹じんましん」かもしれません。今回はコリン性蕁麻疹じんましんについてご紹介します。

コリン性蕁麻疹じんましんとは?

発汗をつかさどる神経の伝達物質「アセチルコリン」が関わっておこる蕁麻疹で、おもにお風呂上りや運動後など、汗をかく際に症状が現れます。

入浴や運動、精神的な緊張で体温が上がると、汗をかいて体温を下げるように脳が指令を出し、自律神経を介して全身に伝えられます。その指令を受けてアセチルコリンが大量に分泌され、汗腺が開き汗が体外に排出されます。

コリン性蕁麻疹じんましんの原因

コリン性蕁麻疹の詳しい発症メカニズムは現在のところわかっていませんが、コリン性蕁麻疹の患者さんの皮膚の中では、アセチルコリンが分泌される際にかゆみを引き起こす「ヒスタミン」が大量に分泌されることがわかっています。それによって、皮膚の表面に炎症やかゆみがおこってしまうと考えられます。

コリン性蕁麻疹じんましんの症状

コリン性蕁麻疹は3~5mm大の小さな膨疹ぼうしん(赤みをもった膨らみ)がたくさん現れるのが特徴です。

それぞれの膨疹がつながったようになることもありますが、他のタイプの蕁麻疹のように大きな平べったい膨らみにはなりません。かゆみ以外にも、ピリピリしたり、チクチクする痛みをともなうことも他のタイプの蕁麻疹と異なる特徴です。

手のひら、足の裏、わきの下をのぞく全身に症状が現れ、小児や20代の若者によくみられます。

通常は膨疹が出現してから数分後~2時間以内に自然と消えますが、再び汗をかくと現れます。何日も続くようであれば、蕁麻疹ではなくあせもや湿疹など他の疾患である場合があります。

コリン性蕁麻疹じんましんの対処法

コリン性蕁麻疹は通常膨疹が出現してから数分後~2時間以内に自然と消えるため、再び汗をかかないようにすると自然と治まります。

かゆみが強く我慢できない場合は、掻きすぎて症状を悪化させないためにも、かゆみを抑え強い抗炎症作用のあるステロイド外用剤(塗り薬)による早めの対処が有効です。

コリン性蕁麻疹

汗をかきやすい部位に使用したり、汗ばむ季節に使用する際は、軟膏やクリームのものよりも、伸びがよくさらっとした使用感のローションが適しています。

水分が多く気化しやすいローションは、気化熱(汗の水分が蒸発する際に皮膚表面の熱を奪う現象のこと)で皮膚表面の温度を下げてくれるうえ、油分が少ないために薬がべとつかず、汗をかいてもさらっとした状態で皮膚に残ります。そのため、軟膏やクリームのものと比べても、汗をかく時期に使いやすいといえるでしょう。

ローションは軟膏やクリームと何が違うの?

自分の症状に適したステロイド外用剤(塗り薬)がわからない場合は、薬局・薬店の薬剤師、または登録販売者に症状を伝え、相談してみましょう。

薬局・薬店で購入したステロイド外用剤(塗り薬)を5~6日使用しても改善がみられない場合は自己判断で使用を続けず、医療機関(皮膚科)を受診してください。

関連記事

ステロイド外用剤(塗り薬)
なんでも相談

ステロイドって何?
ステロイドを正しく使おう
上手にステロイドを活用する方法