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ひじ・ひざ・かかとの
角質ケア方法

乾燥により起こる、ひじ・ひざ・かかとのガサガサやゴワゴワ。今回は正しいケア方法をご紹介します。

ひじ、ひざ、かかとは乾燥&刺激で厚く・硬くなる

ひじやひざは皮脂を分泌する「皮脂腺」が極端に少なく、かかと(足の裏)にはそもそも皮脂腺がありません。皮膚の潤いを保つ働きがある皮脂の分泌量が少ないこれらの部位は乾燥しやすく、年中ガサガサしてしまいます。

さらに、ひじやひざは机や床、椅子などにつけることが多く、かかとにいたってはつねに地面についている状態ですから、これらの部位はとくに刺激を受けやすくなります。体はその刺激に負けないようにと反応し、皮膚の角層(角質細胞からなる層)を厚く硬くします。

かかとの角質

ひじ・ひざ・かかとのケア方法

乾燥し、硬くなったひじ・ひざ・かかとのケアは、第一に不要な角質をオフ(除去)することから始めます。湯船につかり、角質をやわらかくしてからスクラブ入りの洗浄料でやさしくマッサージしましょう。強くこすると皮膚を傷つけてしまので、力を入れすぎないように注意してください。

ケアしすぎると、それが刺激となりかえって角層が厚くなってしまうこともあるので、月に1、2回のペースで継続して行うようにしましょう。

角質をオフした後は化粧水やボディーローションで水分を与え、そのあとクリームやオイルをやさしくなじませましょう。皮脂腺が少ない部位なので、外側からうるおいをたっぷりと与えることが大切です。

とくに高い保湿力が期待できる「ヘパリン類似物質」を主成分とする保湿剤は、水分保持作用だけでなく、角層柔軟化作用、バリア機能補強作用などもあるため、乾燥しはじめのひじ・ひざ・かかとのケアにも適しています。

ヘパリン類似物質とは

皮膚の状態によって保湿剤を使い分ける

ヘパリン類似物質のほかに、保湿剤の主成分には尿素やワセリンなどが使われます。どの保湿剤が自分の症状に適しているのか判断する際に、皮膚の状態がひとつの目安となります。

皮膚が乾燥している「ガサガサ」タイプには「ヘパリン類似物質」
先述のとおり、ヘパリン類似物質の特徴は高い水分保持作用にあります。皮膚がガサガサと乾燥している場合は、ヘパリン類似物質が主成分の保湿剤を選ぶといいでしょう。
角質が硬くなっている「カチカチ」タイプには「尿素」
尿素の特徴は角層柔軟化作用にあります。高濃度の尿素は角質のもととなるたんぱく質に作用し硬くなった角質をやわらかくするため、尿素を含んだ保湿剤を選ぶ際は「尿素20%配合」と表記されている配合率が高いものを選ぶといいでしょう。
ただし、皮膚がむけている、炎症を起こしている、傷があるといった場合は刺激を強く感じることもあるため使用を控えてください。
「ひび割れ」タイプには「ワセリン」
皮膚の外側に膜をつくることで皮膚を保護し水分の蒸発を防ぐワセリンは、それ自体には水分を与える作用をもちませんが、そのぶん皮膚への刺激が少ないため、傷ができてひび割れている場合にも使用できます。

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