• 薬局・薬店で相談できる皮膚トラブル

ヘパリン類似物質配合の
保湿剤の正しい使い方

乾燥による皮膚トラブルの治療に有効なヘパリン類似物質配合の保湿剤。今回は正しい使い方についてご紹介します。

使用期間と塗るタイミング・回数は?

ヘパリン類似物質配合の保湿剤は効果が感じられる場合、用法・用量を守っているかぎり毎日使用できます。一般的に、保湿剤は1日1回よりも1日2回塗るほうが効果が高いとされています。保湿剤は皮膚が水分を吸収している入浴後に塗るのが効果的です。できれば入浴後5分以内に塗るようにしましょう。

5~6日間使用しても症状がよくならない場合や悪化した場合は使用を止め、医師、薬剤師、登録販売者に相談しましょう。

塗る量、塗り方のポイントは?

塗る量の目安

容器がジャータイプの場合、手のひら2枚分の広さに塗ることができる量は、人差し指の先端から第一関節までの1/2の長さ分、お薬をすくった量=1FTU(約0.5g)が目安です。

塗る量の目安

基本的な塗り方

患部に薬を置いて、手のひらを使ってこすらずやさしくしわに沿って塗り広げます。塗った後の肌がテカるくらいが目安です。

薬を塗る前には、手を洗って清潔にしましょう。強い力ですりこむように塗ると肌を傷つけてしまうこともあるので、やさしく伸ばすように塗りましょう。特に、目の周りはやさしく塗り、目に入らないよう注意しましょう。

小さな子どもや妊娠中の人も使える? 顔に使用するのはNG?

ヘパリン類似物質配合の保湿剤は小さなお子さんでも使用できますが、保護者の指導監督のもと使用してください。また、保管時には小児の手に届かない所に保管してください。
妊娠中も使用できます。医師(かかりつけの産婦人科医など)に相談してください。
顔にも使用できますが、目や粘膜(口腔、鼻腔など)には使用しないでください。

副作用はある?

まれに、赤みやかゆみなどが出る方もいます。その場合は使用を止め、医師に相談しましょう。なお、出血性血液疾患(血友病、血小板減少症、紫斑病など)を持っている方や、血液凝固抑制剤を服用中の方は、使用を控えてください。

保湿剤の「医薬品」、「医薬部外品」、「化粧品」は何が違う?

医薬品
病気の「治療」を目的とした薬のことをいい、厚生労働省より有効成分の効果が認められたもので、ヘパリン類似物質の含有量が高い。
医薬部外品
厚生労働省が許可した効果・効能に有効な成分が一定の濃度で配合されていて、「予防や衛生」を目的としているもので、人への作用が緩和なもの。
化粧品
おもに清潔・美化、魅力を増す、健やかに保つなどを目的としたもので、人への作用が緩和なもの
作用が高いものから並べると「医薬品>医薬部外品>化粧品」となります。

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