• 薬局・薬店で相談できる皮膚トラブル

高齢者の皮膚トラブルの
原因と対処法

高齢者の方に多く見られる皮膚トラブルについて、原因や対処法をご紹介します。

年齢により低下する皮膚の水分量

皮膚のいちばん外側にある角層は、皮脂の膜で守られることで水分が外に放出されるのを防いでいますが、加齢によって皮脂の量が減るとバリア機能がそこなわれ、乾燥をおこしてしまいます。乾燥が進むと皮膚表面がガサガサになり、白い粉をふいたり、ひび割れをおこし、かゆみや痛みが発生します。

乾燥肌

表皮には水を蓄える機能がありますが、その役割を担っているのが「角質細胞間脂質」と「天然保湿因子」です。角質細胞間脂質は細胞同士をくっつけて水を蓄える機能があり、水分子と結合している天然保湿因子には保湿機能がありますが、これらは加齢によって減少していくため、角層の水分量はどんどん低下していきます。

  • 若い方の皮膚の状態
  • 高齢の方の皮膚の状態

加齢のほかにも、皮膚が乾燥する要因はさまざま

皮膚が乾燥する原因として、加齢によるもののほかにも、気候や冷暖房による空気の乾燥などもあげられます。特に冬の乾燥には注意が必要です。皮膚の乾燥だけでなく、新型コロナウイルス感染症やインフルエンザを予防するためにも、お部屋を適切に加湿することを心がけましょう。

また、ナイロンタオルなどで身体を強く洗いすぎたり、病気や治療の影響で皮膚が乾燥することもあります。

原因が明らかで、かつ対処が可能なものはできるだけ対処しましょう。

  • 加齢による生理機能の低下
  • 外の空気の乾燥や気温の低下
  • 冷暖房の使いすぎ
  • ナイロンタオルなどでの
    体の洗いすぎ
  • 病気や治療による影響

加齢による乾燥肌の対処法

加齢による乾燥肌には、保湿剤の使用が有効です。保湿剤にはさまざまな種類があるため、症状に合ったものを選ぶようにしましょう。

保湿剤の種類と使い方

また、乾燥肌だけでなく皮脂欠乏性湿疹(皮膚炎)などの湿疹も併発している場合は、保湿剤による保湿だけでなく、ステロイド外用剤(塗り薬)による治療も必要です。

湿疹、皮膚炎の原因&対処法

自分の症状に適したステロイド外用剤(塗り薬)がわからない場合は、薬局・薬店の薬剤師、または登録販売者に症状を伝え、相談してみましょう。

保湿剤と併用する際には、塗る面積の広い保湿剤を先に塗り、後からステロイド外用剤(塗り薬)を患部だけに塗りましょう。ステロイドを塗る必要のない正常な皮膚にまで広げてしまうことを防ぐためです。


薬局・薬店で購入したステロイド外用剤(塗り薬)を5~6日使用しても改善がみられない場合は自己判断で使用を続けず、医療機関(皮膚科)を受診しましょう。

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