• 薬局・薬店で相談できる皮膚トラブル

高齢者のかゆみをともなう
皮膚疾患

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年齢とともに増えてくる「肌のかゆみ」。加齢で乾燥や刺激に弱くなった肌は、さまざまなトラブルを起こしやすくなります。今回は、高齢者に多いかゆみをともなう皮膚の病気をご紹介します。

かゆみをともなう皮膚トラブルは?

高齢者におこりやすい、かゆみをともなう皮膚トラブルで多いものの一例です。

かぶれ(接触皮膚炎)

洗剤、金属、薬剤、オムツなどの物質が皮膚に触れて炎症をおこす病気です。原因となる物質に触れた部位に赤みや小さな水ぶくれ、強いかゆみが出ます。高齢者では皮膚の反応が遅れることがあり、数日後に症状が出ることもあります。

かぶれ(接触皮膚炎)の原因&対処法

脂漏性湿疹(皮膚炎)

頭皮、眉毛、鼻や口まわりなど、皮脂の分泌が多い部分に赤みやかさつきがあらわれ、フケのような鱗屑りんせつがつきます。マラセチアという皮膚常在菌や皮脂の増加、ホルモンバランスの変化が関係しています。

脂漏性湿疹(皮膚炎)の原因&対処法

皮脂欠乏性湿疹(皮膚炎)

加齢や冬の乾燥で皮膚のバリア機能が低下し、腰やすねに細かいひび割れや網目状のしわが出てかゆみをともないます。乾燥が進むと赤みや湿疹に悪化することもあります。

皮脂欠乏性湿疹(皮膚炎)の原因&対処法

貨幣状湿疹

コインのような丸い形の赤い湿疹ができ、強いかゆみをともないます。小さな水ぶくれやかさぶたがつくこともあり、かくことでジクジクして悪化しやすいのが特徴です。皮膚の乾燥や細菌感染がきっかけになることがあります。

貨幣状湿疹の原因&対処法

蕁麻疹じんましん

皮膚に赤く膨らんだ発疹ができ、強いかゆみをともないます。数時間~1日で消えることが多いですが、繰り返し出ることがあります。食物、薬剤、寒冷、日光、発汗、機械的刺激など、発生する原因がわかっている蕁麻疹じんましんと、直接的な原因がわからない蕁麻疹じんましんがあります。

蕁麻疹じんましんの原因&対処法

痒疹ようしん

強いかゆみをもつ皮膚の盛り上がりがパラパラと散らばって発生する症状のことをいいます。慢性的に強いかゆみが続くため睡眠や仕事などの生活に支障をきたすこともあります。

痒疹ようしんの原因&対処法

あせも(汗疹)

汗を排出する「汗管かんかん」が一時的につまり、汗が肌の内側にとどまることでおこります。赤く小さなぶつぶつができてかゆみをともなうタイプ(紅色汗疹こうしょくかんしん)と、白っぽい小さな水ぶくれができてかゆみがないタイプ(水晶様汗疹すいしょうようかんしん)があります。

あせもの原因&対処法

皮膚そう痒症(老人性皮膚そう痒症)

加齢によって皮脂や汗の分泌が減ると皮膚が乾燥し、角質層の水分が不足してかゆみが出やすくなります。皮膚表面が白く粉をふいたり、ひび割れが見られたりすることもあります。特に入浴後や冬の乾燥した時期に強く症状が出やすいです。

ほかにも、高齢者のかゆみをともなう皮膚疾患として、ビダール苔癬たいせん(慢性単純性苔癬たいせん)や紅皮症こうひしょう、うっ滞性皮膚炎、乾癬かんせん白癬はくせんなどもあげられます。気になる症状があったら医療機関(皮膚科)に相談しましょう。

かゆみの予防・対処法

高齢者におこりやすいかゆみを予防するには保湿が大切です。保湿効果が高いヘパリン類似物質配合の保湿剤を使って肌を守りましょう。

かゆみがおこってしまったら、ステロイド外用剤(塗り薬)で治療するのも有効です。自分の症状に適したステロイド外用剤(塗り薬)がわからない場合は、薬局・薬店の薬剤師、または登録販売者に症状を伝え、相談してみましょう。

保湿剤と併用する際には、塗る面積の広い保湿剤を先に塗り、後からステロイド外用剤(塗り薬)を患部だけに塗りましょう。正常な皮膚にまでステロイド外用剤(塗り薬)を塗り広げてしまうことを防ぐためです。

薬局・薬店で購入したステロイド外用剤(塗り薬)を5~6日使用しても改善がみられない場合は自己判断で使用を続けず、医療機関(皮膚科)を受診しましょう。

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